京都西山西山古道から紅葉の光明寺’13.11.28

 善峰寺-京青ノ森-展望台-柳谷観音-十人橋-立石橋-西山キャンプ場-梅林-光明寺

 いよいよ寒波襲来の日に西山古道歩きの案内となってしまいました。しかし、予報の感じよりもそう山なかの歩きは寒さに心配ない一日となってくれました。それにしても善峰寺、柳谷観音楊谷寺に粟生の光明寺の京都西山三山の紅葉には心なしか見ごろをやや過ぎていたのかな・・?、と思えたのでしたがそれでも非日常の心根からかも、心はこの紅葉の見事さにうっとりすることができました。もちろん本来のお目当て西山古道歩きも順調に完歩していただくことができました。

 それでは順次の様子を画像を中心にしてご覧いただきましょう。朝一番のJR向日町と阪急東向日からの阪急バスで善峰寺に着くと、ストレッチなどして9:20にいきなりの急坂を登りだしますと、そこが登山口でした。その標示は↓の画像の並びの順で立っていますから初めての方でもすぐに分かります。

 山道に入りますともう左手には紅葉三昧となります。歩く足元にもきれいな紅葉の落ち葉が重なって踏むのももったいない感じです。ほとんどがイロハカエデやヤマモミジでしょうか。でもよく見て歩けば葉脈のきれいにたくさん揃った独特の葉っぱであるアワブキもいっぱいあります。うれしいですね、こんな気持ち良い落葉の坂道ですが、いっこうに気にせず歩けるこの幸せ、う~ん、今日も楽しい一日の始まりでした。そんなことを思い始めてすぐに最初の展望所に立ち寄って善峰寺から小塩山の稜線も眺めましょう。

 この後も名前負け?、の白糸の滝を見て、荒れ放題の杉林内の小屋よりクリンソウ群生地、そしてすぐに京青ノ森の四差路で一息入れましょう。先客のお二人はポンポン山へのいつもの毎日登山の常連の方、一言二言短い言葉を交わしてから、こちらは柳谷観音さんへ向かいましょう。
 すぐに新しく作業林道が伸びていましたが、その林道を踏むことなく西山古道を素直に進みます。するとまもなく右側にベニーカントリークラブのゴルフ場が飛び込んできます。寒いのにショットされる姿がありましたが、こちらの目はきれいな紅葉に向きます。カエデやメタセコイアの方にでした。お~ナイスショットでなく、ベリ~ナイスの紅葉です・・・笑
 フェンス沿いにはソヨゴが真っ赤な実をたわわにつけ、ゴンズイやムラサキシキブも実を見せてくれます。なお、ゴンズイは魚にも同じ名がありますが、ついでにカマツカ・キハダ・ハギ・サワラ・ヒイラギ・タラなどが樹木と魚で同じ名前を持つ種でしょうなどと話します。この内でカマツカ以外は川でなく、海に生息するものですが、他にもあるヨと知っている方はお教えいただくとうれしいですね~

 そして本日の展望台第二段地へ到着(10:45)でした。もっとも今では新林道が走ってきたようで、展望台あたりが哀れな状態となってしまっています。それにここは前からですが電線にも泣きます。せっかくの目の前に繰り広がる都富士の比叡山を筆頭の大パノラマですが、本日はやや見通しがはっきりとしなかったのが悔やまれました。
 でも目の下の先には赤く紅葉したタマミズキが見られました。タマミヅキのこれだけきれいな紅葉を眺められたのは初めてでした。いつもなら、葉を完全に落とした後の真っ赤な実が目に入る状態のタマミズキを知る者にとっては、この木は実がついていないようなので雄株でしょうか・・・?、それにしても今年の樹木にはどの種もいっぱいの果実がついている実なり年のように思われるのですが、他の箇所で雌株と知っているタマミズキでも赤い果実がこの時期でも見られないように思います。・・

 その後にはベニーカントリーのクラブハウスの下に続く紅葉の山並みを眺めながら、足元のウラジロやコシダの群落地を縫うように歩き、クロバイ、ヤマモモなどを観察し、急な下りに入りましたが、無事に降ると立派なカラスザンショウ、ウワミズザクラ、クスノキなど見て、ガラガラの歩き難い谷筋を上がると今度は目の前がパッと明るくなって鹿除けの金網地を開け閉めしますとヤマホロシの赤い果実が多数下がっているのも目に入ります。

 そしていよいよ柳谷観音さんの楊谷寺到着(11:30~12:30)でした。こちらで紅葉と昼食のゆったりのんびりタイムとなりました。このお寺さんの紅葉は穴場として知られていますが、さぁ、その見物とさせていただきましょう。三山の中で唯一フリーでの紅葉見物は、あさましい人間にとって(笑)、とりわけきれいなモミジが見事という形容にぴったりの紅葉狩りとなったのでした。その美しさをどうぞご一緒に・・・

 紅葉狩りに堪能した後の昼食もしっかり食べ、いったん10番道標まで戻って東へ小さな尾根を進みます。ツルアリドオシ、ウリカエデにウメモドキの果実を観察し、尾根歩きですが、この先が明るくなったなと感じるとまた新たな林道の出現でした。でもこちらはその道には降りずに山道を早春のころにはコバノミツバツツジの群生地なのですが、今は歩くばかりでした。
 谷筋に降りるとやや足元を意識しながらの歩行となります。サンショウソウ、タニギキョウ、ツボスミレなどが多く咲くところですよなどと話しながら、本日の一番注意地点の十人橋でしたが、無事に渡り終えて鉄の橋、そして現在の西山古道としては道標地最後の19番の立石橋(13:35~40)で一本でした。

 これより西山キャンプ場まで林道歩き、途中には先の台風被害の土砂崩れ跡地を二ヶ所通過して閉鎖中のキャンプ場前、これからが最後の登り道となりますのでここで衣服調整をしましょう。また鹿除けの金網を出たり入ったりすると植林帯から梅林まで上がって、ようやくゆったりと歩けました。
 そして筍林から迷路のような道を行くと放生池の整地広場は珍しい蝶であるオオムラサキやウラジロミドリシジミのための植生管理がなされているところのようでした。標示によりますとクヌギ、ナラガシワやエノキなどが希少な蝶のために植林されているとのことでした。今年こそ、その成虫が飛翔する頃には訪ねてみたいものです。

 

 

 こうして無事に西山古道を歩きとおしていただき、着いたのは三山最後のお寺さんの西山浄土宗総本山である粟生の光明寺(15:10)でした。さて、光明寺のHPによりますと次のような説明があります。画像とともにご覧ください。

 西山浄土宗の総本山光明寺は京都西山のふもと、粟生広谷にあります。宗祖圓光大師法然上人が43歳の時、日本で最初に念仏の産声を上げられた立教開宗の地であります。法然上人が24歳の時、奈良への修業に叡山を降りられ、途中この粟生の里で当時の村役の高橋右衛門宅に一夜の宿をお借りになりました。
 その時、右衛門夫婦は上人の真剣な求法のお気持ちと広く大衆に救われる道を求めての旅であることを聞き、「まことの教えを見いだされましたらならば、まず最初に私共にその尊い教えをお説きください。」とお願いしました。
 時は流れて承安五年(1175)ついに浄土宗を開かれた上人は20年間のお約束の通り、この粟生の地で初めて念仏の法門を説かれたのです。

 こちら光明寺は聞きしに勝る大紅葉の真っ最中でしたが、よ~く見れば来る日がやや遅かったのかな・・?、と思えたのでしたがご参加の皆さまの目には如何写ったのでしょうか・・?。本日はお疲れ様でした。またご一緒しましょう~♪♪

 本日歩いたコースは↓のとうりです。

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