比良 釣瓶岳からナガオへ '13.9.11

 何年ぶりかの畑集落上の基幹林道トンネル手前の登山口より地蔵山へ登って大擂鉢から黒谷まで縦走してきました。昔は地蔵峠から畑バス停へ基幹林道を交差してバス停まで降ったものですが、今回は反対にマイクロバスで登山口まで上がりましたので相当のカットです。

 横谷96という電柱標示箇所でカナクギノキの幼木が立ち、ベニバナボロギクやダンドボロギクの残花が白い冠毛をつけていっぱい立つ登山口(9:30)から歩き始めます。今では古道も歩く人少なく、倒木など塞ぐところもありやや荒れ気味でした。それに急登続く地蔵峠への道も9月半ばというのに真夏のような酷暑で大汗しきりでした。
 でもなんとか登山口より1時間で地蔵峠、そしてすぐ上の3等三角点埋まる地蔵山で一本立てましょう。ここにきて初めての展望地、それはリトル比良の可愛いピークが頭をもたげて俯瞰できます。 (拡大画像は画像をクリック!)

 地蔵山から右に作業林道を見て、小さな尾根芯をはずさず南へササ峠あたりまで水平道の自然林の中を進みますが、この後から次第に軽い上りの繰り返しとなってきます。東側にはリトル比良からヤケオ山、釈迦岳、鉄塔立つカラ岳などの山並みを眺められるようになってきます。そして振り返って来し方を見ると比良山系北部の雄である蛇ケ峰もどっしりと姿を見せてくれています。さらに反対側の南への進行方向には本日の最高点の釣瓶岳(1098m)が見下ろし、その手前のイクワタ峠が近くなってきたのが分かります。

 着きました、登山口より1時間45分でイクワタ峠です。ここはすぐ後ろの北峰から朽木栃生へ降る道がよく整備されています。でも今日は南の釣瓶岳を目指します。そうそう、本日の歩きのメインは初秋の樹木たちの果実の様子を楽しみにやってきました。このあたりから道々に気のついた果実たちを中心に取り上げてみましょう。
 まずはイクワタ峠の道標はアズキナシの大木にありました。いつ来ても登山者の皆さんはここでザックを下ろします。このアズキナシはこれより釣瓶岳にかけてずっと見られましたが、高木になるために花や果実をしっかり目にするには手に取って見ることは容易でないためでしょうか、植物に関心のない登山者にはあまり目に入らない樹木ではあります。↓4枚目は釣瓶岳直下のアズキナシの高木です。なお、花時は5~6月です。↓下段のお花をご覧ください。

 
この画像は今年5/31に比良山系で撮影です。

 リョウブ、ナナカマド、タンナサワフタギなどが実をつけ、足元にはシダが繁茂して道を細くしています。そして次第に雰囲気のよい稜線には立派なブナ林が出てきて、アズキナシも負けずに高木が林立しています。そして快適に前進して最後の登りを片づけると本日の高みである釣瓶岳には2時間半ほどで到着してお昼(11:55~12:40)となりました。

 山頂にはツツジの仲間のナツハゼの実が紫茶褐色でもう少しで完熟して美味しくなる直前です。でも私はここにくればやはり比較的珍しく、ほとんどの方には名前を聞くのも初めてといわれるモチノキ科の『フウリンウメモドキ』の赤くぶら下がるのを知っていただこうと探します。

  

 山頂直下に二株が赤い果実を下げていました。なお、この樹木は雌雄異株といって雄株と雌株が別株でありますが、特徴である長い果柄がはっきりと撮れていなくて残念です。。花時は6~7月ですが、↑の右画像は今年の6/23の雨の中で撮った雄花です。
 雌株の花はふつう一個しかつきませんので、この画像のように2~5個ついて咲いているのは雄株の花であることが分かります。赤色の果柄に下垂する果実はもちろん雌株につきます。特徴は9~10月に2~3cmと長い果柄で赤く光沢ある果実の重みでぶらさがる姿を風鈴のようだと連想させる独特の樹木であります。

 ゆったり長い昼食タイムの後はいよいよナガオの東南方向へ尾根を降っていきます。こちらはうっすらとした踏み跡しかなく、縦走路を新幹線登山道とみるなら、こちらはあたかもローカル線のような登山道といえるのではないでしょうか。
 30分も降りていくとこれまた高木の青い葉をいっぱいつけた中に赤い実が目立ってありこれはなんですか?、との声あり、ア~あれはモチノキ科本家のモチノキでしょう・・などと安易に答えていましたが、モチノキは常緑樹であったのをすっかり忘れていました。この場よりお詫びして訂正です。
 同じ仲間の落葉樹のモチノキ科の『アオハダ』でした。特徴である短枝がよく発達し、花や果実もその短枝の先につくことが知られています。もっともその特徴をしっかり写真に収めることも忘れてしまっていましたが・・・。花時は5~6月ですが、こちらも高木となりお花を撮るのは容易ではありませんが、来年こそこのお花の画像をゲットしようと思います。

 その他に見た樹木の果実たちもご覧ください。

 他にシダや山野草などもご覧ください。

 今回は広谷への下山でなく、そのまま尾根を直進して広谷から八淵の滝への巻き道に合流です。そして新幹線道のようなその巻道を降りると大木の芦生杉を見たりした後に、いよいよ大擂鉢へ降りましたが、勢いよく流れるその大岩を渡るのが問題でした。大岩へ黄色いステップルと真新しい鎖もつけてあるのですが、岩にやや間隔があってコンパスの短い方には容易ではないようでした。。アレ~ポチャン!!もあったりして・・・笑

 それなりにお疲れな方もあり、そのままガリバー村へとのことでしたが、先へ進んで左への砂谷から八池谷を巡って予定どおり栗木田谷出合から林道歩きでマイクロバス待つ黒谷に当初予定どおりの16:10分到着となりました。お疲れ様でした。

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