京都西山 ポンポン山で出会えるお花たち '13.3.17 晴

 思わざるある事情のために山への日々が余儀なくされていたのであるが、ようやくにしてこの日は西山山系のポンポン山での山野草の出会いとなったことは、もう目の前に山笑う時期近しとともに殊の外うれしい。今後はその種の花々たちを可能な限り、時を変えながら取りあげていきたい。

 まずはポンポン山の早春の花といえば誰もが思うであろう「フクジュソウ」のはずである。ところがいずこも同じで近年の鳥獣被害、ここではとりわけ鹿や猪の被害が大きく、金網柵を張り巡らされたのだが、その成果も今年は少なく、猪による被害甚大で昨年に比べて花も激減状態のようであるのは見るも無残となったお花畑、これには残念至極だと思って見ていると、「姫路から来たんです」と遠路はるばる足を運んだ方にはお気の毒であった。

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 続いてポンポン山の早春の花の第二弾はやっぱり、「ヤマシロネコノメ」でしょう。フクジュソウは我も我もと、どなたでもがこの時期には押し寄せるのだが、こちらヤマシロネコノメはややマイナーな種のようだ。そう、それでいいのだ。あの谷にフクジュソウ地のような人が押し掛けると、いや、もう既にオーバーユース気味ではあるが・・。

 京都府内では南部地域の限られたところに生育するのみであり、日本固有種であって、京都府レッドデータブックに京都府カテゴリーでは「絶滅危惧種」、近畿レッドデータブックカテゴリーには「絶滅危惧種B」として指定されている。このように貴重な植物であるため、十分なる保護への姿勢が望まれるお花であることを知っておきたい。

 ついでながら、どこでもモードの同じ仲間の「ヤマネコノメソウ」「タチネコノメソウ」も咲いていた。

 さらに、どこでもモード第二弾、スミレ類です。「アオイスミレ」「タチツボスミレ」「ナガバタチツボスミレ 」の三種が見られた。

 アオイスミレ = 葉がフタバアオイの葉に似ていることから。 側弁に少し毛があり、花柱先はカギ形に曲がる。

 ナガバタチツボスミレ =  茎葉が細長く根生葉が卵円形、また托葉がタチツボ・・より裂け方が粗いのも特徴

最後に樹木だが、アセビは日の当たるところでは咲いていたが、まだまだこれからのよう。イヌガシも咲き初めで、マンサクは終盤のよう・・

 この後は余分ですが、下山後の街中で咲いていた植栽の木々もきれいでした。静岡県下田市の河津が本家で、日本一早く咲くことで人気の「河津桜」は終わりで「レンギョウ」はこれからだ。    

 なお、モクセイ科レンギョウ属にはレンギョウの他にシナレンギョウ、チョウセンレンギョウが中国原産、朝鮮半島原産だが1680年代に渡来したといわれ、三種とも日本で植栽されている。日本固有として「ヤマトレンギョウ」が岡山県など中国地方に、また、「ショウドシマレンギョウ」が小豆島に自生しているが、いまだに両者とも未見である。

 さらに住宅街の庭木も中国原産の「オウバイ」がほぼ終盤で、オーストラリア原産の「ギンヨウアカシア」は満開で、日本固有の「トサミズキ」はこれからであった。なお、マンサク科トサミズキ属には他にコウヤミズキ、キリシマミズキ、ヒュウガミズキがある。中でも一番身近な兵庫県に自生するヒュウガミズキは確認済である。

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