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北・西山
'12.4.24
一周トレイルの後半を歩きます。今回のスタートは叡電二ノ瀬の46番(7:00)から夜泣峠(7:24)へ上がり、新コースの小さなピークの向山(7:35)から山幸橋手前の関電発電所(8:04)までが最初の山歩きとなります。特に向山周辺で連続するコバノミツバツツジの華やかな色どりには小躍りしながら歩くこととなりました。
雲が畑岩屋橋への車道を横切って盗人谷から氷室、そして沢の池より高尾を目指します。このルートが今日の一番の山歩き部分です。なかでも盗人谷から小峠への急坂は堪えますが、気持ちの良い静かで清らかな清流を見ながら歩ける盗人谷の歩きで気分高揚した後の登りでしたからなんなく登れました。
それにしても盗人谷という名前はちょっと気味悪いですが、大昔にこの谷の街道ではよく盗っ人が出たことからの謂われのようです。今は出会う人もなく小鳥のさえずりとせせらぎの奏でるBGMだけで、すばらしい山狭が私のお気に入り道です。もちろん咲き初めのムロウテンナンショウにも一年ぶりだネと語りかけながら歩きます。
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盗人谷三つある一の橋 |
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ムロウテンナンショウ |
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渓流はあくまで清く |
伐採、枝落としなどの行き届いた北山杉植林帯の十三石山分岐である小峠(8:47~52)で一本立てます。この雰囲気のいい森にいつまで来れるのでしょうか。しっかりと目に焼き付けて腰をあげます。
すぐに氷室(9:00)の集落ですが、猫の子一匹見かけません。歴史ある地帯ですが、ここも限界集落となっているのでしょうか。ちょっと立ち寄ってみましょう。田んぼのあぜ道を行くと氷室跡です。
この氷室とは氷を保存したところで、冬に氷池でできた氷を保存し、夏に宮中に献上して使用されていました。その氷室の地とは成立年代や現存する氷室の時期などについては不明なものが多いようですが、日本書紀にも氷室が文献にあるなど歴史上、特に価値の高い地域のようであります。もちろん付近には氷室神社(9:10)も祀られています。
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十三石山分岐の小峠 |
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すぐ上に氷室跡 |
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氷室神社、奥に本殿あり |
氷室神社から車道を京見峠ですが、この峠道もちょっと辛い登り坂でした。そして少し下って氷室口から今回は前坂経由で、道行く人を見送る地蔵さんを左に見てから「山の家はせがわ」を左折して稜線へ林道を緩やかに登ります。
稜線には小奇麗なログハウスが立っています。乾いた山道は軽快に進んで上ノ水峠(10:10)で方角を確認し、千束とは反対への道を進んで、先の左に沢山へは登らずに、ツツジがきれいに満開の沢ノ池方向です。池まで車道が上がってきていますので、家族連れの観光客や釣り人の姿もあります。(10:30)
そして池の先の仏栗峠からまた山道をこんどは下っていよいよ高尾への福ケ谷林道(10:55)です。この林道は簡易舗装路で急下りを知っています。そんなことから中間の木陰で昼食(1110~30)とします。もちろん足元の山野草を楽しみながら歩きますが、まだまだこれからいろいろなお花も咲くことでしょう。
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沢ノ池 |
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沢ノ池そばのコバノミツバツツジ |
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シハイスミレ |
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ナガバモミジイチゴ |
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ヤマルリソウ |
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タチツボスミレ |
ようやく福ケ谷を降りて、喧噪の高尾の栂ノ尾高山寺手前の橋(11:45)でした。後は栂ノ尾のバス停前を右に下って東海自然歩道を清滝へ向かいます。最初の西明寺指月橋あたりから神護寺いったいのもみじの新葉の景色に惚れ惚れしながら見とれて歩きます。とりわけ山肌を飾るコバノミツバツツジの群落を見上げる箇所は圧巻でした。錦雲渓は歩き慣れた川沿いですから、軽快に歩を進めます。
今年の植物たちの開花は2月頃の寒気によって極めて開花の遅れが目立っており、この一帯でもまだまだ咲いた花が出てきません。それでもいくらかのお花が見られてうれしくなってしまいます。
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もみじの新葉の景色 |
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右の山肌ズーム |
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タニギキョウ |
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ヘビイチゴ |
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花裏、副萼片3裂が特徴 |
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ハタザオ |
そして北山西部コース終点の清滝金鈴橋到着(12:38)です。もちろんこの一帯は数えきれないほど歩いていますから目をつぶっていても道は勝手知っています。清滝川沿いには可愛い野の花も見られます。
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94番は清滝金鈴橋にあり |
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シャクが咲き初め |
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クサノオウも咲き |
赤い擬宝珠の渡猿橋袂にある西山1番(12:42)のトレイルポールにタッチしていよいよ最終の西山コースです。川沿いには与謝野晶子、松尾芭蕉のそれぞれの碑が苔むしかけて建立されています。その歌、句を声を出して復唱します。
与謝野晶子 『ほととぎす 嵯峨へは一里京へ三里 水の清滝 夜の明けやすき』
松尾芭蕉 『清滝や 波に散り込む 青松葉』
ご両人いずれもが渡猿橋畔にある「旅館ますや」に投宿されたらしい・・・が、清滝の旅館街は今では寂しいかぎりの廃れようです。
この後の落合へ出る金鈴渓も歩き慣れた渓谷です。清滝川は近年環境保護の観点から極めて景観すぐれ、ゴミひとつ落ちていません。いつまでもこのすばらしい渓谷美を後世に残していきたいものです。
潜没橋(13:00)として知られる清滝橋あたりは水尾からの米買道が降りてきています。この橋の一帯には可愛い山野草もいつも見られるところで、人影がなければ一休みしたいところですが、ファミリーがたむろしていましたので遠慮しましょう。
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キランソウ(ジゴクノカマノフタ) |
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ミヤマハコベ、茎に毛多し |
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ジャケツイバラの棘の様子 |
落合橋を保津峡方面に足を延ばすと書物岩が見られ、保津川畔に降りるとケイリュウタチツボスミレも咲いていると思われるのですが、これまで何度も見ているために今回はパスして、六丁峠への車道の登りにかかります。このあたりまで来るとさすがに足は疲れてきていますので、休み休みで後ろの愛宕山を眺めながらコバノミツバツツジに励まされて峠です。
峠を下ると観光地、鳥居本の赤い鳥居(13:32)が立っています。いよいよこの後は阪急嵐山駅まで完全なサイトシーイングです。こちらは山道を歩くペースで歩いていますが、観光客のそぞろ歩きとは違ってこんなにもスピードが違うのかと異様でした。
阪急嵐山駅前に立つ24番の道標(14:25)から、さぁ、いよいよ最後の登りの山道に入ります。そのピークは松尾山(14:55)といっても235mと可愛い丘なみです。今日は黄砂の影響でしょうか、一日展望に泣きました。この山頂からいつもなら都富士の比叡山も見えるのですが、まったく白いカーテンの中、おまけにこの後の山道でのコバノミツバツツジは完全に咲き終わってしまっていました。
昨年は満開の花の廊下を歩かせてもらったのだからと思い出しながらの歩きで、最後の51番京都一周トレイルのゴール地点道標をタッチ(15:30)でした。でもほんとうのゴールはまだです。苔寺前のバス停横(15:38)から石段を上がって別名竹の寺の地蔵院(15:42)です。この地蔵院の見物はまだしていませんので、いつか訪ねたいなと門前の雰囲気で思うのでした。そして市街地を最後の頑張りでやった~遂に最終ゴールの阪急上桂駅(15:55)でした。
本日の一周トレイル後半は7時から16時の9時間の歩きで、叡電二ノ瀬から阪急上桂駅までの31.6kmでした。さぁ、次は最後の京北コース(35.4km)をいつ歩けるでしょうか・・?
2011年の京都一周トレイルはこちら
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