エ ッ セ イ

 平成  17年   18年   19年   20年   22年   23年 
 令和  2年  3年上 3年下       

      気まぐれエッセイを綴ろう   R3.1.7

 しばらく忘却の彼方となってしまってたのですが、今年こそエッセイなるものを・・と思い立ちました。私の思いは、やはり四季の中での野草類や樹々たちを中心に立ち向かいたく思います。続くかどうか自信はないのですが、忘れたころにこちらのページを訪ねて見てください。

 さて、昨日は角川の文庫本をコタツの中で紐解いてたのですが、「そういえば、6日の今日なら明日は七種粥だな、七日正月も風流だな・・」と期待を込めて口が滑りました。傍らで編み物に勤しむ連れ合いには、やさしさを含んだ声かけだ、と思ってたのでした。すると間髪をいれずにこんな言葉が返ってきたのです。「何言ってるんですか、アンタは暇に任せて、こっちの食の準備にまで口を出すのですか・・」と、相変わらず手厳しい口調だが、こちらは普段から慣れているために少しも驚きません。

 「やっぱり、俺のカミさんだな、古の慣わしを心得てくれてるとは嬉しいかぎりだ・・」といつものように、感謝はこれまた慣れたものでした。もちろん、七種粥のネタのお使いに出たことは承知済だったから・・。

 日本の伝統料理でもある七種粥とは、『せり/なずな・ごぎょう/はこべら・ほとけのざ、 すずな/すずしろ、これぞはるのななくさなり』と、口ずさみながらの団らんでした。いずれにしても、これらの野菜を食して、「一年の無病息災を願うものであり、お正月の祝膳や祝杯で弱った胃を休め、緑の食材が少ない冬の食材の栄養源として食すとも言われる。」と、スマホに教えてもらっていました。

 もちろん、本日7日にはお餅も入ったその七種粥、それに残っているお節も並んで、二人で静かに朝の七日正月でした。それにしても、経験したこともない暮らしがまだまだ続きそうです。昨年からのコロナ禍で、二人してほとんどお出かけもすることなく、ステイホームの令和二年だったのですが、今年こそ早期の収束となってくれるのを祈るばかりです。

 

 

        今年は希少な節分の日である   R3.2.2

 久しぶりに、ぐっすり寝て、今朝は昨日とは違いいつものように7時に眼がさめた。窓をあけると裏山の釈迦岳あたりに白い靄が這っている。それでも、朝方の雨も降り止んだようで、近年では珍しい2月2日の節分の朝だった。このような数少ない2月2日の節分の日に生きていたことにラッキーと感じたい・・。

 子供の頃の節分が懐かしい。ありがたいことに、我が町の昨今でも例年2月3日といえば節分で鬼やらいの日だ。と子供から大人までみんなが楽しみとしていた。しかしながら、コロナ禍で今年はそのイベントも取りやめであったのがせっかくの楽しみだった子らにも可哀想だった。

 この催しも、鬼姿の若手のお父さんの打つ太鼓もさすがに元気がいい。その音にあわせるような子らの甲高い(かんだかい)楽しげな声が街角で続き、「鬼はおらんか!、福は内だぞ~」、「悪い子はおらんか、イジメはしたらあかんぞ~~」とその声とともに、太鼓の音がリズムよく鳴り響き渡る一夜となるのだ。これらの行事の楽しみの雰囲気を感じながらの夕餉は、子供ならずも大人にとっても楽しく微笑みがこぼれるものである。

 しかしながら、節分はふつう2月3日だと思ってたのだが、どうやら今年は2月2日が節分となったらしい。それはなぜ~?。新聞やネットによれば、「鬼は外、福は内」のかけ声で豆まきをする2月3日の節分が、今年はどうやら2月2日の今日のようだ。
 このように日にちがずれる訳は、地球が太陽を1周する時間が365日ぴったりではないからとある。また、節分は春夏秋冬の季節を分ける意味であり、本来は各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指すものだ。そのうち昨今では立春の前日だけが残り、今の節分の日になったとされているようだ。

 数年前からは節分の日には「恵方巻」が全国的に流行りだしている。その今年の恵方は南南東といわれ、福を巻き込む恵方巻きを、福が逃げないように無言で食べるという習慣が、ここ数年で定着しているらしい。ちなみに、この恵方は南南東1(1.3.6.8)、2西南西(0.5)、3北北西(2.7)、4東北東(4.9)の四方向しかないようだ。( )が西暦1の位で恵方となる。

 このように、今年の節分は2月2日となり、3日ではなくなるのは1984(昭和59)年2月4日以来37年ぶりで、今年のように2日になるのは1897年(明治30)年2月2日以来124年ぶりとのことで、如何に珍しい日にちである訳なのだ。

 

              平成・令和目次 ホームヘ

 

北アルプス・乗鞍岳で雪崩   R3.3.16

 「3月14日に乗鞍岳で雪崩発生により、滋賀県野洲市の3人の岳人が死傷」と16日の新聞に大きく報道された。それでなくとも、去年からのコロナ禍で登山者の遭難事故等は、ほとんどなかったやに思うのだったが、今回の雪崩に巻き込まれた報道には心いたたまれ、誠に残念な気持ちであった。

 乗鞍岳と聞けば思いも少なからずである山なのだ。何度も多くのお客さんを案内したのが昨日のように思え、「エ~、位ケ原って、例年夏まで大雪渓が残り、夏山登山時でも多くのスキーヤーが見られるのだが、今回の雪崩はその東側あたりなのだろう・・。」と思いめぐらすのであった。

 しかし、アルプス登山、とりわけ春山登山ほど魅力なのは岳人なら誰でもが期待するに違いない。ところが、反面多くのそのリスクの高いことをややもすると忘れがちとなりかねない。ましてや、春山登山の雪崩が最大の脅威であるのだが、聞けば長野地方気象台により、今回も雪崩注意報を出していたというではないか。

 前夜に近くの山小屋等の宿泊中にその情報を得てはいなかったのだろうか・・?。でも、恐らく、確認済ながら強行してしまったのだろう・・、と思わざるを得ないのだ。彼らは40代3人のパーティーにしては、実に情けない行動だったと思わざるを得ない。
 雪山登山なのだから、スキー場周辺のバックカントリー近くであればなおさら、表層雪崩に巻き込まれる可能性は大であろう・・。もちろん、このパーティーの乗鞍岳登山の事前情報も充分に調べていたのかも疑問でもある。

 とはいえ、いまさらいろいろ言っても後の祭りだ。いずれにしても、今年は例年に比べて雪は遅くまで残らないだろうが、3000m級では降雪はまだまだあろうから、今後の春山登山での今回の雪崩だが、固まった雪の上に新たに積もった層が崩れる「表層雪崩」では、気温の上昇が一因となり新雪が緩むことで崩れ落ちたのだ。もちろん、4~5月のゴールデンウイークの暖かくなった時期では、下部の固まった層が解けて崩れる「全層雪崩」の危険性のあることも更に知っておきたい。

 岳人は装備は特に注意するのだが、これから望むその山にはこの体力で持つのか・・との点は忘れがちではないか。そのような登山者はえてして地図と雪を読む能力や技術力も心配だ。そして、その山の危険個所等十二分なる事前情報も必須だろう。かりにも雪山なのだから、少なくとも無雪期にでも一度は登って下見をし、その山の情報を得た上での雪山チャレンジとしてほしいものである。

 いずれにしても、雪の3000m越えの空気を頂で腹いっぱい吸ってもらいたいものだ。亡くなった岳人のご冥福をお祈りしたい。 


京都北山でジカバチソウ発見  R3.6.17

 しばらくぶりのエッセイとなってしまった。それにしても、地球上は今やコロナ禍で持ち切りの昨今であるのだが、考えればつまらない時代に生を得たのが何ともいまいましいことか・・。こんなことなら平安時代あたりで生きたかったと贅沢を言おうではないか・・爆笑

 さて、ワクチン接種も一応第一回は終えたし、変異株等専門的な理論は得意とはしないために、やっぱり植物話としようではないか。山のなかでの花は、それも花好きなハイカーであればやっぱりラン科に一番目を引かれることだろう。

 本日は数あるラン科の中でも、今回はジカバチソウ(ラン科クモキリソウ属)発見の大スクープなのだ。この花も京都府のRDBでは『絶滅危惧種』のカテゴリーとなっている超希少種である。そのジカバチソウが北山で4株も目にすることとなった。 もっとも開花はとっくに終わって散っており、葉の様子だけでジカバチソウと判断したのである。

 ネット情報で調べるとジカバチソウの葉は縦方向の主脈がそんなに目立たず、横方向の二次脈が目立つことや、葉の縁は両方とも全縁だが、ジカバチソウの縁の波がやや大きく緩やかに波打つのが特徴とある。かたや、よく似るといわれる、クモキリソウの葉にも二次脈があるようだがほとんど目立たず、縦方向の主脈が目立ち、また縁の波が細かく、鋭く波打つようなのが特徴のようで、この二つの点から区別はできそうだ。

     
滋賀県湖南山系のジカバチソウの花    京都北山山系のジカバチソウの葉、縁の波大きい 
     
滋賀県比良山系のクモキリソウの花    ←同左のクモキリソウの葉、縁の波が小さい 

 このように、葉での区別も可能であるが、開花状態で特にジカバチソウの花はほとんどが茶色系統が多そうで、クモキリソウの花も中には紫色や黒色系もあるようだが、ほとんどが緑色系統が多そうなために比較はそんなに困難ではなさそうであろう・・。

 いずれにしても、来年になれば、5下から6上あたりの開花時季が今から待ち遠おしい限りとなってくれたジカバチソウであった。ヤッホウ!~

 『 追記 』

 2022年6月1日にジカバチソウを見に行ってきました。どうぞこちらからご覧ください。

            平成・令和目次 ホームヘ