京都北山 竜ヶ岳から地蔵山 ’13.12.12

 清滝-梨の木林道-首無地蔵-竜ノ小屋-竜ヶ岳-滝谷-反射板地-地蔵山-猪ケ谷-水尾-JR保津峡

 この前まで紅葉のすばらしき秋彩を楽しめたのもつかの間、一気に寒さがやってきました。そうです、もういつ雪となってもいいころとなってきました。それでも途中の竜ノ小屋に下がる温度計は0度でした。まだまだですね、これくらいの寒さでは雪遊びの山模様になるのには更なる寒さが待たれるところです。

 さて、今回は登りの梨の木林道と降りコースの猪ケ谷という相当の荒れ道をとりました。それでも梨の木の荒れは2年ほど経ちましたので、ほとんど踏み固められて歩きにはそう支障はありません。梨の木大神あたりまではまだましな方でした。

 この時期ですからとりたてて目ぼしい自然観察はできない状態ですが、梨の木大神そばに立つ高木の樹木が長年ハンノキかな?、でも高すぎてどうも自信ないなと思っていたものが、「昔は山の境界に目立つようにメタセコイヤを植えることがあった。」との説明をネットで目にし、「アッ、あれはメタセコイヤだ!」と思っていました。その思いがようやく今回、目の前にし昔年の疑問が晴れたのでした。

 道はこの梨の木大神より先が大荒れとなっています。林道終点の大岩までも林道の形がほぼ消えている部分もあります。もちろん、大岩からの山道も痛み激しく、作業屋根立つ地には土砂崩れで渡れなくなってしまっています。
 そんな自然界を登って行きます。するとジャケツイバラの大きな果実ももう枯れかけていますが、この棘に服を破られないように避けて歩きます。すると割合大きく成長したマユミの木が鈴なりの実をつけて、青空をバックに逆光に映えてそれは見事でした。写真では絵にはなりませんでしたが・・

 首無地蔵へ月の輪寺登山口よりほぼ1時間で到着、そばのカマツカの樹木を眺めながら一本立てましょう。このあたりは昔とちがい林道がそばまで上がってきましたので、この地蔵さんまで車で乗り付けている人もある始末です。そのようなことから明る過ぎるくらいの広場となってしまいました。

 クリンソウ地へは完全な道が出来てしまっています。それを左に分けて竜ノ小屋、そのすぐ先に少しだけ渡渉して竜登口から急な岩交じりの登り道は北東尾根ですが、今日も元気だ!、25分で竜ヶ岳山頂でした。地蔵山に愛宕、比叡山を眺めて滝谷へ向かいましょう。

 少し歩くと女性の方が山頂はもうすぐでしょうか、初めて来たものですから、、、と珍しく平日なのに竜ヶ岳で人に会いました。我が足は降るとナツツバキの立つところを西向きに右折し、鞍部の大木コナラだったかな?、立つ間を縫って、滝谷への少しばかりの登りにかかります。この部分は今年2月に整備していますから道らしく広くなっているのが分かります。やはり今年の2月以降には分かり易くなったのか、人の入りがあったと見えて新しくテープがついていました。

 こちらは緩やかに登りあげてから、滝谷への急坂降り部分の整備にやってきてたのでした。早速鋸の出番でした。積雪期には道沿いにアセビが雪をかぶって通行を妨げる状態部分を片づけましょう。さすがに雪時にこちらの西斜面へ降りる方はそう多くはなさそうですから、まだまだ道ははっきりとはしていません。そんなところですが、愛宕を歩くコース中では断然積雪の多い地帯でしょうから私にはお気に入りです。

 激急坂を下ると渓谷が待ってくれていました。うまく12時ころやっぱり私のお昼のテーブルです。でもさすがに寒い!、早々に腰を上げると目の先にはいつの間にやらしっかりと獣道ができているのでした。しかし、それは少しばかりで、小さな岩場で終わってしまい、道は消えてしまっています。鹿も人と同じ行動を考えるようです。人間だって、このように岩場以降の渓谷と急斜面の間ではさて、どう行こう?、とそれぞれの考えが違って道とはならないことでしょう。
 でもこれまでこの渓谷沿いには多くの倒木が歩きや流れを塞いでいたのですが、自然に朽ちてきたのでしょうか、なんとか歩ける箇所を探しながら二又まで来れば、もうこの先はほとんど道が西向きに急坂でまっています。左の谷を詰めればスキー場台座跡へ行けるのですが、今日はここを西へ急坂をロープ頼りでよじ登って旧国鉄反射板地です。

 この場所もいつもなら風の通り道なのですが、今日はそうでもありません、すぐに北の地蔵山に向かいましょう。誰もいない1等三角点に挨拶して引き換えしますが、反射板から往復15分、少し歩くと愛宕に比叡山の展望良地でパチリです。

 こうしてのんびりジープ道まで出て、ちょっとオオウラジロノキの観察としましょう。完全な枯れ木のあたりの中にただ一本だけ、鈴なりの実をつけて寒空に揺れていました。まだまだ多数の果実が残っていますが、野鳥や小動物たちはこんなに美味しい食べ物があることを知らないのでしょうか?、と思いながら、最後の難路である猪ケ谷へ戻りましょう。

 

 さて、今回のお目当てのコースである猪ケ谷ですが、先の9月16日未明に襲った台風18号による相当の爪痕が残っていることでしょうとその探索でした。以前から荒れ道ではありましたが、それでもなんとか歩けました。しかし、今回の道は相当の難路となっていたのは事実でした。

 これまでは古道らしき道形は残ってはいたのですが、その古道らしき箇所は右岸側の岩場あたりのみで、他の部分は一部石崖のみ残るくらいで道らしきものは消えてしまっており、散乱した岩、伐採木、崩落した岩石などの極めて難路と化していました。岩に乗せた足が思わず取られかけるような崩れもあり、岩の段差のきつい箇所も至るところで出会いました。

 この谷にはこれまで三か所の丸木橋が造られていました。一番上流の箇所は三本の杉丸太が残っていたのですが、このあたりが一番谷底深い部分で極めて危険な橋でした。青く苔がつきかけ滑りそうなためにやむなく這うようにして渡りました。
 続いて二番目の橋の箇所は流されてしまったようで、跡形もなく気もつきませんでした。最後の一番下流の橋は以前から使用不能橋でしたから、ここは以前より橋の上流を渡渉していましたが、それは容易ではなさそうなために下流を渡渉することにしました。
 この後にもすぐで道が土砂崩れとなって倒木がありました。ここはどうにか通過できますが、この部分も今後大雨があれば土砂崩れで道も消える運命となりそうです。ここを終えるともう猪ケ谷歩きも終わり、府道カーブのミラー立つ地となります。

 今回私はそれでもなんとかジープ道からミラー地まで55分で下山できましたが、極めて難路であることは承知しておきましょう。この後にはすぐ先の水場で喉をうるおし、水尾からのバス発車時刻14:25には無理だなと、JR保津峡駅まで45分ほどもかかってしまいました。フゥ・・

(今回は清滝8:35~竜ヶ岳10:55~11:00~(道整備)~滝谷11:53~12:12~地蔵山12:40~ジープ道猪ケ谷取りつき13:10~下山口ミラー地14:05~JR保津峡駅15:00の6時間半ので歩きでした。)

 なお、前回は13.2.20に猪ケ谷を登りに使っていますので、猪ケ谷の部分をこちらから比較してみてください。

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