京都北山 猪ケ谷から愛宕山 '13.2.20 曇り

 JR保津峡=水尾-猪ケ谷-ジープ道-愛宕スキー場跡-滝谷源頭-尾根-竜ケ岳-愛宕三角点-岩ケ谷-水尾-JR保津峡

 愛宕の谷筋歩きからしばらく遠ざかっている。もっと雪のあるころを待っているのだがどうやら今年はそんな状況は期待できそうもない。そんなことから形ばかり白くなっている谷巡りを楽しんでこようと家を後にした。アプローチの時間短縮、そのためにJR保津峡駅前から水尾自治会運営のマイクロバスを利用だが、このバスにも久方の乗車(8:05)であった。
 途中斜面崩落等の工事中もあったりして13分で、農協前の終点で下車(8:18)し、舗装路を歩くと冬場でも元気に流れ出る水場(8:31)、そして50m先の府道が大きくカーブするミラーの立つ所が岩ケ谷取りつき(8:33)である。

 さぁ、今日は2本の谷だが、どんな様子だろうか。登りにとった猪ケ谷は伐採作業も終わってその後の伐採木の散乱が行く手を阻むことだろう。そして降りの岩ケ谷は倒木、伐採木に岩の散乱等が邪魔して相変わらず歩きには支障をきたすことだろう。いずれにしても足元に岩ゴロ散乱の道なき道に、静かに眠るような谷あいを誰にも邪魔されずに一人歩きを楽しんでこよう。それに途中には群生するオモトの赤い実を見るのも楽しみである。

 まずは猪ケ谷からの登りにかかろう。ミラー地には鎖のゲートが設置されたが、その横をすりぬけるとすぐに左にまだ新しい細い林道があり、さらにすぐ上に昔からの掘れた道が上がっている。ここが岩ケ谷から分かれる猪ケ谷の入口で、しばらく上がると最初の朽ちた木橋に着く。でもこの橋はもう渡れないので、5mほど上の浅瀬を渡渉して、まず右岸を20分ばかり歩くこととする。その間には立派な古道右に唯一の滝といってもいい流れが見られ、さらに行くと二番目の橋だが、これが一番要注意だろう。(↓画像右端)

 左岸ももちろん負けじと難路である。伐採木散乱の中に足を踏み入れなくてはならない。そしてこの谷には朽ちた木橋が三か所あるが、最後の橋は見た目はきれいに見えるが、渡るには注意だ。今回は四つん這いで渡ってしまった。
 右岸でここまでくると目の前がパッと明るくなるのが見えてくる。運よく青空を覗かせてくれた。ただ、ここへきて初めて谷の別れとなる場所で、ここは右へとろう。ほどなく二か所目の立派な作業道が出てくるところである。

 このように三つの橋を渡り終えるまでは伐採木に岩ゴロの散乱で特に浮石などでの捻挫事故には気をつけたい。道はないも同然だが相対的にほとんど右岸の方を歩くこととなるのだが、どちらにしても右も左も古くなった作業道らしき道形も垣間見られるが、いずれにしても岩ゴロや伐採木の中を注意しながら歩くことになる。

 そして橋が終わると最後の四度目が右岸から左岸へ渡ることになる。この四度目の渡渉地はやや岩重なる流れの速い谷を渡るのだが、水の流れも幅狭いのでどこでも好きなところを選ぶとよいだろう。でもこのあたりから伐採範囲からはずれたようで、伐採木の散乱が終わったことがやれやれかとの思いとなる。あたりを見渡せば左にも小いさな谷が水を流している。
 空も大きくなって広場のように見え、足元がやや平っぽい斜面になる。どうやらこのあたりが昔の採石場跡のようだった。ここには嵯峨硯と言われた硯の堀場だったのだろうか。雪を少しずつ撥ね退けてみるとようやく昔の硯石らしき板のような岩が見つかった。無雪期はその散乱状態ですごいおびただしさが分かるのだが、今は雪の中だろう。

 いよいよ谷は急峻となってきた。右からも枯谷が下がってきている。一帯はきれいな植林帯が広がっている。こちらはあくまでも水の流れの多い猪ケ谷を追うのだが、突如として岩場に突き上げた。コース中の歩く中では一番の岩通過地であった。でも雪深いわけではないためになんなく上がり終えることができた。この場の下り時には要注意箇所となろう。
 ここを無事通過でよし、もうすぐ台杉地も近いだろうと余裕綽々となる。10分もしないで最後の猪ケ谷源頭部の小さな小さな谷を壊れた橋など用なしでほとんど水のなくなった箇所を跨いで、右岸から前方を見上げると右斜面に大きく君臨する台杉が目に飛び込んできたのである。

 この大杉から5分でジープ道到着(10:00~:03)であった。猪ケ谷筋歩きに1時間半もかかってしまっていた。フゥ、それでもやれやれと前方の旧愛宕スキー場や登ってきた道を振り返って見て、エ~すごい杉林の中を歩いてきたのだなぁ・・・とびっくり仰天の風景であった。

 この後はスキー場開拓の功労者中山再次郎の台座地から滝谷源頭部に降りて急登を尾根へ上がり、北側に向かって行くと今度は西の滝谷に急下りする道にぶつかるのだ。さぁ、この道の右(東)への降り道を雪深くなっても小枝で塞がないように整備としよう。
 そして1時間かけて竜ヶ岳本線手前コルまでをきれいに枝落としの鋸登場だ。作業中には木の上の雪をかぶりながらなんとか道を広げることもできたようだ。雪時にいつもどこが道なのか分からなくなってしまうほどの枝が塞いでしまう状況を、なんとか整備しようとかねがね思っていたのでやれやれである。今後は滝谷への深雪をこれで余裕をもって遊ぶこと可能だろう。

 そして竜ヶ岳で昼食(11:55~12:25)としよう。粉雪舞う中での食事はやや寒さに参ったが半時間ほどで切り上げ、ようやくここでアイゼンをつけよう。次は愛宕三角点地である。途中竜ヶ岳地蔵山方面の展望地でもわずかな樹雪の風景にも目をくれ、ジープ道取りつきのオオウラジロノキの様子も確認し今年もしっかり花を咲かせろよと声をかけて三角点地(13:00)へ、でも京の街中はすっかり雪の中、そしていよいよ降りの岩ケ谷へ向かおう。

 久しぶりの岩ケ谷の谷筋である。最初の大岩(13:07)には今も水が垂れ下がっており、これがまさに岩ケ谷の源頭であろう。岩には注連縄が飾られ、山の神様の宿るところの雰囲気十分な森である。これより最初は西南に向かい、その後もほぼ一直線に曲がることもないように府道のミラーの立つ地に降るのだが、この谷こそ道なき道で、作業道らしき道形は皆無状態であり、加えて岩ゴロ散乱多数で、極めて難路である。

 上の大岩取つきから20分ほど、どっち?、こっち?と、歩きやすそうな所を探しながらうろうろして下ると右岸に下部の樹皮がほとんど鹿だろうか、裸状態となってしまっているモミノキの古木が立っていた。上部に残っている葉は高すぎてモミノキの葉とははっきりと分からないほど高いのだが、下の方にひこばえの枝が出ており、そこへつく葉でモミノキと分かるほどであった。ここで樹木に触れて元気に長生きし~や!、と声掛けしよう。そして1本だ。

 そのあとはオモト(万年青)が群生していることを知っているので出会ってみる。もちろんいつまでもここで群落展開の継続を祈ろう。ただ、晩秋ころには真っ赤な果実だが、色合いはあせ気味のように見られた。でものんきにオモトなどの観察どころではない道が出てきだした。
 道は不鮮明でややもすれば高巻きしたくなる気が出てくるが、雪のつくこの時期は決してその方法は選んではならないだろう。それは急斜面のトラバースは滑落など極めて危険でもあるので、やはり踏むのはどうしてもなさそうと思えば谷歩きを突破するのが無難であろう。
 とりわけ、右岸に岩壁(↑画像右端)の立ち並ぶ地点手前あたり(↑画像右から2枚目)はその危険地帯であるが、登りの場合はこの説明で分かってもらえることだろうが、下りにとっている場合は要注意箇所であることを承知しておきたい。

 その後しばらく降りると左岸側の植林帯を鹿除け用の網が広がってくる。この網を見ればそろそろ岩ケ谷も終わりが近い。そして次第に歩きやすくなってきて右に今朝方登った猪ケ谷への道を見ると下方に左右に伸びる府道が見えてミラー地のゴール(14:20)である。岩ケ谷取りつきの大岩より1時間15分ほどで下山であった。
 ザックからメモを取り出し、帰りのバス時刻を見ると14:25で、あれ~、次は15:50かいな、これは保津峡駅まで徒歩だなと即決、目の先の水場でゆっくりとスパッツや靴を洗ってついでに喉を潤してから舗装路歩きとなった。ミラー地の下山口から1時間でJR保津峡駅(15:20)であった。

 最後に今回は猪ケ谷を登って岩ケ谷を降ったのであったが、歩いてみて今後は逆に登りを岩ケ谷とし、下りを猪ケ谷にしようと考えた。それは谷の内容が猪ケ谷の方がやさしく、岩ケ谷は難路度合がやや高いように思われた。できれば今後の日本列島大寒波の予報が出て大雪が来てくれると一番に入りたい谷筋であるのだが・・・もう2月も終わりそうなころ、この願いは無理だろうな~?

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