京都西山 保津川下り旧舟曳路を歩く '13.4.5 晴

 この「保津川下り旧舟曳路」コースは、2013年9月16日台風18号で大荒れとなって大崩壊となりました。2013年12月1日にその様子を見に歩いてきましたが、とても危険すぎて、これまでのように楽しむどころのコースではなくなってしまいました。。決してお勧めするコースではなくなっていることをご承知下さいませ。参考までにこちらのページでご確認ください。

 今年も嵐山の舟曳路を遡りました。ところが26度を越えるほどの夏日になってしまい、早く咲いた桜も川風に散る花吹雪でした。保津川下りといえば天下に名だたる京の観光として世に知られているのですが、岳人としてはのんきに舟下りするその舟と、カラフルなトロッコ列車を対岸より眺めながら、岩上続く河原に歩を進める一歩上をいく楽しみ方をしようと花の時期に渓谷を辿ることとするものです。

 さて、保津川下りについて保津川遊船企業組合のHPによりますと次のように書かれています。

「京都府の中央部丹波高地に源を発し、山間をめぐりめぐって園部から亀岡市に至り、再び山間の峡谷16kmを流れて天下の名勝嵐山につき、鴨川と合流して淀川に入る。この川の亀岡から嵯峨嵐山までを、峡谷の美と舟下りで有名な保津川という。」とあります。

 そして古道の舟曳路は昭和23年以前まで保津川下りの舟を人力で川を遡って綱で曳いていたといいますが、今では考えられないような舟曳路の古道であります。当時では綱道とも保津の竿差しは呼んでいたようです。現在では旧大悲閣下より歩き始めて、トロッコ列車保津峡駅まで約6kほどのほぼ岩場歩きの中より、舟下りやおもちゃのようなトロッコ列車の走る風景を眺めながらの岩場歩きが楽しめるのです。

 さて、中之島公園は今が盛りと大満開の桜の園が広がっています。目の先には京の守り神である愛宕山が小倉山を従えるように青空のもとに清々しく、さぁ、これから舟曳路を辿るのだとの気持ちも華やぎます。公園の先の渡月橋の南詰よりにかかる渡月小橋を行き、ついでに橋のたもとの旅館に植わるゴモジュの開花の様子も確認を忘れません。(以下画像すべてクリックで拡大画像と説明が見れます。)

 これより保津川右岸の遊歩道を大悲閣登り口、それに昔は嵐峡館いや、今は星のやの桟橋からが、いよいよ舟曳路の取りつきです。この後すぐにいきなり切れ落ちる岩場に板橋を見ると、へ~こんな所を歩くのか?、との不安な気持ちとなることでしょう。すぐに左上に白い扉のような人工物が見えてきます。これは京都南部方面への川の水を送っている設備のようです。

 

 こうして岩場歩きを続け、足元に咲くケイリュウタチツボスミレなども見ながら、どんどん河原の岩場を進みます。時には水面近く降りて歩くこともあり、雨が降れば渡渉、いや通行不可能状態の箇所もあったりします。

 対岸の桜並木が出だしてくると、右岸にはしっかり石崖積まれた護岸堤が現れます。このコンクリートの堤防上を100mほど、右の川に落ちないようにして進みましょう。そして最後は鉄梯子を降ります。さらに大岩の間を身を細くしてすり抜けるようになると、前方にはJRの茶色っぽい鉄橋、そしてその奥には愛宕の頭が見下ろしてきます。そしてその先へ少し歩くと左からの谷より元気に流れる水場へ到着です。何本かある谷の中で一番元気よく落ちる水場はここが一番でしょう。この後での岩上のコーヒー用には恰好の給水地でもあります。

 水場からすぐで砦跡の石垣が残っています。ここは秋の紅葉には一番のお薦めポイントでもあります。椿の木には雑草山友会の指導標があり、古くから同じようにここを歩く人がいたんだ~と感慨に耽ります。さらに河原や、やや巻き道を進み、河原に降りますと前方に茶色っぽい鉄橋に電車が来ました。これはJR山陰線です。その先の山は西山ドライブウエーの保津峡展望台でしょう。

 そして河原の岩を縫うように歩きます。そして始発9時の一番舟が下ってきました。すると今度はトロッコ用の緑っぽい鉄橋が出てきます。トンネル清滝も見物し、電車の音が聞こえて慌ててそのトンネルの上に逃げ上がります。すると電車がこのトンネル前でストップし、観光客に景色などの説明となるのです。その停車している電車をトンネルの上から撮っていると、下の川には舟も下ってきました。それらが一番↑の画像であります。

 河原歩きでは岩上に咲く可愛らしいケイリュウタチツボスミレ、それに巻き道あたりではイズセンリョウも蕾で、カワラハンノキは雄花の咲き初めを見ながら楽しみます。マンリョウは赤い実を下げ、年によるのですがハタザオは今年はまだやや早いのでしょうか、それにクサノオウやクサボケなども咲くのですが、今回は目につきませんでした。

 トロッコ列車の清滝トンネルを過ぎ、二度目の巻き道を10分も歩けば落合の書物岩方向の北向きへ降りる北尾根との合流地に着きます。この後の危険地帯を避けるにはここを南へ登って山上ケ峰に向えるのですが、それではあまりに省略しすぎで、舟曳路を歩いたことにはならないでしょう。

 さぁ、今ではコース中で唯一の面白味の味わえる岩場へはこれより4~5分です。岩場のここを登る場合はそうでもないのですが、山歩きはどこでも同じように、やっぱりここも下りは慎重に行きましょう。左にフィックスロープもありますので通過そのものは短いために大丈夫でしょう。
 でも万一右へは保津川に落ちるだけでは済みません。当然岩があり滑落時には終わりとなること確実でしょう。この付近はやや薄暗いのですが、斜面にはイワナシが咲いていました。この花を見つける心の余裕ある方は通過は大丈夫となるでしょうから、落ち着いて気を静めながら降りるようにしたいものです・・・。 

 でもここさえクリヤーすれば、もう終わったも同然です。すぐに河原に降りて大岩の上によじ登って、今回は一人だったので食べなかったのですが、ここでお昼を広げながら、どんどん下って来る舟下りの乗客と手を振ったり、声をかけたりしながら十分楽しみましょう。
 そして舟が行ってしまえば、上流を見やるとトロッコ列車保津峡駅にかかるつり橋も見えています。その手前左にブロック積が見えているのが、今回の舟曳路のゴール地点です。

 昼食を大岩上で済ませれば、最後の岩道を保津川にはまらないように行き、最後の難所は廃道となってその箇所には巻き道ですが、これは容易に行けます。それより最後のトロッコ列車軌道下の坂を滑らないように上がって軌道下をくぐれば、舟曳路の前半部はゴールとなります。この軌道下の坂も、もし小雨などで滑りそうであればコンクリートの上を直進してトロック列車の駅まで川ベリを進むのが一番安全です。

 なお、舟曳路の亀岡までの後半部はトロッコ保津峡駅前のつり橋を渡って、車道を左折しJR保津峡駅前を右折して清滝方面に10分ほど歩けば亀岡市の保津峡ハイキングコースで保津の集落を辿れば舟下りの乗り場へ行くことができますが、その間の山道歩きはわずかで、ほとんどが車道歩きとなります。最近では舟曳路歩きといえばほとんどが嵐山から保津峡トロッコ駅までの間で楽しまれているようです。

 ところで今回は、舟曳路だけでは物足りないと保津川右岸上にある稜線の可愛いピークをハイキングすることとしました。まずは最初のピークである山上ケ峰482.6m(このピークは以前は北松尾山といわれていましたが、昭文社の地図に最近山上ケ峰と表記されました。)を目指しましょう。

 途中には松尾谷林道の最終地となっており、愛宕山や牛松山の展望地で、今回はここでお昼としました。急坂もここまでで、この後少しで3等三角点埋まる山上ケ峰ですが、残念ながら展望はありません。戻ってこれより稜線を東向きに烏ケ岳398mですが、先ほどのピークから下ってまた緩やかではありますが、登りとなるために結構足にきます。

 そして次はお城のあったといわれる嵐山382mへ向かいましょう。新聞によりますと、世界遺産登録の名刹天龍寺の借景はこの嵐山がなっていることであるばかりでなく、この嵐山城跡が急峻な斜面を形成する大堰川右岸頂部に築かれた城で、二つの峰を造成して築城され、北西側の主郭が頂上の382mとなっているようです。

 また、この城は嵯峨城とも呼ばれ、15世紀末に山城守護代香西元長(コウザイモトナガ)によって築いたとされています。京の西方は、この嵐山城と、北の高雄城(神護寺境内から高雄山にかけての城)とで周山街道(丹波道)を押さえ、南は峰ケ堂城とともに、丹波から京への唐櫃越えを押さえる役目を果たしていたとのことです。
 調査によりますと山頂部には曲輪、堀切はもちろん、石垣も認められたものが残存しているようです。現在、城跡南東部の出丸跡からは大堰川から桂川上流、嵐山、嵯峨野、常盤から双ヶ岡までの眺望が素晴らしく広がっています。

 兵どもが夢の後の気分に浸って、ひとしきりの展望を楽しみ、最後は京都一周トレイル西山コースに入って、今回の最後のピークである松尾山276.1mの3等三角点を踏みましょう。ここまでには咲いたばかりのコバノミツバツツジがピンク色の鮮やかさで山肌を飾っていました。
 山頂からは渡月橋の上には双ヶ岡や、京の都富士である比叡山がうっすらと見えています。可愛いピークのハイキング道も終了ですが、最後の最後に展望台からは岩田山の嵐山モンキーパーク越しに愛宕山が最後までよく頑張ったねといたわりの声かけをしてくれたような気がしました。

 本日の歩きは8:40から~14:50までの約6時間でしたが、休憩はそんなにしていませんので、大勢で歩けばさらに時間は余計にかかりそうですね。最後までご覧頂きありがとうございました。

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