ム ク ロ ジ 科 の仲間たち   H17.11.8〜

 カエデ属は世界には約150種あり、日本では26種(学者により諸説あり)が自生していると言われています。これまで私が山歩きの中や植物園など、あちこちで見かけたカエデの葉の部分を中心に整理してみます。
 私にとって最後の未見種であったクロビイタヤを'12.6.23に探し出して、一応26種全部のカエデ類の観察を終えることができました。それにしてもこのページを公開してから6年半もかかってしまいました。応援いただいた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。なお、今後はカエデ類の花、果実、樹皮さらには冬芽にも力をいれて観察していきたいと思っています。
 なお、記述や画像等で間違いあるいは不適切な面がありましたらご指摘いただければ有難いです。このページは今後逐次、花序や冬芽等についての面からの画像も可能な限り追加補正等加筆していければと思っています。また、従来のカエデ科は、新しいAPG植物分類体系ではムクロジ科に含められています。
'16.10.16一部追記 

加筆等H18.6.20、6.23、6.28、8.8、8.13、8.16、H19.11.16、11.20、H20.4.15、11.9、11.12、11.20、H21.4.15、H21.5.25、6.9、H22.4.2、4.21、H23.5.11、5.16、5.20、6.9、11.22、H24.6.1、6.4~5、.6.23、6.29、’13.5.2、H25.5.6 H25.6.7 H26.5.13、H27.8.3、8.5、8.11、'18.4.4 、4.12、4.22、5.8、5.22、7.11、7.27、8.18

鋸歯のある手のひら形の葉 鋸歯のない
手のひら形の葉
手のひら形でない葉
イロハモミジ ヒナウチワカエデ コミネカエデ イタヤカエデ ウリハダカエデ ハナノキ ミツデカエデ
ヤマモミジ オオイタヤメイゲツ ミネカエデ オニイタヤ ウリカエデ ヒトツバカエデ  メグスリノキ
オオモミジ ハウチワカエデ アサノハカエデ アカイタヤ ホソエカエデ  チドリノキ -
- コハウチワカエデ オガラバナ エンコウカエデ カラコギカエデ クスノハカエデ -
- - カジカエデ - - テツカエデ -
- - クロビイタヤ  - - トウカエデ -
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                                鋸歯のある手のひら形の葉(1)

イロハモミジ

葉身は4〜7cm、掌状に5〜9裂、ふちに重鋸歯がある。
裏面の基部脈腋以外は無毛
葉柄は長さ2〜4cm、成葉では無毛
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)花序は垂れ下がる。果実の翼はほぼ水平に開く。
*この画像は枝を折って撮影したもので果実が上を向いているが、本来は下向きである。
イロハモミジ H18.6.23 京都府立植物園
イロハモミジ H23.11.21 六甲山西お多福山への森林管理道
 ヤマモミジ

葉身は5〜10cm、掌状に5〜9裂、ふちに不ぞろいな欠刻状の重鋸歯がある。
裏面は主脈の基部や脈腋にわずかに毛ある。
葉柄は長く上面に溝のあるものが多い。個体により黄葉もある。
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)花序は垂れ下がる。
果実の翼はやや鋭角または鈍角に開く。
イロハモミジと似ているが葉や果実は大きく、葉はオオモミジと同 じくらい大きい。
 
 ●ヤマモミジ H1911.20 愛宕林道  
 ●ヤマモミジ H21.11.12 高島トレイル おにゅう峠手前稜線

・葉柄が長く溝があり
 
 ●ヤマモミジ H23.5.9 横山岳西尾根  
 ●ヤマモミジ H24.6.1 京都府立植物園  
オオモミジ

葉身は7〜12cm、掌状に5〜9裂、ふちには細かくそろった鋸歯がある。裏面の脈腋に毛がある。
葉柄は葉身の2分の1〜5分の4の長さ。個体により黄葉もある。
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)
花序は垂れ下がる。
果実の翼はやや鋭角または鈍角に開く。

葉柄には普通溝はない
オオモミジ H21.5.24大台ケ原 最初の展望台
   鋸歯のある手のひら形の葉(2)                               ページのトップに戻る
ヒナウチワカエデ H18.6.20大峰 観音峰

1000m前後の山地、葉身は4〜7cm、普通9〜11裂
切れ込みの最深部に丸いすきまがあるのが特徴
基部はハート形または切形、裂片の先は短くとがり、ふちに
欠刻状の重鋸歯がある。葉柄は3〜5cmで無毛
花序は雄花と両性花が混生する。
果実の翼はななめに開く。
ヒナウチワカエデ H20.11.20 京都府立植物園
                    右葉表、左葉裏
ヒナウチワカエデ H22.4.21 京都府立植物園
ヒナウチワカエデ H23.6.9 静岡 井川高原井川峠

ニゴリ沢の谷あいで出会った。                ヒナウチワカエデにはうっとりでした。
オオイタヤメイゲツ

葉身は5〜9cm、掌状に9〜11に裂する。ふちに細かい重鋸歯がある。
成葉は裏面の主脈と脈腋に少量の毛が残る。
葉柄は葉身と同長または3分の2の長さで、無毛
雌雄別株または同株で雄花序は垂れ下がり、雑居花序は上向く。果実の翼はほぼ水平に開く。
標高の高いところに生育する。
オオイタヤメイゲツ H18.8.13湖北 伊吹山中央遊歩道
オオイタヤメイゲツ H23.6.9 静岡 井川高原井川峠
      
                リョウブとナナカマドの二種が
                宿った三色の木がニゴリ沢の
                王様のような古木でした。
 ●オオイタヤメイゲツ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠一帯はオオイタヤメイゲツ群落として国有林にしてありとの看板が出ていました。
 
  ●オオイタヤメイゲツ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠  
  ●オオイタヤメイゲツ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠

葉表、9〜11裂となる。
 
  ●オオイタヤメイゲツ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠

葉裏、葉柄が葉身と同じくらいとなり長い
 
ハウチワカエデ

葉身は7〜12cm、掌状に7〜11に浅裂または中裂、ふちに重鋸歯がある。成葉は裏面の主脈と脈腋に毛が残る。
葉柄は葉身の2分の1〜4分の1の長さ。白色の軟毛がある。 
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)
花序は垂れ下がる。
果実の翼はほぼ水平〜鈍角に開く。普通軟毛がある。
標高の高いところに生育する。*画像手前二枚が裏面
ハウチワカエデ H18.6.23 京都府立植物園
ハウチワカエデ H20.11.12 高島トレイル 
                   おにゅう峠手前稜線


           ・ふちには重鋸歯があり、切れ込みは
            浅裂または中裂で葉柄は葉身の長さ
            の2分の1〜4分の1と比較的短い
ハウチワカエデ H20.11.20 京都府立植物園
ハウチワカエデ H22.4.2 京都府立植物園
ハウチワカエデ H23.5.9 横山岳西尾根
ハウチワカエデ H23.5.9 横山岳西尾根
コハウチワカエデ

葉身は5〜8cm、掌状に5〜11に裂する。ふちに鋭い単鋸歯または重鋸歯がある。
成葉は裏面の脈腋だけ白い綿毛が残る。
葉柄は葉身と同長または3分の2の長さで毛がある。
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)
花序は垂れ下がる。
果実の翼はほぼ水平に開く。果柄は有毛
コハウチワカエデ H18.6.23 京都府立植物園
コハウチワカエデ H19.11.20 愛宕山芦見谷水場

左は葉表、右は裏の画像です。
コハウチワカエデ H20.11.20 京都府立植物園
                    右葉表、左葉裏
コハウチワカエデ H23.5.13 余呉の大黒山
コハウチワカエデ H23.5.13 余呉の大黒山
 ●コハウチワカエデ ’18.8.18 西山のポンポン山  
鋸歯のある手のひら形の葉(3)                             ページのトップに戻る 
コミネカエデ

葉身は5〜8cm、掌状に普通5中裂し中央の3裂片は尾状に長く伸びる。ふちには重鋸歯がある。
裏面の脈腋には赤褐色の軟毛が残る。
葉柄は長さ3〜5cm,、緑または紅色で無毛
雌雄別株または同株で花序は垂れ下がる。
果実の翼は鈍角〜ほぼ水平に開く。果柄は無毛
ミネカエデより花序は長く、花数も多いが花は小さい。
コミネカエデ 乾徳山 H20.11.6 道満尾根の道満山頂上で
 ●コミネカエデ 上蒜山 H24.5.30
 
 ●コミネカエデ 武奈ヶ岳 ’18.7.11

 神璽谷、ダケ道
 
ミネカエデ

葉身は5〜9cm、掌状に5中裂(ときに7裂)し、中央の裂片は菱形状卵形。ふちには重鋸歯がある。裂片が尾状にならない。
裏面の基部には褐色の軟毛がかたまる。
葉柄は長さ3〜5cm,、緑または紅色で無毛
雌雄別株または同株で花序は垂れ下がらない。花序は短いが花は直径8〜10mmと大きい。
果実の翼は鈍角〜ほぼ直角に開く。果柄は無毛、亜高山帯
 ●ミネカエデ 北アルプス 鏡池手前  H27.8.3  
ナンゴクミネカエデ
大峰山、四国剣、石鎚山、久住山には裂片先がすべて尾状に長く尖るナンゴクミネカエデが分布する。
   H22.4.2京都府立植物園
ナンゴクミネカエデ H22.4.2 京都府立植物園
アサノハカエデ H18.8.8 北岳登山口の広河原で

葉身は4〜8cm、幅5〜10cm、掌状にふつう5〜7裂し、裂片のふちには細かい重鋸歯がある。
表面は無毛、裏面は白色の短毛がまばらにある。
葉柄は3〜10cmの長さがある。
雌雄別株で花序は垂れ下がり、花は淡黄緑色
果実の翼はほぼ平行に近い。2〜2.5cmで無毛
葉がオガラバナに似ているがしわが多いのが特徴
葉が麻の葉に似ていることからの和名、比較的高所に多い。
アサノハカエデ H22.4.21 京都府立植物園
アサノハカエデ H23.6.9 静岡 井川高原井川峠
 ●アサノハカエデ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠から車道を梅ケ島温泉へ下山中に発見

葉表はしわが目立つ
 
 ●アサノハカエデ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠から車道を梅ケ島温泉へ下山中に発見

葉の裏面は白色の短毛がまばらにある。
葉柄は3〜10cmと長いのが目立つ
 
オガラバナ

葉身は8〜15cm、掌状に5裂〜7裂し、裂片の先端は鋭くとがりふちには欠刻状の鋸歯がある。表面は全体に短毛が散生する。
裏面は灰白色の軟毛が密生し、脈に沿って淡褐色の毛が密生する。葉柄は長さ4〜8cm
雌雄同株で花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生
枝先に円柱形の花序が直立する。
黄緑色の花を100〜200個つける。
果実の翼は鋭角に開き、はじめ赤みを帯びる。無毛または短毛
亜高山帯に生育する。
 ●オガラバナ '09.7.4 大峰山 狼平付近
画像クリックで拡大画像
 
 ●オガラバナ '15.8.11 白馬鑓温泉小屋より猿倉へ下山路付近  
                                                ページのトップに戻る 
カジカエデ

葉身は6〜15cm、掌状にふつう5裂し、裂片のふちには
粗い鋸歯がある。裏面は短い伏毛が蜜生する。
裏面は脈上にすこし毛がある。
葉柄は葉身とほぼ同じ長さで、有毛
雌雄別株で花序は垂れ下がり、花柄は暗紅色
果実の翼は平行に近い。黄褐色の剛毛
葉がクワ科のカジノキに似ていることからの和名
別名オニモミジ(ごわごわした厚い葉や果実に剛毛が多い
ことによる。)標高の高いところに生える。
カジカエデ H18.6.23 京都府立植物園
カジカエデ H18.8.16 甲斐 三ツ峠山の達磨石で
カジカエデ H20.11.5 雁ケ腹摺山 金山峠下り沢筋
カジカエデ H20.11.20 京都府立植物園
               右葉表、左葉裏
 ●カジカエデ H25.6.7 丹沢の鍋割山稜小丸付近 葉表
 
 ●カジカエデ H25.6.7 丹沢の鍋割山稜小丸付近 葉裏
 
 ●カジカエデ H25.6.7 丹沢の鍋割山稜小丸付近 樹皮
 
 ●カジカエデ ’15.7.4 坊村より武奈ケ岳への夏道途中  
 ●カジカエデ ’18.7.11 武奈ケ岳への夏道途中

坊村よりの分岐以降の夏道
 
クロビイタヤ H24.6.23  菅平高原

葉形に特徴あり覚えやすい。表面はやや光沢あり
葉裏、脈や葉柄には開出毛がある。
掌状に5裂し更に羽状に切れ込む。葉身は直径7〜15cm

果実が無毛のものをシバタカエデといい、尾瀬、赤城山、
長野県の菅平、川上村、開田村などに分布する。
画像クリックで拡大画像、以下同じ
 ●クロビイタヤ H24.6.23  菅平高原

葉柄が顕著に長く感じました。
果実が無毛のものをシバタカエデというが、私が見たものが
シバタカエデかどうか果実がついていなかったので、確認は
とれていません。
表面はやや光沢ありとのことですが、そう光沢があるように
は見えませんでしたが・・
私的には一見カジカエデに似ているように思うが・・と見る前
までは思っていましたが、やっぱりカジカエデとは雰囲気が
だいぶ違いました。
 
 ●クロビイタヤ H24.6.23  菅平高原

葉裏で、表と同じように毛があるとのことだが、わずかの
ようでした
 
 ●クロビイタヤ H24.6.23  菅平高原

この個体は古木とみえて木肌は、はがれている部分も
ありました。
 
 ●クロビイタヤ H24.6.23  菅平高原

全体像です。樹高約5〜6mくらいでしたでしょうか?
 
                                               ページのトップに戻る  HPのトップへ 

                              鋸歯のない手のひら形の葉          
                               ○イタヤカエデの仲間

イタヤカエデ

葉身は6〜14cmの扁円形、掌状に5〜7中裂または浅裂し、ふちには全縁またはわずかに歯牙があり、裂片は三角状で幅が広く先は鋭く尖る。表面は光沢があり、無毛
裏面は脈腋に淡黄褐色の毛がある。
葉柄は長さ4〜12cm
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)
花序は垂れ下がらない。果実は直角〜鋭角に開く。無毛
イタヤカエデ H18.6.23 京都府立植物園
イタヤカエデ H18.8.8 北岳の登山口広河原で
イタヤカエデ H20.11.20 京都府立植物園
イタヤカエデ H23.5.17 野坂岳
オニイタヤ

葉身は10〜25cm、掌状に5〜7裂し裂片の幅はイタヤカエデより広く先は尖る。ふちには全縁、表面はふつう無毛で光沢はない。裏面は全体に短毛が多く、ビロードのような感触がある。
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)
果実は直角〜鋭角に開く。
オニイタヤ H18.6.23 京都府立植物園


八ケ岳や伊吹山、鈴鹿山脈、大峰山系、鳥形山、四国剣には
7〜9裂の裏面基部や葉柄の最上部に褐色の毛が密生する
モトゲイタヤが分布する。
オニイタヤ H20.11.20 京都府立植物園
               右葉表、左葉裏
オニイタヤ H23.5.17 野坂岳
アカイタヤ(別名ベニイタヤ)

葉身は直径8〜15cm、ふつう浅く5裂する。裂片は幅広い
表面は光沢あり、裏面の主脈の基部に毛が少しある。
葉柄は成葉では無毛だがはじめは微毛がある。
日本海側に分布

新枝が明るい紅色が特徴   画像は高島トレイルおにゅう峠
                   手前の稜線でH20.11.12
エンコウカエデ

葉身は8〜19cm、掌状に深く5〜9裂し裂片の先は尾状にとがる。ふちには全縁または波状、両面とも無毛または裏面基部の脈腋に短毛がある。
花序はひとつの花序に雄花と両性花が混生(雌雄同株)
果実の翼の開きは狭く、果柄は赤みを帯びる。
エンコウカエデ H18.7.8 川久保渓谷
 赤い葉は幼木の葉です。
 そばには主脈までびっしり毛のあるウラゲエンコウカエデ
 も見られましたが、写真撮り忘れました。

裏面の脈上と脈の基部に開出毛があり、葉柄の上部にも毛
があるものをウラゲエンコウカエデともいう。
エンコウカエデ H23.5.17 野坂岳
                                               ページのトップに戻る  HPのトップへ 

                           手のひら形でない葉(1) 

ウリハダカエデ    (切れ込みのない葉と3〜5裂の葉がまじる。)
葉身は10〜15cm、扇状五角形で浅く3〜5する。
裂片の先は鋭く尖り、ふちには重鋸歯がある。
中央の裂片は広三角形で大きい。
裏面の脈上と脈腋に赤褐色の毛がある。
葉柄は緑色で長さ2〜6cm,、花時には赤褐色の毛がある。
雌雄別株で花序は垂れ下がる。
果実の翼は直角に開く。果実は赤褐色の縮毛がある。
種子の部分が丸くふくらむ。ホソエカエデに似ているが脈腋に水かき状の膜がない。葉柄が緑色で赤みを帯びず、上面に溝がある。花(果)柄が太くて短い。
ウリハダカエデ H18.6.23 京都府立植物園
ウリハダカエデ H21.4.15 京都府立植物園
ウリハダカエデ H23.5.13 余呉の大黒山
ウリハダカエデ H23.5.17 野坂岳

  葉裏
 ◎ウリハダカエデ ’13.5.2 蓬莱山

 ダケ道
 
 ◎ウリハダカエデ ’13.5.2 蓬莱山

 ダケ道
 
 ◎ウリハダカエデ '18.4.12 西山の松尾谷林道  
ウリカエデ
       (切れ込みのない葉と3〜5裂の葉がまじる。)

葉身は4〜8cm、ほとんど分裂しないか浅く3〜5裂する。
先は尾状に尖り、ふちには不ぞろいの重鋸歯がある。
裏面やや粉白色。葉柄は長さ1.5〜3cm,、花時には赤褐色の短毛がある。雌雄別株で花序は垂れ下がる。
果実の翼は水平に開き、赤みを帯びる。種子の部分はあまりふくらまない。カエデの中で葉は一番小さい。
樹皮がマクワウリの果皮に似ていることによる。
ウリカエデ H20.4.15 岩篭山登山口左側沿い
ウリカエデ H18.7.6 湖西山門水源の森
ウリカエデ H19.11.16 湖東繖山

このようにウリカエデでも5裂するものもあります。
ウリカエデ H19.11.16 湖東繖山  

上の葉裏です。
ウリカエデ H23.5.13 余呉の大黒山
ウリカエデ H23.5.17 野坂岳
 ◎ウリカエデ '18.4.4 西山のポンポン山  
 ◎ウリカエデ '18.4.22 西山のポンポン山  
 ◎ウリカエデ '18.5.8 西山古道  
ホソエカエデ H24.6.4 安倍奥大谷嶺の登山口手前

花柄や果柄が細長いが、遠目にはウリハダカエデとの区別は難しいとあるが、葉先の様子から遠目でもホソエだと分かる。葉は浅く3〜5裂し、尾状にとがり特に中央裂片は尾状に鋭くとがる。裏面の脈腋には水かき状の膜がある。
葉柄は3〜8cmで紅色を帯びるのが特徴
 ◎ホソエカエデ H24.6.4 安倍奥大谷嶺の登山口手前

葉裏の脈腋には水かき状の膜
 
 ◎ホソエカエデ H24.6.4 安倍奥大谷嶺の登山口手前

花の柄が細長いことからの名前の謂われだが、撮影時に
そのことを忘れていたため、花柄がはっきり写っていない
 
 ◎ホソエカエデ H24.6.4 安倍奥大谷嶺の登山口手前

幹の肌は一見ウリハダカエデ似だが、凝視すれば若干の
違いが見える。
 
 ◎ホソエカエデ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠から車道を
梅ケ島温泉へ下山中に発見

この木を遠目で見てすぐにホソエカエデだと判明できた。
 
 ◎ホソエカエデ H24.6.5 安倍奥の新安倍峠から車道を
梅ケ島温泉へ下山中に発見

この個体の葉は中央裂片がやや丸っぽい
 
カラコギカエデ
       (切れ込みのない葉と3〜5裂の葉がまじる。)

葉身は5〜15cm、しばしば浅く3〜5裂する。
先は尖り、ふちには不ぞろいの重鋸歯がある。
表面は無毛、裏面脈状にまばらに淡褐色の軟毛がある。
葉柄は2〜6cmで赤みを帯びる。
雌雄同株でひとつの花序に雄花と両性花が混生する。円錐花序を出し、淡黄緑色の花を多数つける。
果実の翼はほとんど平行、まばらに白色の軟毛が生える。
カラコギカエデ H21.4.15 京都府立植物園
カラコギカエデ H27.8.5 北アルプス 親海湿原  
手のひら形でない葉(2)                     ページのトップに戻る  HPのトップへ  
■上部が浅く3つに切れ込む
トウカエデ     (上部が浅く3つに切れ込む)

葉身は4〜8cm、掌状の3脈があって浅く3裂する。
裂片は三角形で先は尖り、成木は全縁だが幼木はふちに大きな鋸歯がある。表面は光沢があり、裏面は青緑色でやや白みを帯びる。
葉柄は2〜6cmではじめ軟毛がある。
雌雄同株でひとつの花序に雄花と両性花が混生する。
果実の翼はあまり開かずほとんど平行または鋭角に開く。
街路樹、公園樹
トウカエデ H18.6.23 京都府立植物園

中国原産、日本では街路樹として植栽
ハナノキ(別名ハナカエデ)
     (上部が浅く3つに切れ込む)

葉身は4〜10cm、浅く3裂するが、ときに切れ込まないものもある。先は鋭く尖り、ふちには重鋸歯がある。
裏面は粉白色で基部の脈腋や脈上にすこし毛がある。。
葉柄は1.5〜8cm
雌雄別株で花は紅色、果実の翼は直角または鋭角に開く。
街路樹、公園樹、愛知県の「県の木」恵那山の山麓で見られる。
ハナノキ H20.11.20 京都府立植物園
              右葉表、左葉裏
 ■ハナノキ H25.5.6 金剛山 葉表  
  ■ハナノキ H25.5.6 金剛山 葉裏
 ■ハナノキ H25.5.6 金剛山 樹形
                               □切れ込みのない葉
ヒトツバカエデ (別名マルバカエデ)

葉身の長さは10〜20cm、幅5〜14cmの倒卵状円形で切れ込みはない。
ふちに波状の鋸歯がある。葉柄は3〜5cmで成葉は無毛です

ようやく出会えました!、それも予期しない山歩きの中でそれは福井県敦賀の岩篭山(’09.5.25)駄口コースでした。
ヒトツバカエデ   

うれしくなってもう一度見に行って来ました。
葉の上の白い花びらは左にあったハクウンボク
標高620mあたりこの木は花をつけていませんでした。

岩篭山(’09.6.9)
ヒトツバカエデ  葉裏  岩篭山(’09.6.9)
ヒトツバカエデ  H23.5.9  横山岳三高尾根
 □ヒトツバカエデ  H26.5.13  岐阜 簗谷山

・葉先が尾状に尖り、縁は波状に低い鋸歯がある。
 
  □ヒトツバカエデ の葉裏 H26.5.13  岐阜 簗谷山
              

 ・同じ対生のムシカリ(スイカズラ科)の葉に酷似するが、
  ムシカリは葉先が尾状ほど尖らなくて、短じく尖る。
 ・また、葉の基部が深い心形だが、ムシカリは心形が浅い
  し、葉の葉脈が細かくしわ状に見える。
 
チドリノキ     (切れ込みのない葉)

葉身は7〜15cm、幅3〜7cmで卵状楕円形で切れ込みはない。
基部は浅いハート形または円形、ふちには鋭い重鋸歯がある。
成葉では裏面脈上にだけ伏した軟毛がある。
葉柄は5〜20mm、平行する18〜25対の脈があり、サワシバ、クマシデの葉によく似ているが対生と互生で見分けられる。
雌雄別株で花序は垂れ下がり、果実の飛ぶ姿を見立てたのが和名とのこと。果実の翼はほぼ直角で無毛、山地の沢沿いなどで普通に見られる。
チドリノキ H18.6.23 京都府立植物園
チドリノキ H20.11.20 京都府立植物園
チドリノキ H22.4.21 京都府立植物園
チドリノキ H23.11.17 愛宕山岩ケ谷
チドリノキ ’18.5.23 ポンポン山

 大原野森林公園
 
△葉は大型で長さ20cmほどあり、切れ込みがない
テツカエデ  (葉は大型で長さ20cmほどあり、切れ込みのない葉)

葉身は10〜15cm幅10〜20cmで浅く5裂する。裂片の先は尾状に短くとがり、ふちには細かくて鋭い重鋸歯がある。
表面は無毛で細脈がへこみ、しわが目立つ。裏面の脈腋と脈上に赤褐色の縮れた毛がある。葉柄は8〜17cm
雌雄同株ときに別株で花序は垂れ下がり、6〜7月に長さ10〜20cmの細長い円錐花序に淡黄色の花を200〜1000個つける。
果実の長さは3.5〜4cmと長く、翼はほぼ直角に開き、分果が片方しか発達しないものがある。褐色の毛がある。種皮の中から渦巻き状の胚が出てくる。
ウリハダカエデによく似るが葉柄に溝はなく、ずっと長い。
テツカエデ H18.6.28 芦生の森

         H20.11.20 京都府立植物園でも確認済み
               (すべて落葉し枯れて撮れず)
テツカエデ H21.4.15 京都府立植物園
テツカエデ H21.5.25 岩篭山 駄口コースで
テツカエデ  H24.6.1 京都府立植物園  
 テツカエデ  H24.6.4 白根南陵の小河内山
 
 テツカエデ  H24.6.29 余呉の谷山
 
 テツカエデ  H24.6.29 余呉の谷山
 
 テツカエデ  H24.6.29 余呉の谷山
 
 テツカエデ  ’13.5.2 蓬莱山

 伊藤新道 ウリハダカエデと酷似するが細脈、しわが
目立つのが特徴
 
 テツカエデ  ’13.5.2 蓬莱山

 伊藤新道 葉柄にはウリハダカエデと違い溝はない
 
 テツカエデ  ’18.7.27 雲取山

 雲取峠手前谷の中で日差し悪く成長が遅いよう
 
□葉は3〜5小葉の複葉
ミツデカエデ(葉は3出複葉) 

葉柄は3〜8cmで紅色、白色の毛あり
葉の両面ともまばらに白色の毛あり、ふちには欠刻状の粗い鋸歯がある。裏の脈腋に毛が密生する。頂小葉の柄は1〜2cmで側小葉の柄はすこし短い

H20.11.20 京都府立植物園
ミツデカエデ H21.5.12 京都府立植物園
 □ミツデカエデ H24.6.1 京都府立植物園
 
メグスリノキ(葉は3出複葉) 画像は葉裏

葉柄は長さ2〜3cm、開出する粗毛が密生する。
小葉は長さ5〜12cm幅2〜6cmの楕円形でふちに不規則な
波状の鋸歯がある。基部は左右不同でゆがむ
表面ははじめ毛があるが成葉では無毛。裏面は灰褐色の
粗毛があり、とくに脈上には密生する。
頂小葉の柄は長さ2〜10mm
メグスリノキ H20.11.5 雁腹摺山

毛無山(20.11.15)の沢筋コースでもサーモンピンクに
紅葉した固体に出会った。
メグスリノキ H20.11.20 京都府立植物園
メグスリノキ H22.4.21 京都府立植物園
メグスリノキ H24.6.1 京都府立植物園
 
クスノハカエデ H20.11.20 京都府立植物園

亜熱帯地方(奄美大島、沖縄、鹿児島)の石灰岩地
常緑高木高さ12~15m、直径50cmほどになる。
葉身5~10cm、幅2~5cmの広卵形または卵形で全縁
革質で3脈が目立ち、裏面は粉白色

葉がクスノキに似ているためのネーミングのようだ。
 □クスノハカエデ H24.6.1 京都府立植物園
 
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参考図鑑:山渓ハンディ図鑑4「樹に咲く花」の記述を参照させていただきました。