焼津 花と富士の高草山 ’14.3.31 晴

 今年の高草山訪問は天候に恵まれ、すばらしい花と富士の静岡焼津の高草山(501.4m2等三角点)を楽しんでいただけました。500mほどの里山ハイキングですが、最初はなかなか急登のアルバイトを強いられます。そのようなことからすぐに汗が噴き出すほどの里山でしたが花を見ながらでしたから急登を忘れるほどでした。

 その花たちはノボロギク、ノゲシ、オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、ヤブニンジン、ホトケノザ、ヒメオドリコソウなどが咲き誇り、少し上がればカタバミ、イモカタバミ、ムラサキカタバミなどのカタバミ類やスズメノヤリ、キランソウ、セイヨウアブラナ、セイヨウカラシナ、ハハコグサなどと、どこまでも野の花がいろいろ咲き乱れています。
 そして茶畑あたりまで上がって振り返ると焼津市街から焼津港や雄大な駿河湾がきらめいていました。舗装された作業農道を何度かやり過ごしますが、オオシマザクラでしょうか。桜の咲き初めにも出会えます。それにヒサカキはもう終わって道にいっぱいの花びらを敷き詰め、あの醤油の腐ったような独特な臭いをまき散らしています。そして道沿いにはマツバウンランがもう終盤となっているのでした。

 20年前に整備された笛吹段公園の芝生内で、周囲の茶の香りを嗅ぎながら雄大な景色を眺めつつの昼食もおつなものでした。軽トラでやってきたお茶か山道の作業員の方でしょうか、今頃の時期ならこの山には昔は黄色いスミレがいっぱい見られたのだが、昨今はほとんど見られなくなってしまったとつぶやいておられました・・・。どうやらそのキスミレが一部の方達によって保護され、復活していることをご存じないようでしたが・・。それにしても温度上昇で暑いくらいのために半時間ほどで腰を上げましょう。

 ジシバリ、ニオイタチツボスミレなどを見て、いよいよキバナスミレの群生地でした。今年は太平洋側一帯で雪も多いとのことで、予定をずらしてやってきたのですが、こちらのキスミレはもう終盤のように見えました。それでもまだまだ沢山のお花がいっぱいで感動ものであります。あたりの樹林の中にこの一帯だけ広く切り開かれて日当たりよく、笹原の中でキスミレが保護されているようです。はるばる遠方よりやってきたのですが、十分満足していただけるほどの花巡りとなりました。

 さて、続いてのお目当てのコシノコバイモを見に行きましょう。その前にはエイザンスミレやオトメスミレも咲いています。もちろんヒメウズにジロボウエンゴサクもいっぱい見られます。こうした花巡りに満足しながら進めば、今度は冠雪の富士山が待っていてくれました。お~、今年初の冨士です。いいですね~、何度見ても飽きません。今回も行けないのですが、焼津アルプスとして一角として地元の山好きに愛されているという満観峰の右上にどっかり座った富士山の見事さにうっとり

 高草山山頂へ到着です。人工物がいろいろありますが、こちらはお目当て探しでそんな山頂は気になりません。あたりにはジロボウエンゴサクがいっぱい咲いています。そしてナガバノスミレサイシンがひっそりと咲き、セントウソウもすごい群生です。昨年咲いていたと思われるあたりでコシノコバイモを探すのですがどうも見当たりません。

 地元の方らしい方に出合ってようやくその咲く地に辿り着くことができました。背の低い弱弱しい草花で、雑木の中に同化するように立つため目にするのは容易ではありませんでした。でも残念ながらこの花もほぼ終わったような状態となっていました。
 今年咲いていたという白花のコシノコバイモは終了していたようでした。そして親切な地元の花好きの方々にミドリタチツボスミレという超珍しいスミレまで教えていただけました。キスミレといいコシノコバイモといい満開の最盛期にやってくることは極めて容易ではなさそうです。希少種であるこの両者とも日本の限られた地に分布するのですが、特徴として隔離分布の点が似ているようです。

ミドリタチツボスミレ

 

ニオイタチツボスミレ オトメスミレ ナガバノスミレサイシン エイザンスミレ

 これで高草山の花巡りも終わったも同然です。今度は下りのコースを変えて下山としましょう。でもお茶畑は変わりません。来月あたりには新茶が生まれることでしょう。麓まで下山すれば舞妓さんのカンザシのような姿で咲くキブシ、それにあたりを黄色に染めんばかりのヤマブキも満開で見応え十分でした。
 また、ハタザオのようなグンバイナズナでしょうか。白花の清楚なお花もいっぱい咲き誇り、さらにはオオアラセイトウ(ショカッサイ、ハナダイコン、ムラサキハナナとの別名も持ちます。)もあたり一面紫色の花々が広がっていたのです。

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