比良 植谷峠から蛇谷ケ峰 ’14.3.23  晴

 出町柳=朽木大野-高乗寺-P437-P535-P792-植谷峠-P816-西峰反射板-蛇谷ケ峰-ボボフダ峠-畑

 今回は奥比良の尾根道を辿って蛇谷ケ峰を登ってきました。その尾根には古道の植谷峠という、今では登山者にも忘れられた峠道がありますので、このピークを楽しみに登ってみましょう。

 さて、3月15日からの土休日しか運行しない京都バスで出町柳から朽木大野で初めての下車(9:05)でした。大野の集落に入ってすぐに高乗寺ですが、この建物は寺らしくない一般の家の雰囲気ですが、そばに石塔が並んでいますから、ここがその寺裏で尾根の取りつきだなと分かります。

 最初はやや急勾配が続きましたが、炭焼き釜跡地から目立つ横へ広がるやや大きな岩石を見ながら急登を登り上げましょう。そして雑木の中に松の木が目立つようになればP437あたりでしょうか。なだらかな尾根になります。樹林の間には西峰の反射板も目に入りました。う~ん、あそこまで登るのかと心なしか案じられます。P535あたりから先でスノーシューです。600mを過ぎれば又、急斜面が出てきますが、身体も慣れてきていますから対した負担にもなりません。

 

 東に方角をとるようになればP792(10:50)からの白銀のいよいよ稜線漫歩となります。このピークあたりまで1時間半の予定でしたからほぼ順調でしょう。この暖かさで雪庇も崩れてしまっています。そして圧巻は釣瓶岳から武奈ケ岳への比良縦走路が見下ろしていました。もちろん、釈迦岳からリトル比良の山並みも勢揃いです。

     クリックで拡大画像
 P792の雪庇    792からの武奈

 700あたりまで上がってくれば右へ白倉岳の山並みでしょうか。樹林の中に雪のついた頭が見えだします。ところどころには大きなイヌシデの双子の木や古木の大杉が点在しています。そして着きました。植谷峠Ca770のピーク(11:10)でした。

     
双子の イヌシデ    兄弟の大杉

 でも山名はおろかテープ類など何の標示もありません。30cmほどの高さのコンクリート杭だけでしたが、2月ころまでの大雪時にはこの杭ももちろん埋まってしまい、それこそどこが植谷峠のピークか分からなくなってしまいます。もちろん、ピークが770であることを知っておればいいのですが・・・、どっこい770はその手前にもありますので、これは地形図をしっかり頭に入れていないと見間違うこととなりかねません。そして杉林が邪魔して眺望は残念でした。


植谷峠 クリックで拡大

 次は造林公社のほとんどの字句が消えてしまって白板と化した公社営林地の表示板からP816へ上がります。すると左前方には蛇谷ケ峰西峰の反射板も建っているのが青空に映えて飛び込んできました。もちろん、琵琶湖やリトル比良の末端も見下ろしましょう。何はともあれ、私は蛇谷の関電反射板はこれまでから数えきれないほど、あちこちから見てはいましたが、このような地からの景色に感動ものでした。(↓画像クリックで拡大)

 

造林公社の看板
 
 

 すばらしき展望や雪稜歩きを楽しんだ後には、きつい登りが待っていたのでした。その反射板地へ近づく尾根に乗るのが最後の急坂となりました。実のところ、ここが地形図上からでは読み取れていませんでした。もっとも考えれば、このあたりでほぼ3時間弱の歩きの頃でしたから、疲労度が高かったための急登と感じたようです。

 そして、その反射板地(11:50)へ登り上げました。知っています、この地からのパノラマビューを・・、そうです、まずは武奈ケ岳方面です。そして、そうです、蛇谷の頭は目の前です。もう本日の頂上は登ったも同然です。一人っきりで踏んだ尾根も眼下に白く見えています。(以下画像クリックで拡大)

 高揚する気持ちを抑えてわずかに進めば更なる展望台です。お椀を伏せたように座る蛇谷ケ峰の左奥には高島トレイルの山並みが白銀を纏って輝いています。武奈ケ嶽、三重嶽に大御影山など、右側には大谷山から赤坂山、そして右に少し奥には乗鞍岳も見えているではないですか。ひとしきり北方面の大展望を楽しんだ後は最後の高み蛇谷ケ峰へ歩を進めましょう。

 しっかり雪あって直登できますから反射板地から15分ほどで山頂(12:07)でした。ここまで人の姿なしの時間が続いていました。でもここにきて3人も?、先客があの山はこの山はとやっています。こちらは展望はもう見ましたのでアセビの影でお昼としましょう。次第に賑やかになったなと周りを見ると20人近くの人達が感激の声高らかに騒いでいます。

 静かな山の雰囲気を求めてやってきましたが、山頂では致し方ありません。今日はここまでの尾根歩き3時間ほどがほんとうの山の開放感を味わうことのできた、いい山旅となったのを感謝しましょう。
 さて、食事も終えてもう一度眺望です。北側はすばらしいのですが、でも、東方面の展望は金糞岳は白く見えましたが、伊吹山すらほとんど霞んで写真は無理っぽく、さすがにこれだけ暖かい蛇谷からはどうしようもありません。やっぱり冴え冴えとした2月ころのシーズンでないと展望ははっきりしないのでしょうか。ちなみに3年前の2/20に登った時の様子はこちらからご覧ください・・

 十分すぎるほどのんびりタイムを過ごして、下山にとりかかりましょう。今回は天空温泉はパスして、畑集落へ須川峠(ボボフダ峠)からとします。ボボフダ峠すぐ下にはモミノキの大木↓が君臨しています。

 でもこちらのコースは前半の稜線からボボフダ峠より尾根末端あたりまではいいのですが、さらに降って谷が目に入れば、昨秋の台風で谷筋が相当のダメージを受けて荒れ放題となっていました。それも下方へ降りるほど道は無いのも同然の状態でした。これでは古くからの登山道でもあったのですが、登山者も敬遠しがちでますます廃道化へ向かうことでしょう。

 畑バス停まで2時間弱のゆっくり歩きで下山(14:40)しましたが、JR近江高島駅へのバス便もすっかり少なくなってしまい、今ではコミュニティーバスとなってしまって乗客もほとんど見かけない状態です。そして16:09まで長時間待ちのありさまでした。トホホ・・・

 長時間待ちのバス停近くにはショウジョウバカマ、ミヤマカタバミの咲き初めが見られました。

 なお、どうやら今年の雪遊びは最終回となりそうです。

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