比良小女郎池西尾根から蓬莱山’14.3.17 晴

JR堅田= 坂下-小女郎池西尾根-P762-Ca1080-小女郎ケ池-P1101-蓬莱山-クロトノハゲ-天狗杉-キタダカ谷-JR志賀

 
Ca1080からの小女郎ケ池越しの蓬莱山

 今回は坂下から一般道のサカ谷道ではなく、その南の小女郎池西尾根(小女郎ケ池あたりから伸びる西への尾根)がメインの蓬莱山(1174.2m)でした。小女郎ケ池より蓬莱山は登山者も多いのですが、こちらの尾根歩きはネット上にも現在のところ一件しかアップされていません。
 その、一件が目に止まって今回のチャレンジとなりました。そもそも一般的な登山地図に掲載されていない良き稜線を歩けば、ほぼ貸し切り状態となり、山登りの良さを味わうメリットを求めてのマイナルート歩きでした。もちろん、小女郎ケ池に着くまでは誰一人として姿はありませんでした。

 実際に歩いてみて、テープがついており、雪の消えた部分の下方部分だけ見られたのでしたが、踏み跡もかすかに見え、やはりマイナー好きな山人がいるのだなとの印象でした。春か秋にでも再度の自然観察行としての訪問もいいだろうな、と考えます。

 さて、葛川橋取りつきあたり(9:30)で自由乗降のバスを止めてもらいましょう。サカ谷道を左に見送って、右に林道を上がり15分ほどで尾根末端をいよいよ登山開始です。杉の植林帯ですが、歩くのはほぼ境界ですから植林の中の薄暗い道ではありません。

 570mくらいに上がり、これまで東方向の尾根がここで急に右折の南へ変わると、尾根はとたんにやせ尾根となります。この先へは雪があればやや歩き難いかなと思うようなところでしたが、このあたりの雑木林越しの右(西側)には東尾根を従えて奥から皆子山が見下ろしています。反対の東側にはサカ谷コースの964Pでしょうか。


右奥に皆子山

 少しで広場らしいですが、植林が全面にあって地形図上のような広場には感じません。ここが今回の唯一の読図地点でしょうか。でもテープもあり東方向への左折下降はすぐに足が進みます。それよりも降りた鞍部の方が進み方で考える地のようです。


ここは右ではなく左(東)へ下りましょう

 でも植林帯の中を上がるのではなく、境界線を進むのだと分かっておれば、すぐに上るところへ向かうことは可能でしょう。伐採木散らばる足元を気にしながら明るい方の境界線側へ上がって、上を見上げてあまりの急勾配にゲンナリでした。ここも雪あれば手でつかむ木々もなさそうで、転げ降りるのではと心配するほどの激登り箇所です。今回のコース上ではここが一番の登り坂となりました。でも570あたりより、100mほどの間ですからなんとか雪の中でも上がれることになるでしょうか。今回は土が出ていましたので助かりました・・・。


雪時は左は谷ですから右の杉をつかみながらか?

 勾配が次第に緩んで来れば、そこにはP762がやや広場を作って待ちうけています。もちろん、このあたり(10:40~45)から自然林が広がって山歩きって楽しいと心緩み、思わずヤッホー!、と叫びたくなってしまいます。


穏やかな762P

 この後すぐの800mあたりで雪が出てきましたので、早速スノーシューを楽しみましょう。快適に尾根どうしを木の枝のない歩きやすい所を選びながら緩やかに上がっていきましょう。ただ、尾根が次第に幅広となって左右どちらかに行きすぎないよう注意しながら歩きます。

         
800m~1000m あたりのこんな景色の中を思いつくままに登りながら進みました。  

 ブナや松の木の大木を見上げたり、カエデの冬芽を覗いたりしながら1080mあたりの高みへ到着(11:25~33))でした。お~、東北よりに蓬莱山が出迎えてくれました。ということはその手前には小女郎ケ池があるはずだが、、、と見下ろせば真っ白の雪原が広がっています。もちろん、池の謂れなどの説明板も小さく見えています。

         
 右の丸いのは1101P    小女郎ケ池へトレースはっきりと    池の奥にはサカ谷道へのピーク

 このピークからの景色も初感動です。いいですね、でも、でも今日は晴れすぎて暖かいのはいいのですが、PM2.5の影響でしょうか。あたりはぼんやり霞んでいます。しかし、ここからの景色にうっとりしながら白銀の山並みを眺めるのでした。

 お椀を伏せたようなピークが左右にあって、その間の先に蓬莱山の配置です。そして二つのピークに挟まれた間には次のような説明のある小女郎ケ池があります。

 『蓬莱山の山頂から尾根筋を南へ下ると、滋賀県下で最も標高(1060m)の高い位置にある小女郎ヶ池がある。南船路村(現木戸南船路)に住むお孝は、ある日、この池の主(大蛇)に魅入られてしまう。夫久右衛門は、乳飲み子を家に残し、夜な夜な池に通う妻を心配し、その後をつけてみると・・・・。お孝はことのてん末を夫に話し、自分の左目をくりぬいて子供が泣いたらこれをしゃぶらせてほしいと頼んで池に消える。以後、この池は小女郎ヶ池とよばれるようになったという。』

 私も池へ降りようと見下ろせば、左から池方向へ踏み跡がはっきり見えています。これはどうやら、前日の日曜日にサカ谷道から上がってきたトレースでした。晴れているのですが、今日は月曜日で誰一人姿もありません。駆け下って池の解説板(11:37~40)をもう一度目を通しましょう。↑のような悲しい昔話が書かれています。この解説板をなんど読んだことでしょう・・・。

 この後は1101Pからもういちど蓬莱を見上げてから登り上げます。半時間ほどで三角点到着(12:06)です。北西には武奈ケ岳の西南稜が白く残っています。周りには若い人たちのスノーボーダが春休みでしょう。いっぱい春ボーダーを楽しんでいます。
 こちらは金網の外周を歩いて笹平からその上の園地に上がればベンチがきれいに乾いています。ここでようやく打見山方面のゴンドラの上がり下がりを眺めながら昼食(12:20~50)としましょう。真下の琵琶湖はまったく霞んでしまって見えませんでしたが・・・。

     
 蓬莱山の1等三角点    蓬莱より武奈ケ岳遠望

 打見山頂上には向わずに、寺屋敷よりゴンドラ下の多くの雪残るトラバース道を滑落注意しながらクロトノハゲへ向かいます。上のケーブルなどの建物より降りてくる電柱に出合えばトレースがありましたが、ここの道標(13:13)までの間は誰の踏み跡もなく、多雪時は特に滑落要注意でしょう。

 
奥側が天狗杉

 そして天狗杉からキタダカ道をだらだらと1時間半は十分下って、途中脇山橋を渡り、舗装路からJR志賀駅(14:50)でしたが、このキタダカ道が一番疲れました。フゥ・・・

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