比良八幡谷右岸尾根から釣瓶岳’14.3.12 晴

 堅田駅=細川-細川城跡-古道-P470-P713-稜線合流-釣瓶岳-ナガオ-広谷小屋前-広谷分岐-イブルキノコバ-八雲ケ原-ダケ道-イン谷口-比良駅

 10日前に登った八幡谷右岸尾根だったのですが、前回は取りつきから適当な激急登の勾配を必死で登り上げたのですが、600mあたりで古道らしき道型を発見したために、次回はこの道が下へつながっているだろうとリベンジしてみました。

 もっとも前回はマイカー山行であったために、広谷へ降って登り上げ、武奈から細川尾根のいわゆる八幡谷右岸尾根を登り、左岸尾根を降ったのですが、今回は路線バスによる単独行のために、釣瓶岳からナガオ、広谷までは同じルート取りでしたが、今回はその後のコースを琵琶湖側の表へJR比良駅まで歩くこととしました。

 さて、前回と異なり、雪も多く残っておりました。また、温度急上昇で雪質が悪く、スノーシュー歩きも潜るは重いはで、ラッセルに相当なアルバイトを強いられました。登山口ですが、細川バス停(9:50)から龍松寺下の八幡谷右岸に伸びる細い舗装路を進みます。するとすぐに左へ杉林への道が見えます。ここをそのまま左へ上がらず右の舗装路を進めば八幡神社があるのですが、前回はこの神社横から適当に斜面に突入したのですが、神社まで行ったのが行きすぎだったのです。

 登山口であるその左へ入る(9:53)とすぐ左の太い杉に「細川城跡、細川越」との張り紙があります。そしてすぐ上の広場が細川城跡の雰囲気で、二つの小さな建物が建っており、真っ白な雪原が広がっていました。このあたりで右前方に道型が目に入りました。これがどうやら細川越の古道の始まりのようでした。

     
 左の山道へ、右の舗装路は×    細川城跡、細川越の張り紙あり

 東北東へ向けて急勾配ですが雪の中でもはっきりと続く、しっかりとした道を登って行きます。40分たらず歩けばやや土砂崩れでしょうか、少し急に登り上げる箇所もありますが、これを過ぎればすぐに標高470mあたり(10:30)で古道は消えてしまいます。

     
 古道の道型はっきり見え    古道が消えると右へやせ尾根を

 このあたりでよく周囲を見れば古い黄色のテープもありました。ここを南へほぼ直角に振って登ります。さらに南東方向の尾根、これからが最初やせ尾根の急登となりました。鹿の踏み跡を着実に追いましょう。しばらくで、いや、相当汗しながら頑張って歩けば、前回では雪のきれで地も見えていた古道部分は完全に雪に埋まって、ここが古道だと分からないほどとなっていました。
 そして尾根も次第に広くなって600mあたりで右(西)から上がってきた尾根と合流します。ここにも同じ黄色の古いテープがついていました。ここまで登れば激急登が済んだも同然?ですから、写真を撮りながら尾根歩きを楽しんでの前進としましょう。

 この後は勾配も緩やかとなって地形図上にあるP713あたり(11:18)です。前回と大きく異なり、すばらしい青空広く晴れた気分いい八幡谷右岸尾根歩きです。ただ、残念だったのは雪質悪く、潜って沈んで足重くてフゥフゥでした。ここでツボ足からスノーシューを使いましょう。

     
 713からは最初はなだらか    まだまだなだらかで気分いい~

 左岸尾根のいわゆる細川尾根の方にはあちこちにテープが目につくのですが、こちら右岸尾根にはほとんどテープ類などの人工物は目にしません。これがほんとうの自然がなすままの景色なのではないでしょうか。所どころにあるのは鹿のトレースだけでした。

 日当たりが広がって影アートを見たり、まもなく南には樹林の間から武奈の頭へ続くもう一方の左岸尾根を見たりしながら、最高の八幡谷尾根歩きとなりました。前回は足元の薄い残雪の上にアズキナシの枯れた果実があちこちで散らばっていたのですが、今回は完全に雪の下となってしまったのでしょう。まったくアズキナシは目にしませんでした。そのかわり飛び込んできたのは、上からぶら下がっているイワガラミの枯れてドライフラワーと化した花柄も見ることができました。

         
 影アートも何度でも見たい!   樹の間越しに武奈も     イワガラミのドライフラワー

 750過ぎもまた急登があり、そして今度は900m直前あたりまで来ると、やや!、前方にまた覆いかぶさるように高い木々が見えるではないですか。う~ん、あれが最後の急登かな、でもあれをクリヤすれば北方稜線の縦走路ピークだろうと自らに激入れます。そして樹林の開けたところの南からは武奈の頭が白銀眩しく、嬉しくなって一気に最後の頑張りでその稜線ピークとなりました。


武奈手前の八幡谷左岸尾根もはっきり

 稜線ピークへは前回は雪少なく、ここまで2Hでしたが、今回は12:25で細川バス停から2時間35分もかかってしまいました。四周をグルッと眺めてすぐに雪庇で囲まれ掘れた地へ潜るようにして昼食とします。雪庇で風除けとなって25分ほどの穴ぐらより武奈や釣瓶を眺めながら至福の時でした。

             
稜線ピークから北の釣瓶岳     南の武奈ケ岳    東のナガオの稜線   手前の稜線ピーク雪庇横の穴で食事

 食後に15分で本日の高みである1098mの釣瓶岳で、北側の蛇谷ケ峰を見てからナガオへ駆け下りましょう。ところが前回と違い、すごい雪の重みで杉の枝が道を隠しています。あれ~尾根がない・・というほどでしたが、横から降りて振り返ると大きく雪庇ができているのでした。

     
 釣瓶岳より北の蛇谷ケ峰遠望   釣瓶山頂にも雪庇が・・ 

 さぁ、ナガオの稜線漫歩としましょう。白銀が招くヨの感じの雑木林の中を好きなところをシューは軽快でした。そして960mピーク(13:35)から武奈や釣瓶を眺めながら、ぞくぞくするような気持ちでした。これより南南東に振って降りましょう。

             
 960より武奈   釣瓶、左の白いのが稜線ピーク    ナツちゃん~ いいネいいネ    広谷小屋前へ降り、左へ

 ナツちゃん(ナツツバキ)また会いに来たヨと語りかけながらシューは行きます。ほどなくで大木の杉の木立つあたりで、前回と同じ谷へ直角の西南へ右折(14:00)して降ります。5分ほど降りれば広谷の流れの向かいに広谷小屋がポツンと建っています。今回は前回とは反対に東南の沢沿いに、渡渉したりしながら行けばすぐに広谷分岐(14:15)でした。

 広谷の分岐、でもあの広谷の道標がいくら探しても見当たりません。もう少し下流かなとあたりを右往左往すれども、やっぱりここがイブルキノコバへの分岐点で間違いないと、例の橋を見ればいっぱいの雪に埋まって短く見えます。道標は雪に埋もれた状態だったようで、積雪の深さが分かろうというものでした。

     
 広谷よりイブルキノコバへの橋も雪に    手前にはレスキュ-ポイントの札が

 エ~、この橋を渡るのか・・・、びっくりでした。仕方ないザックを下ろして様子をみようとシューで渡りかけるのですが、積もっている雪が端からじわじわと崩れていきます。突き当り近くまで進み前がせり上がっているのを確認、イヤ~、これはやばい!、あそこで力を入れて上がろうとすれば、きっと足元の雪が崩れてしまい、それで約2mほど下の沢へ落下は間違いなさそうと判断し、どうにか橋の上をバックでした。

 このような状況は当初から想定していたことで、すぐに下流20mほど進んで渡渉し、斜面をなんとか巻いて谷筋へ戻って上がりました。でも、渡渉したあたりの写真を撮ることすらも忘れるほど集中していたのでしょうか。
 なんとか20分足らずでイブルキノコバの道標を目にしてやれやれでした。これより後はトレースありも承知の助ですから、もう大丈夫です。これまでトレースは0でしたが、ここイブルキノコバからは踏み跡多数でした。でも本日一日中誰一人として人の姿に出合わずじまいでした。

 こうして八雲ケ原、北比良峠(ここでシューを取り、これ以降はツボ足)からダケ道よりイン谷口(16:55)へ降り、JR比良駅に17時半過ぎに着けました。

ホームヘ