京都北山北山の峠道を行く’14.3.9 晴

 花背高原前バス停-寺山峠-862-旧花背峠-京見坂-742-766-芹生峠-760-滝谷峠-夜泣峠-二ノ瀬駅

 今回はピークを目指すのではなく、昔ながらの北山にある峠道を追いながら尾根筋を徘徊する読図山行としましょう。とりわけ昭文社など一般の登山地図などに掲載されていないコース取りで、人の入り少ない静かな山歩きができるメリットがあります。今回は寺山峠から芹生峠向かいの柳谷峠分岐までの間は鹿などの踏み跡以外はノントレーで、全くの孤高の人となりました。

 今回は人工物もほとんどなく、尾根、谷などの地形が複雑で、必ずしも明瞭でない京見坂から芹生峠間のコースや寺山峠から旧花背峠間の多少の道標など人工物があるコースを含めることにより、読図の楽しみを取り込んだコース取りで北山の一日を楽しみました。もっとも芹生峠から登りかえした魚谷山柳谷峠分岐以降から夜泣峠間はテープ類等が目障りなくらいありすぎて、別問題でもありますが・・。 

 さて、花背高原前のバス停を9:10に歩き始めて半時間で寺山峠、同じくバスを下車した方も峠に到着で公団巡視路道から雲取へ向かわれます。こちらは反対方角へこれより数日前からの戻り寒波で新雪が足にもやさしく、せっかく持参のスノーシューですから楽しみましょう。

 我が道の旧花背峠までの間は「花背山の家」による標示があちこちに下げられ、無雪期などは踏み跡ができるくらいに歩るかれているようです。そんなことから雪を纏ったこの時期にあっても、道型らしき雰囲気が感じられ、そう地形図を食い入るようにまで確認するほどではありません。そしてP862の寺山での表示板に出合って、そうかここが本日の高みなのか、それにしても楽過ぎるな、う~ん、今日のバス停のスタート地が580mだから楽なのは当たり前かなどと一人で含み笑いしながら納得でした。

     
 P862の寺山での表示    平らな雪原
 

 でも、この後はやや地図を広げたりしながら、最後の820を足元注意の標示地あたりから天狗杉や花背の鉄塔を疎林の中から眺めましょう。目の前のピークを巻いて上がります。下りにかかればアセビの木の間を歩くようになり溝状の道に出合ってさらに下り始めると植林地に変わって旧花背峠(11:00~05)に着くことになりました。狩猟なのか軽自動車が2台チェンを着けて上がってきていました。


旧花背峠

 京見坂を芹生方向に進めば、林道横が本日第二段の尾根筋歩きの取りつきです。さぁ、これからの芹生峠までの間が今回のメインです。今日は寺山峠から芹生峠向かいの柳谷峠分岐までの間が初歩きなのです。さすがに地形図との首っ引きとなりました。

 P742先の鉄塔へ上がれば、今回全くといっていいほど展望なしルートを歩いてきた身としては、思わずオ~と声が出るほどの感動ぶりとなったのであります。鉄塔下から南東方向に比叡山や水井山が望まれ、手前には天狗杉や花背の紅白の鉄塔も指呼の間で見えています。よし、ここで昼食(11:45~12:20)としましょう。食事中も鉄塔上部の凍てついた氷が落下してきそうで心配でもありましたが、今日はそんなに寒くはありませんでした。

     
 右比叡山、左天狗杉    先の白い尾根降りかけた×

 でも長すぎた大休止でさすがに寒さに腰を上げることとしましょう。ここまでひつこくシューを寺山峠からでしたが、この後は担いで降りましょう。でも、や、待てよ!、この先はどう進むの?・・・となってしまい、右下に下がる真っ白な小さな尾根を降りかけましたが、いや、これはおかしいと地図の見直しです。南西でなく南南西だろうと気がつきました。鉄塔地まで戻って上がり、その方向をよ~く見れば古い白くなったテープを見つけました。ラッキ~との気持ちで前進でした。

 そしてこれからが読図の本番でした。ぐるぐると難解な尾根が何度か出現です。鉄塔地から最初の北西に伸びる尾根で思案です。イヤ~この尾根を進むのではない、でも歩きやすそうな樹幹の様相だし、と悩みながら、地形図の方位合わせに夢中でした。さすがに磁北線も記入していましたので、これは助かりました。この手間をズルしていれば恐らく方向を確実に読めなかったと思われます。

 こうして、次のまた大きく北北西に伸びる尾根あたりでも悩みましたが、西南西への道を捉えてP766に着いてホッとしました。人って誰でもですかね~、、。鉄塔以降初めての人工物にほんとうのところ安心したのでした。

     
 P766の標示    まだ雪もしっかりあり

 もうこれで大丈夫でしょう。行動食のパンやバナナをぱくつきます。それにしても寒さもほとんど感じずにここまでやって来ています。まだまだ叡電二ノ瀬駅まで残っていることを忘れ、もう今日の歩きは目と鼻の先の芹生峠を降るだけだとの思いでのんびり休憩してしまいました。

 そして植林地と自然林の境目を降り出し、目前に柳谷峠分岐あたりが伐採後で、一面白くなっている景色が目に飛び込んできたのでした。ここで完全に気分も緩んでしまい、急下り道から峠の舗装路に降り立ちます。すぐまた白銀を蹴散らしながら急坂をフィフゥいいながら、魚谷山柳谷峠分岐へ登りましょう。

 ところが、この分岐に上がると先人のトレースがぐちゃぐちゃとなってこれから進む同じ方向に付いています。そして西南の愛宕、竜に地蔵を遠望しながら、P760でも西に魚谷山に桟敷ケ岳を眺めてから滝谷峠へ降りましょう。トレースは想定済ですから無視して好きな踏み跡をつけながら峠でしたが、ここで10名ほどの「○ろ○」の方たちが魚谷山から下山の休憩中でした。

         
 一本杉の右奥に愛宕三山    杉の右に魚谷山と奥に桟敷ケ岳    滝谷峠

 お先にと声かけ、二ノ瀬ユリ道をどんどん進みましょう。大岩分岐からわずかに尾根に上がれど、雪はすぐに消えかけてほどなく夜泣峠でした。ここで最後の一本で、二ノ瀬駅には15:40でした。

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