比良 ホッケ谷右岸尾根からホッケ山 ’14.1.19

 JR蓬莱・・林道・・登山口・・ca520・・735P・・ホッケ谷分岐・・縦走路出合・・ホッケ山(往復)

 今年も最も寒気の厳しい大寒のころを迎えた。いわれどうりに日本列島も寒波が押し寄せて大雪のおそれありと報じている。すわ、雪だ、山だ!と馳せ参じよう。今冬一番のパウダーを楽しもう。今回は一度下って道探しにうろうろしてしまったルート探索がてらの反対側から登るのだ。

 山登りのセオリーでは登りが尾根で、下りが谷筋なのは知らない人はないだろう。それをあえて前回は楽だからとロープウエイで打見山へ上がり、下りにホッケ谷右岸尾根を使ったのだから、やや苦労することになったのだ。よし、ならば逆に登って迷路を解明しようとのことでいざ出発である。

 しかし、JR蓬莱駅から住宅街を縫うように歩き、やがて山麓の林道へ入るもこれが結構長い道のりで、標高390mの登山口まで3kmもある。もちろん本日は駅のプラットホームにも雪かきされている状態の日だ。林道歩きも10cmはあろう。ほぼ1時間もかかってしまった。

 いよいよ登りの体勢を整え歩き始めたのも10時すぎである。急な尾根にかかりわずかで尾根芯に出ると、なに~、これ!、さっき歩いたと思われるトレースが突如出てきたのだ。どうやら我らとは一駅違いの和邇駅方面から車で霊仙山登山口下あたりまで入って、我らとは反対側から林道歩きしこの尾根に取りついたのだろう。

 このトレースを目にし、ゲンナリだ。今日はラッセルしながら、ルーファンを楽しもうとやってきた我らは、なんやこんな踏み跡見とうないのに・・とこぼしながら、でもお蔭でツボ足で歩けるやないかと微妙な心境の歩きとなってしまった。そしてシューは担いだままで昼食地まで進行することとなる。

 はてさて、今回のお目当てあたりは南尾根上部の標高550あたりから735下の700あたりの尾根に上がる間が探索予定箇所として行動することとしている。その550あたりに左手の木に赤ペンキで矢印あり、ここへ10時半到着だ。すぐ上にも赤印はある。これらより630あたりまでは昔の細い巻道らしきものがあり、比較的分かり易い部分であろう。
 しかし、先行隊はすぐに左から直登を狙うらしい。これよりトレースと別れて我らはツボ足のままで新雪を蹴ることとなった。でもこれがまた楽しい本来の雪山ラッセルだ。次第に急坂となり、そして多雪は多い時には股下までもあったりした。

 気分上々、高揚した二人はどちらからともなく、岩こそないが、『雪よ岩よわれらが宿り、おれたちゃ町には住めないからに、おれたちゃ町には住めないからに~♪、、、朝日に輝く新雪踏んで、今日も行こうよあの山越えて、今日も行こうよあの山越えて~♪♪』と雪山讃歌をとつとつと二人で歌いだすのであった。。

     

 そうだ、この歌詞の中には他にこんなのもある。『けむい小屋でも黄金の御殿、早く行こうよ谷間の小屋へ、早く行こうよ谷間の小屋へ』のなかに出てくる、「けむい小屋」は京都北山の細ケ谷に西堀栄三郎や今西錦司ら京都が生んだ著名な岳人らによって建てられた山小屋から生まれたものといわれる。そんなことから次はその小屋のある魚谷山の雪を見に行こう!と話題がつきない。

 手つかず、いや足つかずの白銀が目に眩しく喜々としてその巻道を登りあげ、その終点はここだろうと標高時計を覗くと630だ。これよりほぼ西よりに振りながら最後は急坂を北西へ取ろうと確認してスタートだ。でもあたりをよく見ながら進むと気分的にからかもしれないが、道型はなんとか見えるように思え、また赤テープもちらほら目について、これで間違いはないなと意気揚々と前進だ。

 この後そろそろ北西方向に振ろうと口にすると、また出ました!、先行者の踏み跡が・・・、そしてほどなくして11時半ころ700あたりの檜の植林地一帯の尾根に登り上げたのだ。お~、これで終わったも同然だ、この後は誰でもモード歩きが可能である。
 735から先のホッケ谷分岐で昼食としようとすると、これがまた東の谷側からの風の通り道となっていて冷たい。も少し進んで風よけ地を探そう、どうにか見つけた地で半時間ほどの昼食とした。ほんとうはもっとゆっくりとしたかったのだが、食事中にも瞬間的に何度か、東風に荒れ狂う吹雪で広げた品が真っ白となり、コンロや食べ物などが見えなくなって雪を撥ね退けることとなるほで悲鳴を上げたのだ。

     
     

 それでもお茶や残る水類を熱湯のようにした後に腰をあげ、この後はシューを装着して軽快にトレース泥棒で楽ちん歩きだ。ブナやミズナラなども見上げながら、それでもやっぱり汗しながら縦走路出合に着いたのはちょうど13時であった。

 今日は昼前から雪はあがるだろうと読んでいたのだが、降ったり止んだりの繰り返しで、たまにホッケ山が顔を出してくれ、お~、やっぱりあの頂まで踏もう!との声で決定だ。もちろん、縦走路は新幹線並のトレースもガッちりで、進めば上から4名が降りてきた。
 どちらから?と声をかけられ、振り返ってあの尾根からですと我らの返事。4人は私らも同じでした。そうですか、トレース使わせてもらいありがとうございました。そして4人は権現に降りますと、短く会話して別れたのだが、我らのお礼もそんなに心がこもっていたのだろうかと二人で笑ってしまうのだ。そして20分もたたずに1050のホッケに到着した。

 期待という言葉は今日はない。ほとんど四周の展望はないほど薄すい。蓬莱山すらほとんど見ずに小女ケ池手前の小ピークが見えるほどで、それでもその右上にうっすら白く見えていないか?、、などと笑顔でやりとりである。
 そして寒さに震えて5分で下山としよう。そうなれば得意の駆け下りだ。山頂から5分もしないで縦走路出合だ。二人してこの後は緊張感もなく、だらだらと735下まで降り、そうはいってもこの後はちょっと引き締めて歩こうと声出す始末である。

 雑木の急坂へ方向を確認しながら進むのだが、どうしても踏み跡が目に入ってしまうのもやむを得ないだろう。あくまでも我が踏み跡を追いながら、植林が左手に見えだし、南尾根に入って520から20mほど下に立つ「北浜県営林」の看板を左に見て、やれやれ、もう今日の歩きも終いだなと思えば右にまた下の同じ看板が出てくれば下山口到着だ。

 この下山口からの林道歩きにもシューは片づけず、そのまま265あたりの四差路でシューを担ぎ、朝とは違いここで左折して別荘地へ降り、湖西道路を潜ってから比良を振り返るもやっぱりホッケ山や蓬莱山すらもガスに煙っていた。その下の志賀中学から八所神社そしてJR蓬莱駅へ16:35に戻ってきた。

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