北ア 立山三山縦走 '13.8.14~16 

 初日に室堂平2450mまで入って浄土山を登り、一ノ越山荘泊予定だったのですが、高速道路がお盆の渋滞につかまってしまい、大幅遅れの到着でやむなく浄土山を中止として一ノ越へ直接向かうこととなってしまいました。

 せっかくの三山縦走が最初から形なしでしたが、これも自然現象と割り切って明日の縦走に期待します。でも一ノ越までもいろいろなお花たちが咲いて歓迎してくれました。ヨツバシオガマ、ミヤマキンポウゲ、アオノツガザクラ、ツガザクラ、シラネニンジン、ハクサンボウフウ、イワイチョウ、イワツメクサ、チングルマ、コバイケイソウ、ミヤマキンバイ、ウサギギク、ウラジロタデ、タカネスイバ、チシマギキョウ、イワギキョウなど目移りするほど多数の花々が咲き誇っているのを多くの参加者の皆さんと楽しみ、石畳の遊歩道を雪渓残る三か所を遊びながらの通過でした。

 標高2700mの一ノ越山荘では浄土山肩と大日山の間に沈む夕日を眺めます。東方向の後立山連峰方面はガスとれずに展望は利かなかったのですが、夕日だけでも見られたので満足の夜となってくれました。(拡大画像は画像をクリック!) 

イワツメクサ チシマギキョウ イワギキョウ 一ノ越から見る夕日

 いよいよ二日目が本番の縦走でした。雄山への標高差わずか300mばかりの岩ゴロの道に一部足揃わずに難儀して後行程が思いやられました・・・。でも三ノ越からの俯瞰する室堂平は今年残雪多くなかなか絵になって元気組を喜ばせてくれました。
 やっぱり雄山はいつ来てもツアー泣かせの急登です。なんとか時間をかけて雄山山頂です。ここで雄山奥宮神社にお参りもしていただきます。眺望はもうひとつでしたが、初めての山頂の方にはご満足いただけたようです。

三ノ越から室堂平、剣を 雄山神社

 さぁ、これより岩の稜線漫歩を楽しみましょう・・・?、いや足の進まない人もあったりしてなかなかの亀さん歩きでした。二つ目のピークは日本で20番目、立山で最高峰の大汝山3015mです。なんとか山頂に上がれました。さすがに花はないのですが、コバルトブルーの黒四ダム越しの針ノ木、蓮華岳などの展望は天下一品で、鹿島槍や五龍あたりはどうにか見えます。
 でも白馬方面はややガスつき苦しい山並みとなりました。そして大汝山頂から雄山方面を振りかえると昨年発見の御前沢雪渓が広がっていました。氷河の規模は長さ800m、幅200m、厚さ30mとのことです。

 もちろん北側の別山から剣岳はよく見せてくれました。え~、別山ってあそこまで歩くの?・・・、との驚きの声やら期待の声が聞こえます。そうです、別山が終点ではないですよ。左下に見えているテン場から室堂平の雷鳥荘まで行きますよ~と出る声も弾みます。。。

黒四ダム 御前沢雪渓 最高峰大汝山3015m 剣岳手前に別山

 大汝休憩所で一本立てて、今度は三つ目のピークである富士ノ折立を目指します。そのアタック前に分岐付近でお昼としましょうと大きな雪渓を前に今登ってきた雄山やこの先の冨士ノ折立で岩に立つ青年の姿を見ながら弁当を広げます。
 傍らにはわずかにイワツメクサやタカネヤハズハハコにハクサンイチゲなどがガラガラの岩陰に咲いています。そしてわずか15分もしないで富士ノ折立2999m山頂でした。岩の狭い山頂は順番にカメラタイムです。ただ、この山頂では眺望がふさがってしまっていたのは悔やまれました。

冨士ノ折立手前分岐地 大汝山を振り返り昼食 山頂は岩ゴツ

 立山の三つのピークを登り終えた皆さんの笑顔が並びます。でもこれから進む真砂岳手前コルまでの大下りが心配です。一部の方だけだったのですが、やはり心配どおり時間がかかりました、でもどうにか無事に降っていただき、緩やかに真砂岳をやっつけます。
 もちろんその前にも内蔵助カールについても説明します。今年は例年より残雪が多くあり見事な景観が展開されています。もちろん内蔵助山荘の赤い屋根も小さく見えていました。足元のガレ場や礫地にはカンチコウゾリナ、トウヤクリンドウにタカネツメクサなどがまばらに咲いて見せてくれました。

内蔵助カール カンチコウゾリナ トウヤクリンドウ タカネツメクサ

 そうして2時間もかかって富士ノ折立から別山へ到着で別山奥宮に無事のお礼に頭を垂れます。せっかくだからと硯池を右に見て北峰まで案内ですが、間一髪で剣岳が隠れてしまったのが残念でした。この後の少しの稜線歩きを始めるころに小雨が交じってきてしまいましたが、どうにか剣御前小屋前のWCを借りて一本です。

 そして今回最後の雷鳥坂の大下りを始めるにあたっての注意事項を話します。この下山道は思わぬ段差多く、また浮石も続いて手ごわい道だから要注意ですと皆さんを引き締めにかかります。山慣れない方もあったりして、やや苦労される方で時間も要したのですが、どうにか無事に下山してもらい、テン場到着時は雨具もとれてやれやれでした。

 この坂道にはいろいろなお花たちが見られたのですが、とても花を見て説明を聞いていただけるほど余裕はなく、足元注意の繰り返しなど注意喚起ばかりの降り道となってしまいました。クロマメノキ、クロウスゴなど咲き、とりわけミヤマホツツジが多かったようです。さぁ、ほんとの最後の登り坂で今晩お世話になる雷鳥荘へ上がりましょう。

別山奥宮 剣が半分だけ 雷鳥坂下部より チングルマ ヤマガラシ

 山のホテルのような立派な設備の雷鳥荘には地獄谷から引かれた正真正銘の温泉で汗を流して美味しい夕食に舌鼓でした。皆さん熟睡後は最終日のサイトシーイング歩き・・・?、を楽しんでいただきましょう。お花たちはキオン、タテヤマアザミ、クロトウヒレン、タカネヨモギ、ヒトツバヨモギ、エゾムカシヨモギ、ミヤマアキノキリンソウ、イワオトギリ、オヤマリンドウ、シラタマノキ、ワレモコウ、ミヤマダイコンソウ、タカネナナカマド、ミヤマダイモンジソウ、オヤマソバ、ホンドミヤマネズなどやチングルマ、コバイケイソウの群落も見られました。
 室堂平までは立山の余韻を楽しみながら、リンドウ池、血の池などを見て最後は日本一高所のみくりが池温泉下に位置するみくりが池でのカメラタイムに心ゆったりとしていただきます。

 その後は弥陀ヶ原ホテルまで移動してコーヒータイム、お花好きの方にはミニ湿原散歩です。ニッコウキスゲ、イワショウブ、ハナニガナ、シロバナニガナ、モミジカラマツ、タテヤマウツボグサ、マツムシソウなどが咲いていました。暑いこの地の登山者にやさしいとの評判の弥陀ヶ原ホテル内ではソフトクリーム等でのんびりしていただきます。

 そして最後の立山ではお決まりコースの称名の滝見物です。駐車場から滝までの舗装路往復の暑さには参りましたが、展望台まで上がれば四段の全長落差日本一である350mのこの称名滝は見事というほかありません。折りからの暑さに参ってしまった観光客化した方々には橋上で丁度ほどよいミスト効果抜群でした。
 しかし、一番上の展望台より一段下の水原秋桜子の句碑「青雲に わく滝青き 霧へ落つ」に気がつく一般の観光客の方達もどれだけあったのでしょうか・・・?、一番上の展望台と同じところに句碑をおけば皆さんに読んでもらえるだろうにと、私は来る度に思うのは余計なおせっかいでしょうか~♪♪

みくりが池
称名滝
水原秋桜子句碑

 多数のご参加の皆さん、大変お疲れ様でした。ほとんどの方々は余裕でお歩きいただきありがとうございました。今後ともまたお出合いできればうれしく思います。山のご相談等は何なりともお受けしますのでお気軽にメールにてお問い合わせくださいませ。

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