京都西山 小倉山から愛宕山  '12.12.20

 阪急嵐山-嵐山公園-小倉山-落合-米買道-荒神峠-つつじ尾根-表参道-
愛宕山-大杉谷左岸-空也の滝-清滝-試峠-鳥居本-常寂光寺-嵐山 

 久しぶりに米買道を歩いてみようと出かけました。阪急嵐山駅前のバスを横目にそのまま歩き、まずは小倉山を西側から保津川とその向こうの稜線を眺めながらのんびり歩きで296mの小倉山です。ところで、その山頂までに、お正月も目と鼻の先です。この時期小倉山といえばやっぱり百人一首でしょう。
 私はカルタといえば紀貫之の札、「ひとはいさ こころもしらす ふるさとは はなそむかしの かににほひける」子供の頃は、この札を歌の意味もよく知らずに目の色を変えて競い合いましたが・・・、嵐山公園内でこの碑の前に出向いて声を出して歌を読んできました。懐かしいですね、少年の頃の郷愁を誘います。

 そして小倉山山頂でしたが、もちろん誰もいなくて淋しい限りです。すぐに北西に薄い踏み跡を追いましょう。嵐山高雄パークウェイ沿いに細い道を進み、六丁峠から車道をわずかに歩き、落合橋手前を右折して、潜没橋(清滝橋)を渡ったところが、京都一周トレイル西山コース4番の道標地で、ここには立派なジャケツイバラの枝が鬼の金棒に見えます。この4番地から緩やかに米買道を行きましょう。

 ただし、この道は10年近く前だったと思うのですが、つつじ尾根と交差する(今でいう荒神峠)より、長坂谷を下って落合へ出ようとした記憶があります。その頃は今のようにきれいに整備された道ではなかったようで、今でいう「沢渡りの道」という標示箇所あたり?より下が相当な荒れようだったのが強い印象で、それ以来あの道はよそうとなってしまっていました。
 ところが水尾自治会等の方々による米買道等の道整備がなされているのを思い出し、ようやくこのルートへの踏み入れとなったのでした。遅い!!(笑)・・、それにしてもきれいな歩きやすい道でした。中でも可愛い椿地蔵の水場は往時のころより旅人の憩いの場であったことだろうと、いろいろ思いめぐらすのでした。もちろん一口喉を潤わせていただきました。

 そして4番地より35分ほどで、荒神峠(長坂峠)でした。ここは今は四差路で、つつじ尾根は往来が多いようです。今も4人組が先にスタートしていかれました。もっとも昔はこの一帯は杉もなく、京の街が見えたというのですから、今では思いもよらない植林で薄暗い状態となっている峠です。

 さぁ、急登のつつじ尾根突入です。さすがにみなさんは休み休みが多いようです。どんどん追い抜きします。そして表参道に長坂峠より30分ほどで押し上げました。私の本日の山歩きはトレーニングを兼ねています。せめて登りくらいは元気に歩きましょう。足元にはこの稜線に着く前あたりからチラッと雪が出だしていますが、影響はありません。

 そして水尾別れから黒門あたりまでくると雪景色がきれいになってきました。うれしいですね、こんな山景色の頃となったのですね。さぁ、どんどん進みましょう。居並ぶ石灯籠はまだまだ雪の色が薄いようですが・・ 
(拡大画像は画像をクリック!)

黒門 石灯籠の雪

 ようやく愛宕山です、4番地より1時間半ほどかかりましたが、いつものように真っ先に温度計を見ますと-3.5でした。まだまだですね、雪の降ってくれる氷点下の温度になるには更に下がる必要がありそうです。乞うご期待を!!

愛宕神社 -3.5度でした。

 40分ほどもゆっくり昼食を取らせていただきました。常連組のみなさんがストーブの薪を運んでおられます。ありがたくあたらせてもらいます。濡れたタオルも乾きました。さぁ、下りましょう。予定どうり大杉谷左岸を降ります。
 少し下がって京の展望がよくて樹氷も眺めていると、あれ~どっかで見た人ではないの?。。そうやっぱり久しぶりの山友お二人が上がって来られました。「やぁ久しぶり・・お元気~~?。1年以上のご無沙汰でした」とまずはご挨拶です。話し出すとやっぱり長年一緒に歩いた山友はいいですね。すぐに打ち解けて楽しくなります。竜ケ岳まで行くというお二人と別れましょう。寒くなってきましたので、「お元気でね、お友達にもよろしく・・」といって別れることとなりました。

 
樹氷も初お目見え

 この後は下りオンリーです。ゆったり大杉谷左岸をのんびり歩きとしましょう。心はやっぱり先ほどの友達の他のメンバーの方々のことも考えながら歩いているのでした。最後は持つべきは山友だな・・などと考えながら、足元に気がつくと左岸はまたまた道は荒れてきだしているようです。でもマイナールート好みの我にはこれでいいでしょう、と鼻歌でも歌いたい気持ちでひぐらしの滝到着でした。


ひぐらしの滝

空也の滝

 もちろんこのルート最後には空也の滝もありますので、こちらも出会ってきましょう。こうして山歩きと滝は切り離せなくなってきています。そしてこちら空也の滝のコンクリート製の鳥居も立派な姿でした。どちらも鳥居の中で一番オーソドックスといわれている明神鳥居形式です。

明神鳥居 空也の滝前も明神鳥居

 ついでに愛宕の愛宕神社直下にある三の鳥居と、鳥居本にある一の鳥居は主柱を4本の稚児柱で支える形式の両部鳥居といいます。

愛宕神社の三の鳥居 鳥居本の一の鳥居

 清滝に着きました。でもバスは停車していましたが、こちらの予定は阪急嵐山駅まで歩きますので、わき目もふらずにトンネルではなく、上の試峠から鳥居本に向かいましょう。この峠には相変わらず不法投棄が放置されています。マナーが何時になればよくなるのでしょうか?

 観光客もまばらな奥嵯峨化野念仏寺から祇王寺、二尊院に落柿舎を通り、常寂光寺からトロッコ嵐山駅前、竹林の小径突き当りの大河内山荘前を歩きます。さすがに落柿舎あたりから観光客の姿がチラホラと見られます。
 でもせっかくなら、こんな平日の何もない寒空の中を歩かなくても、花灯路のイベントがあった4日前の17日までにくればよいのに、と余計なおせっかいかもしれないけれど・・・、などと思う始末でした。こちらは嵐山公園を歩きながら、一か月前の紅葉が美しかった愛宕山からの嵯峨野歩きを思い出し、今日のフィナーレは人通りのほとんどない渡月橋から小倉山と愛宕山を振り返っているのでした。

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