八ツ 夏沢鉱泉より赤岳を行く '12.10.14~16

 南北に峰々を連ねる八ケ岳連峰の最高峰、赤岳が姿いい。この盟主を目指して爆裂火口の硫黄岳から岩稜累々の横岳を越え、地蔵仏の座る地蔵峠から赤岳を目指すコースがお気に入りだ。もちろん富士と赤岳のツーショットを真正面に歩ける幸せを感じながらのコース取りである。

 今回は桜平から入って夏沢鉱泉から取りつく。わずかに歩を進めてオーレン小屋泊まりである。シラビソ、コメツガなどの針葉樹林帯に囲まれる山小屋で夜は静かすぎて淋しいほどだ。今回の八ケ岳核心部縦走は天候に恵まれ、思わぬ大展望に恵まれたのがうれしい。

 二日目は小屋前からテン場横を進み峰の松目を右に見送って、白砂を敷いたような赤岩ノ頭で森林限界上の稜線である。ここまで来ると目の前に横岳、赤岳、阿弥陀岳が指呼の間で誰もが赤岳を意識することだろう。もちろん、すばらしい!との感嘆の声盛んである。


赤岩ノ頭より主峰の赤岳

 砂礫の道からハイマツの尾根わずかで硫黄岳頂上だ。これより岩礫を敷き詰めたような広くて平坦な頂上も長居する用もない。ケルンを目印に大ダルミへ下って硫黄岳山荘を通過し、横岳の肩の台座の頭と呼ばれる砂礫の斜面を横目に、あ、ここはウルップソウなどの見られる箇所だなと思いながら前進である。

 すぐに岩ゴロの横岳に取りつくが、いつもの調子で難なく横岳山頂だが、小広いといえども今日はやや人多し。しかし、久方の富士山展望グーである。もちろん北ア、中アに南アの主峰たちも山座同定である。(画像クリックで拡大)

赤岳右奥に南アが 稜線奥に富士山 次第に赤岳がそばに近づく 富士と赤岳のツーショット

 そしてほぼ6時間もかけてのんびりと赤岳1等三角点にご挨拶であった。稜線漫歩とはこのことか・・?、それにしても天気と展望に恵まれ、それにもまして健脚で愉快なメンバーに恵まれたのが一番だった。

二十三夜峰と富士 赤岳山頂と阿弥陀岳 赤岳頂上小屋前から振り返る

 もちろん三角点そばでの憩いは楽しい。これぞ360度の眺望が得られたのだ。それなりのコースを何事もなく踏破したみんなの笑顔が自慢気だ。ほんとうにこの上ない喜びとなったことだろう。こちらもこれだけ楽しい道連れができたのも珍しく殊の外感激に浸ったのである。
 もちろん頂上小屋泊まりの夜まで延々と歓談の高らかなる声が響きわたったのはいうにはおよばない。このような山旅の続くことを祈らずにはいられない。

 明けた最終日は文三郎を下り、南沢を歩くだけだから、誰もが征服感からかぐっすり眠れたようで、元気溌剌の模様である。5:50頃のお日の出もすばらしく手を合わせて遥拝。もちろん富士にもネ・・、そして権現岳、三ツ頭、編笠岳に西岳、さらに南に南アの山々もずらりと見渡せた。

甲武信山塊からのお日の出 日の出時の富士山 同じく権現岳、奥は北岳など

 直下の岩場も難なく降りてもらい、行者小屋の一本で赤岳を振り返って見上げ、すばらしい山旅だったよねと早くも下山したかのような声も聞こえる始末だ。山を愛する人は気も早い。(笑)そして行者小屋より南沢を歩き、林道を八ツの玄関口である美濃戸口まで3時間で回送バスへ乗ることができた。皆様お疲れ様でしたネ〜。

 さぁ、来年はお花いっぱいの日本百名山コースでお会いしましょう。7月下旬に「南アの悪沢〜赤石岳」、それに8月お盆すぎに「鳳凰三山縦走」にも是非わたし田中明とご一緒しましょう。


 なお、最後に汗を流した原村のモミの湯の庭や帰りの田んぼの畔にもきれいに紅色の花が咲いていましたね。調べるとヨーロッパ、北アフリカ原産のユリ科コルチカムという園芸種のようです。和名はイヌサフランともいわれているそうです。そしてこの球根にはアルカロイドが含まれており、有毒のようですからご注意ください。

コルチカム(ユリ科)

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