京都西山  クリンソウの西山古道  '12.5.14

 

善峯寺-京青ノ森-展望台-柳谷観音-立石橋-西山キャンプ場-野山梅林-光明寺 

 予報を見て今日しかないとクリンソウ目当ての西山古道トレッキングです。いつもの西国札所20番の善峯寺前を9:10スタートで、本日のお目当てクリンソウの開花を楽しみの花巡り、ゆったりいろいろなお花を観察しながらの超のんびり歩きで楽しみます。

 ポンポン山登山口兼用の取りつきからタニギキョウ、ヤブジラミにコウライテンナンショウが見られます。釈迦岳からポンポン山への道も右に分けて、今日は左への水平動へ進みます。そして登山口より半時間ほどで白糸の滝が最初の花見箇所でした。

 名前負けする小さな滝周辺にはコチャルメルソウ、タチネコノメソウ、よ~く見るとなんとか残花らしきものが見つかりました。(↓右画像)、それにこの種の名は現場で悩んでしまい、帰宅後調査の結果、チシマネコノメという種らしく?、これは私には初見のものでした。
 咲いていたところでは、いつも見ているポンポン山のニッコウネコノメは葉の感じがもっと汚れ気味の感じで、それに比べてあまりにも葉がきれいすぎます。「花序同志はや接近してつき、ひとつの茎にひとつの花が咲いているように見える。」とも図鑑解説にもありますが、そのようには見えませんね。そんなことからやっぱり納得いかないのでnetで確認したところ、ニッコウネコノメではないかとのコメントでした。したがって確証はないのですがニッコウネコノメと判断して訂正させていただきます。
 もしこの画像をご覧になってご意見のある方はご一報いただけるとありがたいですが・・

     
 白糸の滝(表示あり)・・・笑    ニッコウネコノメ *

  *ニッコウネコノメ=イワボタンの変種、葉は対生、萼裂片は緑色~黄緑色で斜開~平開し、雄しべはふつう8個で萼より長く、葯は暗紅紫色で、東北地方南部から中部地方?、四国。主に太平洋側、なお、この種は京都西山山塊においては、ネコノメソウ類の中で遅めに咲きだし、一番遅くまで見られるようです。

 その他ではミヤマハコベ、ミズタビラコ、オオバタネツケバナ、キランソウが咲いています。そばには多くの実をつけたミヤマキケマンも花はわずかとなっています。かたわらにはサワギクも開花スタンバイ完了で一雨くれば黄色い小ぶりのお花を見せることでしょう。

 滝より15分ほどで今日のお目当てクリンソウ地でした。お~咲いている!ではあ~りませんか・・・。この地のクリンソウ満開時は初めてでした。お花の群生はどんな種でもうれしくなってしまいますネ~♬、画像クリックで拡大画像をご覧ください。

  

 お花が咲けば虫たちがよってくるように、人もよってきます。みなさん、それぞれ喜々として楽しまれています。お互いに心穏やかにし、この至福の喜びを共有できる山の小さな空間が大好きです。写真を終えると誰もいなくなって半時間ほども傍らのベンチでお花畑を眺めながら瞑想に耽っていました。

 さて、本日の目的は終えました。古道歩きを再開です。でもこの後にはマムシグサが咲き初めのようです。止まってばかりでなかなか足が前に出ません。テンナンショウの仲間も全国には多数見られます。今回は3種ですが個体数はあちこちに多数咲いていました。わずかな相違点をチエックしながらの歩きも楽しいものです。。

 ◆コウライテンナンショウ(サトイモ科テンナンショウ属)

 ◆マムシグサ

 ◆ミミガタテンナンショウ

 途中の展望台からは送電線越に東山連峰が真正面に見えます。でも今日はやや霞んでいました。左から蓬莱山、水井山、横高山に比叡山、そして右にいって音羽山と千頭岳などのパノラマがなんとか見られました。

 尾根歩き終盤にクロバイ(ハイノキ科)という比較的馴染みのない樹木があるのですが、高木のためにちょうど花時なのに逆光でよく見えないのが残念でした。そして最後の下りあたりにはこれまた高木のタマミズキ(モチノキ科)がありますが、これもいつも気になる木でもあります。今年こそはどなたにでも秋から初冬にかけて真っ赤な果実時に見てもらえるように、最後の周辺雑木整理をやるつもりです。

 柳谷観音さんへ鹿除け金網を出るあたりには野の花も楽しめます。ニガナ、コウゾリナ、コメツブウマゴヤシ、ヤブニンジン、オヤブジラミ、キツネノボタンにウマノアシガタが満開で、なぜかほとんど黄色いお花ばかりのようです。近くにはモチツツジもきれいに咲きだしています。

コウゾリナ コメツブウマゴヤシ オヤブ゙ジラミ キツネノボタン モチツツジ

 

 尾根をいったん下って京都西山三山ふたつ目の柳谷観音さんの楊谷寺で昼食休憩とさせていただきます。この寺は毎月17日が縁日で善男善女がお参りされるとのことです。また近年は毎年6月下旬の土日にあじさい祭りも行われているようです。

 また山中へ戻って古道歩きの再開ですが、この時期の尾根にはモチツツジの咲き初めくらいで見るもの少なく、期待は谷沿い歩きです。それも十人橋あたりまででしょう。キランソウ、マムシグサにサンショウソウ、ミヤコアオイ、それにタニギキョウはいっぱいです。そしてスミレの中では遅咲きで知られるニョイスミレだけが終盤ながら多く咲き残っていました。またウマノアシガタも満開です。

サンショウソウ ミヤコアオイ タニギキョウ ニョイスミレ ウマノアシガタ

 そして歩き始めてから4時間半近くもかかってようやく立石橋でした。土砂崩れのあった立石林道もほとんど整備されています。この林道の間はたくさんのお花が咲いていたのですが、度重なる役所の必要もない工事によって植物はほとんどなくなってしまっています。
 それでも今日はクマイチゴ、ニガイチゴの実などや色鮮やかにきれいに咲くムラサキカタバミ、ジシバリが咲き、晩夏から初秋に咲いてくれるヤブマオの葉を発見するなど単調な林道歩きもアクセントをつけながら歩けます。

クマイチゴ ニガイチゴ ムラサキカタバミ ジシバリ ヤブマオ

 林道終点奥の西山キャンプ場から反対向きに進みます。でも最後の野山梅林への登りとなり、疲れた足どりは重いのです。。フゥ・・・

 今ではほとんど手の入らない梅林は肥料のせいでしょうか。マツバウンランが大群生で風に揺られています。そして植栽のホオベニエニシダも大きく成長してきれいな花を見せてくれています。以前この梅林に咲くキツネアザミの群落に心ときめかせたのを思い出していましたが、今回は1本も姿はありませんでした。。もうひとつの完全に荒れ放題の梅林ちかくには、これまたあまり目にしないヤマナラシも気になります。

マツバウンラン ホオベニエニシダ ヤマナラシの木肌 ヤマナラシの葉表 ヤマナラシの葉裏

 そしていよいよ光明寺へゴールでしたが、5時間40分ものんびり歩きとなってしまいました。笑

もみじ参道 光明寺正門 光明寺の謂われ

 光明寺に着いて新緑のもみじ参道をゆったりと散策した後は、門前のお休み処でのんびり休憩とします。ポンポン山毎日登山の人たちも下山です。顔見知りともばったりで、しばしの山談義に花を咲かせます。
 このように西山古道は麓の住人には打ってつけの里山歩きが楽しめます。これからも末永くお付き合いさせてもらえることでしょう・・・・・。

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