南越   文殊山  '12.4.10

北鯖江-酒清水-橋立山-奥の院-文殊山-小文殊山-半田コース-大土呂 

 

 春爛漫を迎え、花の山旅に明け暮れておりまして、HPのUpが遅れ気味となりだしました。・・・
この日は全国的に晴れマーク。満を持して福井県の鯖江市にあり、越前五山のひとつでもある文殊山に登って花三昧の山でした。越前の365mの低山ですが、お目当てのスプリングエフェメラルの代表カタクリの花が咲き乱れる嬉しい山歩きとなりました。

 山上からも真っ白な白山なども見え、お花と展望に酔う一日でした。それにしてもこの山も6回目にしてようやく念願のカタクリの超満開時に出会うことのできた喜びは、今年の各所のカタクリ見物の中で一番の山となりました。

 

 随所に出てきて度重なる踏みつけるほどの群落地のカタクリなのですが、その中でのさらなる喜びは白花のカタクリにも出会えたことでした。


 大群生のカタクリもすごかったのですが、この植物相豊かな文殊山はカタクリのお花だけではありませんでした。スミレ類、ヒロハアマナも咲き、とりわけネコノメソウの仲間であるホクリクネコノメソウの大群落にも酔いしれました。ただ、この中にはサンインネコノメソウと思えるネコノメソウもあったりして、同定はなかなか容易ではありませんでした。

 

ホクリクネコノメソウ(ユキノシタ科) 

 特に全国に多数あるネコノメソウ類は極めて同定しにくい部類と思われますが、私なりに分類は次の要領で見分けることとしています。

 サンインネコノメソウ・・・萼裂片は直立し淡褐色、葯は8個、暗紅色でオシベは萼裂片より長く突き出ている。高さ約10cm。茎は暗赤色を帯びる。
 ホクリクネコノメソウ・・・萼裂片は直立し淡緑色、葯は8個で暗紅色でオシベは萼裂片から長く飛び出す。高さ約10cm。茎は暗赤色を帯びる。
 ボタンネコノメ・・・・・・・・萼裂片は直立し暗紅褐色、葯は8個、赤褐色でオシベは萼裂片より2/3くらいの短さ。高さ約10cm。茎はやや褐色を帯びる。
 アカヒダボタン・・・・・・・・萼裂片は直立しくすんだ赤褐色、葯は8個、黄色でオシベは萼裂片と同じか少し短いくらい。高さ約10cm。茎はやや褐色を帯びる。

 ただ、トキワイカリソウは開花が遅れているようでしたが、この種もあちこちで見られそうですから開花が始まると見応え十分なことでしょう。さらにイワカガミも葉が相当ありましたので、こちらも照準を合わせると楽しい花歩きができることでしょう。それぞれ画像をクリックすると拡大画像が見れます。

 まずはカタクリの群生は各所にそして白花カタクリも、ホクリクネコノメソウ、群生の様子です。

 続いてスミレ類ですが、ナガハシスミレ(別名テングスミレといも)、オオタチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレ、スミレサイシン、アオイスミレ、山陰型タチツボスミレなどが見られました。

 さらに山野草いろいろで、順にセントウソウ、シュンラン、ニシノホンモジスゲ、エンレイソウ、オウレン、ヒロハアマナ、ヤマエンゴサク、ショジョウバカマの群生達です。なかでもオウレン、ヤマエンゴサクはほとんど盛りを過ぎていたようです。そして最後はキクザキイチゲ達も満足させてくれたのでした。

 もちろん山野草ばかりでなく、樹木花ではタムシバに、表参道で植栽のコブシはまだでしたが、桜類は楽しませてくれました。その種はキンキマメザクラ、オクチョウジザクラです。マルバマンサクは終わっていましたが、アブラチャンもありました。

 まず近畿地方など日本海側に分布するキンキマメザクラです。この桜は葉の展開前または葉の展開と同時に咲くグループの桜ですが、特徴は下向きに咲き、花色は白色または淡紅色で花柄、萼はほぼ無毛なこと、メシベの柱頭がオシベより長く突き出ることなどです。密腺は葉身と葉柄の境目付近につきます。

 続いてオクチョウジザクラは青森県から滋賀県などの日本海側に分布します。これも前記の種と同じく葉の展開前または葉の展開と同時に咲くグループの桜です。したがってこの山域では両者とも見られるということです。
 その特徴は花色はやや白っぽい色で咲きますが、キンキ・・のように一斉に揃って下向きには咲かないようです。花柄は開出毛があります。葉柄には毛が密生し、密腺は葉身の上端か葉柄の基部につきます。

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