花の利尻山と礼文島’09.6.30〜7.2 連日小雨

北麓野営場-甘露泉-長官山-避難小屋-利尻山-往復コース

 初日は飛行機などでの移動日で、二日目にリシリヒナゲシ、ボタンキンバイが見たいと利尻山1719mを目指したが、生憎の小雨模様とお花の開花が遅れ気味でどちらも出会うことができなかった。まして雨降りの中をかろうじて八合目の長官山から利尻山が見えたのを写真に収めただけである。
 もちろん前回の6月13日でもまったくそれらの花時でなく、その時にはかろうじて礼文島でレブンアツモリソウに出会っただけであたっがその時も雨ばかりで写真は撮れなかった〜・・シュン、でも今回はなんとか画像を得られたのでよしとしよう。
 しかし今年ほど6月の雨に泣かされた年は珍しい・・

 

 そんな雨模様の中だったが、登山道の最初にはミヤマキンポウゲが左右の草むらを黄色に染めるように咲いていたのが印象的だった。
 少し登るとヤマブキショウマがずっと咲き前回のゴゼンタチバナの大群落と様子がまったく変わっていた。エゾノヨツバムグラは前回と同じく小さな白花を見せていた。さらにウコンウツギなどが見られる標高にくるといろいろなお花が咲いていた。以下のお花たちは前回は一部しか見られなかったのだ。
ミヤマオダマキ、イブキトラノオはまだつぼみだったが、エゾタカネヤナギ、ミヤマアズマギク、チシマフウロ、ジンヨウスイバ、シコタンハコベ、イワギキョウ、チシマヒョウタンボク、ミヤマハンノキ、ミヤマオグルマ、エゾノイワハタザオ、エゾノハクサンイチゲ、ミヤマクロスゲなどを見ながら、いよいよ頂上近くなると例年なら満開のはずのエゾツツジはつぼみだったが、キクバクワガタ、チシマイワブキ、エゾノツガザクラ、チシマキンレイカ、ミヤマハタザオ、イワウメ、イワヒゲなどがガレ場に小群落を見せてくれた。

 

香深井除雪センタ前-宇遠内分岐-礼文滝分岐-レブンウスユキソウ群生地-元地側入口

 三日目は当初予定のスコトン岬から澄海岬までの4Hコースを風雨強しと心配して、礼文林道コースに変更して花巡りを楽しみました。
 これが大当たりでした。というのも地元の写真家?に教えてもらったスズムシソウでしたが、帰宅後調査の結果昨年新種として発表されたシテンクモキリと判明したのです。

 シテンクモキリ(ラン科)花のアップ

 葉の部分アップ

 全体 茎の高さ約20cmくらい

 シテンクモキリ(ラン科)は2008年3月、堤 千絵、遊川知久氏によって日本植物分類学会で新種発表されたとのことです。
 中部地方〜北海道の明るい林床とか湿った場所に生える高さ10〜25cmの多年草。今回もまさにそのとおりの場所に咲いていました。
 確かにクモキリソウ、スズムシソウなどに似るが、どうも判然としないためさらに調べていく内に、唇弁の色や形、側萼片の巻き方や幅などが違うようなためスズムシソウでもクモキリソウでもないと判断しました。
要するに唇弁は緑色、中央の溝に紫点があるのが特徴のようです。

マルバトウキ(セチ科)右は葉の部分
コケイラン(ラン科)右は葉の部分
サイハイラン(ラン科) オオタカネバラ(バラ科)
ヤマハナソウ(ユキノシタ科)右は葉の部分 左は小さなお花のためまたしても撮影失敗でした・・
レブンウスユキソウ(キク科)群生地今年多数開花 レブンシオガマ(ゴマノハグサ科)

 

礼香寺下-レンジャーハウス-桃岩展望台-金梅の谷-ツバメ岩-元地灯台-知床集落

 最終日は礼文島の花の白眉である桃岩歩道の標準2Hコースを倍の4Hもかけてのんびりゆっくり花巡りを楽しみました。
 前回はシャク、レブンキンバイソウ、レブンコザクラ、クロユリ、カラフトハナシノブ、ネムロシオガマ、センダイハギ、ハクサンチドリなどが満開でしたが、今回はこの内でレブンキンバイソウ以外はほとんど残花も見られませんでした。

レブンキンバイソウ(バラ科)はまだまだきれいにいっぱい咲き残ってくれていました。
チシマフウロ(フウロソウ科) レブンシオガマ(ゴマノハグサ科)もあちこちに
エゾカンゾウ(ユリ科) スカシユリ(ユリ科)は一株でまだまだこれから
ヒオウギアヤメ(アヤメ科)文目模様の斑 お花畑を行く
海岸を見下ろしながらのお花畑 元地灯台は50年前から今も現役です・・

 ツタウルシ、ツルアジサイ、タカネナナカマドやチシママンテマ、オオハナウドなど沢筋に咲くお花を見て、レンジャーハウス一帯ではレブンシオガマ、センダイハギ、オオカサモチが咲き、桃岩展望台ではあたり一面のガスによりすぐ目の前の桃岩そのものまでもまったく見えない有様にはもう何おかいわんやのシュンタロウで・し・た・・・

 でもその後の遊歩道にはお花畑一面がきれいでみんな楽しげな顔つきが並んでいました。ヒオウギアヤメ、ギョウジャニンニク、ミヤマキンポウゲ、エゾノシシウド、オオカサモチなどが豊かな咲きっぷりを見せ、圧巻はレブンキンバイソウでした。もうきれいを通り越しこれぞ感動の花の浮島に礼文色、満開でした。

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