甲州清八山と本社ケ丸’09.2.8 晴れ強風

笹子-追分-東電東山梨変電所-清八峠-清八山-本社ケ丸-角研山-鶴ケ鳥屋山-近ケ坂橋-初狩

 今回の富士展望の山歩き4日目の最終日を予定どおり迎えることが出来た。今日の行程は16kmでややロングであるが、最終日で足も相当疲れがきていることもあり、さらに最後の鶴ケ鳥屋山を越えると三ヶ所の激下りが待っているのを知っているためにじっくりと歩こうと心に決めてJR笹子駅を7:30に出発した。 

笹子駅から登山口まで1時間15分これより山道 登山口より40分でベンチ展望台、大菩薩連稜が
右奥に続く、手前左の鋭鋒が笹子雁ケ腹摺山だ

 三日間歩いて残雪はまったくなく、アイゼンは宿に置いてきたが、どっこいここの標高はこれまでの山と違い、1500mを越えていることを忘れてしまう大ミステイクがベンチ展望台あたりで判明することとなった。残雪がパンパンに凍結し登山道はアイスバーン化となっている。
 でもここでもう引き返せない。道の上の斜面の雪のない箇所を選びながら、何とか峠から清八山の登りをクリヤーしたが死にもの狂いの状態であった。
 もっともこの道を下りの予定にしてはいないことからとホッとしてその後の行程をこなすことができたのは不幸中の幸いでもあった。2月の山歩きにアイゼンを抜くとは遺憾千万であることを肝に命じた。

 清八山一帯まで来ると台風のような強風が暴れまくって、ゴウゴウと響きをたて樹木が風切る音やさらに回りの樹木がなぎ倒されるのではないかと恐ろしくなる。でもこの強風のお陰?なのか清八山(1593m)へ着くとすばらしい白銀の富士が待ってくれていた。

清八山はこれまで何回通過しているだろうか。ここから初めて
の雄大かつ堂々の冨士山を目にできた。

 

左大幡山の山裾の向こうに河口湖の街が見える 左御坂黒岳、右劣峰が釈迦岳その向こうに南ア

 誰もいない小ピークの清八山を辞してわずかの下り道だが凍結の坂道を冷や冷やもので清八峠へ戻り、こんどは本社ケ丸へ岩場を歩くこととなるが、お陰で凍結は緩くなんとかやり過ごすことができた。

本社ケ丸手前の露岩から見る。アンテナ群は三ツ峠だ。
ここからも南アルプスの勇姿たちが勢ぞろいである。

 そして笹子駅より本社ケ丸(2等三角点1631m)には3時間10分で到着だ。ここでも強風が情け容赦なく吹き付けている。でもこれが冨士山だと喜びいっぱいの360度の展望がうれしい。

左に三ツ峠の電波塔が見え、冨士山は輝ける頂で、これぞ秀麗富嶽であった。

 

左より南アがずらり、中ほど右は八ケ岳でその右は金峰山たちが並ぶ
 

 本社ケで強風の中を避けるように南側の一段低いところを確保して1時間の大休止とできた。この大展望を見ながらの昼食は最高のご馳走となり、これぞ時間の忘れるほどの心地よさだった。

 大満足の本社ケを辞してこれから2時間ほどの稜線漫歩をやろう・・。40分ほど歩くと鉄塔広場で宝鉱山跡への分岐であるが、このあたりまでくるとあれほど強かった風も弱まり笹原で一本立てることとした。

 さらに10分ほど進むと笹子へ下る道を左へ分け、角研山のピークだがここは展望はない。また笹子への道標もまったくないが、踏み跡は意外としっかりついているようだ。
 問題はその後の無名のピークから南の尾根に下りやすいが、ここは反対の東北側へのコース取りとなるので注意したい。何を隠そう、今回のコースでここだけうっかり100mほど下ってしまい、やむなく山腹の枯葉埋まる斜面を無理やりヤグラ跡まで向ってしまった。 

 ヤグラ跡からすぐにまた笹子へ左へ下る道はしっかりと道標が立っている。ここを直進して25分で鶴ケ鳥屋手前の展望地に上がると歩いてきた本社ケ丸とその後の稜線が見え、南西寄りには冨士山がぽっかり見下ろしている。 

歩いてきた本社ケとその稜線 三ツ峠の左に冨士山が逆光で浮かび上がる。

 この展望地でしっかりと富士を目に収めた後は10分ほどの最後の登りをやると本日最後のピークである鶴ケ鳥屋山(3等三角点1374m)である。結局本社ケからゆっくりと歩いたので2時間で到着であった。

 

鶴ケ鳥屋山の山頂は北側の展望に苦しい 南側にはこの見事な富士が見納めとなる。

 ここでは南側の樹林がややうるさいが最後の冨士山は左裾野を長く伸ばしている姿が印象的であった。さすがに14時ころで誰も姿はない。

 でもこの後に終着の初狩駅まで2時間を要する道に3ヶ所の激下りがあるため、より慎重に下ることとしたい。こうして本日16kmのコースを無事に8時間40分で歩いたが、これで4日間9座の秀麗富嶽十二景をエンドとしょう。

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