京都北山 雪の雲取山 ’15.2.15 曇りのち小雪

 花背高原前-寺山峠-公団巡視路-ハタカリ峠-雲取峠-雲取山-一の谷右岸尾根-Ca870-一の谷出合-寺山峠-花背高原前

 花背高原前のバス停を降りるとすごい人、13人のグループが同じバスだったが、別に貸切バスの40人の団体も同時刻に到着で、ともに寺山峠から北へ谷筋より雲取峠に上がり、山頂を目指すという。降りも両方ともが二ノ谷から一の谷へ周回するらしい。

 当然こちらはその前にスタート(9:20)である。それにしても雪は多いが、前日の土曜日も相当登ったようで、足跡はそのまま残っている。しかし、谷から直角に右折地点でもうシューをつけた。寺山峠は四差路それぞれ人が入っていたようだ。
 私はいつもの公団巡視路を北東側から緩やかに踏む。もうそろそろ、この稜線歩きルートもやめにしようと思いながら進めば京産大の小屋が見えた。トレースは北への高みに行っているが、私は小屋へ寄って一本だ。
 壁が黒っぽく塗り替えられていた。それにしても室内は片づけられたのだろうか。以前タニウツギの真っ盛りのころに立ち寄った時には、ドアが開いていて中に入れたが、その時には無整理の散乱状態で、とても使用されている状態ではなかったのだが・・

 
京産大ワンゲル部の凌雪荘

 小屋より西にショートカットし、すぐに縦走路のトレースに合すが、このあたりから西向きに向かうためなのか、はたまた地蔵杉山に北西の風がぶつかってなのか、いつきても雪が多い地帯となる。そして北風とともに小雪が横殴りとなってきた。パーカーで歩いていたのだが厳しく冷えだした。樹林の影で帽子の下へ目出し帽もかぶって、それにゴアの上着もレイヤーしよう。もちろんオーバー手袋もだ。
 その先で急坂を降って登り返し、北への尾根である「昭和63年国体コース」取りつきあたりを西向きにやや下るとあるハタカリ峠の標示をようやく確認して稜線歩きが始まる。先ほどまではトレースを漫然と追っていたのだが、次第にはっきりしなくなってきた。やや緊張の面持ちで進むこととなる。


ハタカリ峠あたりは雪深い

 どんどん、またまた強烈な北風に見舞われる。トレースは稜線上だから完全に消えてきたが、雲取峠は近くなったためにどんどん前進しよう。すぐに降りとなってあたりは真っ白な雲取峠(11:00)に着いた。しかし、目と鼻の先にあるはずの京都府大の小屋もまったく見えない。
 それになかなかの風の通り道で寒さで止まってはいられない。夏道方向を目にするも白銀が深そうな様子で、これなら私の進む方向は一の谷右岸尾根へのほぼ取りつきとなり、その先には本来なら展望地がある左方向へ取ってなだらかな登りとしよう。


リョウブの木に着く雲取峠の標識

 峠から南西よりに少し登ってすぐに雲取山方向の西へ駆け下りである。あたりは白くて寒くてデジに手はいかないが、ひと山越すと15分で雲取山(911.1m)へ到着(11:15)となった。狭い山頂にはなぜか昨日多くの方が登って踏み荒らした跡がそのまま残っていたが樹林の中だからなのだろう。
 でも三角点は埋まってしまっており、こちらも寒さに参って、そんなのにかまってはいられない状態だ。三ノ谷への薄すいトレースらしきものはあったが、左の南方向への二ノ谷へはまったく昨日も歩いた形跡はなかったように見えたのだが、ほんとうに誰も昨日二ノ谷へは下りの登山者はなかったのだろうか。


雲取山

 昼食の予定は少し引き返し、先ほどわずかに踏んだ方向の先にある展望台地でと考えてはいたのだが、これだけ風強くて寒く展望も皆無なことから、雲取山頂から約20mほど戻った東向きの一段下がった窪地を見つけてここで昼食としよう。
 そして、久方の鍋で暖ったまろう。予報ではこれだけ天候が悪いとは思ってはいなかったので、重かったが鍋を担いだのはラッキーであった。本日はいつもの二ノ谷から芹生、貴船口までのロングは考えていないために、バス時刻(14:58)の花背高原前発に間に合えばいいのだから超ゆっくり昼食ができる。どんどん暖ったか鍋をつつこう・・。

 
ただ今、炊いてます~、この後も小雪が・・

 私が食べ出してしばらくしてから半時間ほどで、40人の団体さんが到着された。最初に歩くリーダーさんたちは一段下がった私に声かけし、「スタート地点で会った方ですね。早いですね。温ったかくなれていいですね。」とお元気の様子だったが、その後に続く方々はこちらに気がつく余裕もなさそうな人が多かった。
 しかし、これだけ多い人数だと、ここまでのアップダウンで相当苦労された様子が手に取るように分かった。それにしてもこれだけ大所帯のメンバーをよくも谷筋歩きで、ここまで歩く計画はやや無謀ではなかったのでは・・・と、また、この後の雪の深いノントレの二ノ谷から一の谷への登り上げに大丈夫だろうか、と考えるのであった。でも、よほど元気な山の会の人たちなのだろう。と思うことにした。そして腕(12:20)を覗いて、やや、休みすぎたかなと腰を上げるほどであった。

 この後は少し戻って、展望台地から一の谷右岸尾根を行こうと山腹に上がれば、こちらのトレースより先、さらに展望台地から先にも跡がある。やや、これはどうしたことか、この尾根を踏むようなマイナールートを歩く方は少ないはずだがと考えながら、展望台地も素どうりで尾根のトレースを追っていこう。
 でも、おかしい、このトレースの感じからひょっとして13人のメンバーではなかろうか・・?、などと思いながら、目印の古木の倒木が目に入った。これが私にとってのCa870の目印である。これを過ぎればすぐで東に小さな急坂続く小尾根へ左折である。

 先の踏み跡は相変わらず南へ下る尾根芯を進んでいる模様だ。道間違いでないのなら、そのまま南へ降って一の谷出合へ降りるのだろうか。でも、本日雲取山へバスで入ったのは私以外にはバス組だけの二つの団体だけであろう。マイカーでの先行者はいなかったハズである。とすると13人しかないが・・・?

 私は道なき小尾根を予定どうり下山である。降り始めてすぐに古木の杉の大木があり、よしよしこれでそのまま東へ降れば一の谷出合手前だなと10分もかからないで谷へ着地であった。沢の向こう側には53人の踏み跡がしっかり残っていたのはいうまでもない。

 
小尾根上部にある杉の大木

 歩を右の西南西へ振って、すぐで一の谷出合の看板から東南東へ10分くらいで寺山峠(13:48)であった。これより朝歩いた道を降るだけである。スキー場跡地あたりまで降りてくれば鹿を狙うハンターの方々が空気銃を持ってうろつき、猟犬も何匹か走り回っていたが、どうやら獲物は不発に終わったようだった。

 花背高原前に到着(14:10~58)したが、人の姿もなく静かな山村風景を眺めながら近くの軒下をお借りして汗びっしょりの着替えをさせていただいた。もうやがてバスが来るのだがと時計を見て13人は最終便なのだろうかなどと考えれば、ドタドタと10分ほどの発車前に下山されてきた。

 「山頂は無事に踏めましたか。」とそれとなしに声をかけると「残念ながらダメでした。ひとつ手前の尾根を降りてしまいましたので・・。」とリーダーらしき方が苦笑いだった。「やっぱり一の谷右岸尾根を降り、立命大小屋へ下山したんですね。」
 「そうです、そこで昼食とし、一の谷を辿って戻りました・・・。小屋では40人の団体もいました。その後は一の谷から苦労して帰ってこれました。」との言葉で、「でもバスに間に合ってよかったですね。雲取峠まで上がったのであれば、私のトレースを追ってもらえればよかったのに・・・」と話すも後の祭りだった。

 それにしても、雲取峠から雲取山へのルートを間違えるか・・・?、私はその間を15分で山頂だったのだが、それにしては雲取峠まで谷筋をよく進めたもんだが・・・?、そうか、40人の後を歩いたか、先に歩き始めたが、途中でうろうろしている間にしっかりしたリーダーらしき40人組に追い抜かれたのだな・・とバスの中で疲れてぐったりのその中のメンバー横で私は考えるのであった。

ホームヘ