比良野街道からの釣瓶岳’15.2.7 晴のち曇り

JR堅田=細川バス回転場-野街道-P886-比良縦走路-釣瓶岳-ナガオ-広谷-イブルキのコバ-ダケ道-JR比良 

 地図を眺めていると釣瓶岳より西北に伸びる尾根が目についた。堅田から細川へのバス便終着の回転場より徒歩10分で野街道バス停あたりだが、バス停よりやや手前に民家への車道取りつきに入ろう。実はこの取りつきは鯖街道の野街道というバス停から比良側を見上げれば、R367より一段上に民家への道路が見える。この車道を最奥まで詰め、民家のそばを通うらせてもらうと杉林の末端に上がれる。この尾根はまさしく野街道尾根だろうとかってに命名しよう。(笑)

 今回は実は3日前の細川八幡谷右岸尾根からの天空の霧氷尾根を楽しめたことから、二匹目のドジョウを狙って、今日はその尾根より一本北側を目指したのである。さぁ、その展開は如何なるや・・・?

 この尾根、私は初ルートのための期待が多いに楽しめるハズである。ネット上でもレポが二点しか見つけられなかったので、一層の予感が膨らむ。ところが、民家そばの小道を入れば、もう取りつき地点に赤テープがあるではないか。エ~、こんなマイナーな尾根にまでテープがつけられるほど人が登っているのか・・と早くも期待が裏切られた感じである。でも、結局このテープは600mあたりで終わってくれていたのがせめてもの慰めだった。

 それにしても今回のコースもそれなりに急登が前半部分へ頻繁に登場してきた。だが、一人旅だ、タイムトライアルな歩きはせずに自然観察が主体の我が道をいこう。時は気にせずゆったりペースで今日も楽しもう。ところが今日は3月中旬くらいのバカ陽気らしく、汗かきにはつらいものがある。こんなに暖かければもう一つのお目当てである上部での霧氷見物もいたしかたなかろう。

 取りつきは300mからであったが、植林帯はよく整備されているようで、今でもその作業が続いているのだろうか。これなら無雪期でも薄い作業道がありそうな感じでもある。今日は鹿の踏み跡が作業道らしき所に続いている部分もしばしば見られたようだが、さて、古道の存在は如何に・・である。
 でも、稜線の縦走路までの間には18年前の古い登山地図では500mあたりまでは細川方面よりアラ谷を横切り、急斜面を東方向に向って登り、500mあたりから尾根芯をP886手前の850mあたりまでに破線ルートの古道らしき標記があったようだが、今回雪道のためにそれらしき道形はまったく確認は不能であった。

 植林帯までの中にも大木のナラや松などの枯れたものがあちこちに立っていた。多分境界線上に残されていたのだろう。でも、大樹の下に美草なしといわれるように、植林帯では植物たちの自然の営みはかき消されているのはやむを得ない。だが、それにしても、この山林は珍しくきれいに揃った状態で杉や檜の植林が図ったように林立しているのが特徴的であったが、野街道の先人たちは律儀な人たちが多いのだろう。これまで、あまりに無造作な植林帯を歩かせてもらうことの多い山歩きだが、これだけきれいな等間隔な植林はすばらしく律儀なように思えたのである。

 しかし、ほぼ700mあたりからは自然林となってきたので、雪の重い斜面だが楽しみながらの時を得よう。そしてP886あたりは若いナツツバキが二本立つあたりだっただろうか。白銀の続く900mを越えると、地形図では等高線がそう混んでいるようには見えなかったのだが、また覆いかぶさるような急登が出てゲンナリくる気分だ。この気持ちはこのあたりまでで2時間以上格闘してきた証で、疲れ切った状態の時間帯であれば、少々の坂でもこのような気分になるのではと勝手に自らをなだめることとしよう。

 北東側の尾根は朽木栃生からイクワタ峠へのコメカイ道だろう。峠のあたりは真っ白だ。少し上がれば北へ蛇谷ケ峰も頭を見せてくれた。もちろん、こちらの目の前も雪野が原が広っがっているではないか。すばらしき景色のこの場に初めて踏み込んだ己の脚にも万歳と叫びたくなる気持ちを抑えきって、目の前となった比良縦走路目がけて元気がもらえたようだ。そう、たださわやかな感を想うばかりであった。お目当てであった天空の霧氷は気温上昇によって溶けてしまっている。人それぞれ、なかんづく霧氷もそれぞれだろう。二匹目のドジョウはいなかった・・・  

     
 北へ蛇谷ケ峰も   霧氷・・二匹目のドジョウはいなかった 

 ほどなく、モンスターのような雪樹間に動きがあるのは、どうやらイクワタ峠北峰方面から縦走してきた人のようだ。エ~、今日は日曜日だ、やっぱり稜線はトレースありだな。そういつまでもノントレーを楽しむことは無理というものだ。と思いつつやっとのことで、縦走路到着で野街道尾根とはお別れとなったのだ。さすがに目前にはモンスター気取りの面々が並んでいた。

 
稜線の杉が・・

 しばらくのんびり雪庇の絶景だが、こちらも今日の暖かさでやや間延びのような雪庇らしき景色だった。でもブナの古木に交じるバラ科ナナカマド属のアズキナシなどの大木の姿を楽しもう。ちなみにアズキナシは比良では5月中~末頃に咲かすが、純白のきれいな可愛いお花で、↓一番右画像を見ていただきたい。
 実はこのあたりの彷徨は無雪期ばかりで、このような多雪のころの踏み入れは記憶になくて、動顛せんばかりの雪とアズキナシたちの花時を思い出しながらの景色であった。アズキナシにまつわるいろいろな植物小話は今年の花時や果実時に別途書きたい。

             
 釣瓶岳へ向かう雪庇群   雪化粧の ブナの古木は素晴らしい    稜線上へ多しアズキナシ   アズキナシ '13.5.31比良で撮る 

 ところがここまで、人の声など皆無で静かな天空のさなかのような空間に身をおいていたのだが、突如、人の歓声が耳に飛び込んできた。進めばそこは釣瓶岳(1098m)だ。奈良県という遠方からやってきた3人がはしゃいでいたようだ。誰でも非日常の雪の中の高みに到着すれば気持ちは違わずだ。こちらは3日前に来ているために、ややテンションは低かったのだが・・

 山頂の大杉には硬くなった雪の塊が枝葉に真白くついて、あたりを暗くしているような雰囲気となっていたのは3日前と同じであった。展望もない釣瓶の山頂は魅力に欠けるとネット上のレポに多い。。だが、私にはここに立とうとするのは、南の武奈ケ岳の喧騒とは雲泥の差で静が嬉しいからだろう。だからここまでいろいろなルートどりで目指すことになるのだろうか。でも、山頂に先客者がいればそれもそれ・・。そして、おまけに今日ばかりはナガオまでして二人のトレースが降っているようだ。う~ん・・・

 
 釣瓶岳山頂は雪まみれ

 さぁ、釣瓶岳よりは野街道尾根からのここまで、東西暮れて降雪に道踏み迷うことなく、山頂という峠を越そう。この後は3日前にも下った降りばかりのようなナガオという楽ちんコースを行こう。ナガオの降りはこれくらいにして、以降は釣瓶岳からは地蔵峠より畑へ下るのも選択肢としようと考えながら、最初のCa1050から武奈ケ岳を眺めることとしよう。そして、東の稜線上に可愛い頭を見せる南より次郎坊山、カラ岳、釈迦岳、ヤケオ山にヤケ山などがのどかに並んで見えている。
 次のピークは東南へと歩く向きを変えるCa1050でも近くなったまたしても武奈だ。さすがにここまでくれば武奈北稜の雪庇が手に取るように見られるが、よく見れば荒々しさよりもこの温かさでややダラしなく感じて見えたのは私だけだろうか。。

         
 ナガオ最初の展望地より武奈   のどかな釈迦岳方面の山並み     二つ目の展望地より(画像クリック)

 その後はだらだらとシューとワカンの二人のトレースを追うばかりで、P991手前Ca990から激下りを西に振りながら下れば、昔の広谷小屋跡である畑のような広場へ無事に降り立った。サワグルミの7本ほども株別れした大木横を左に見て、そこが広谷のレスキューポイントの看板立つカエデの樹木である。積雪は3日前と同じで、丸太橋は雪に埋まっているが、日曜日で若者だろうか。その橋左を渡渉して本来の道を無理矢理よじ登るような一人の靴跡が残っているではないか。

 こちらは前回と同じで、雪で隠れる丸太橋より2~30mほど下流のサワグルミの大木立つ手ごろな渡渉地から、踏み跡と同じ箇所よりイブルキのコバへ向けて上がっていった。ただ、コバの前に昔の望武小屋跡の高みにも上がってみれば、小屋跡となって雑木が背を伸ばしたのだろう、やや眺望が苦しくなっていた。

 
望武小屋跡からの武奈も・・

 イブルキのコバで最後の行動食タイムとして八雲ケ原へ降りると、ゆうに4~50人の人だかりと若い声が飛び込んできた。聞けば高校生の雪山合宿のようだ。気の毒に、今日はこれだけ暖かくよい天気だが、明日は雨と報じられている。
 この後のトレースはパンパンに踏みつけられており、北比良峠まではシューも外してツボ足で上がった。そして峠でアイゼンに変えてダケ道をのんびり降ってJR比良駅に17時着で7時間の雪遊びとなったのである。

 もっとも今日ばかりの山は四周の眺めなどの絶景に私は狂喜するほどではなかったし、やはり比良あたりの低山では天空の元に白銀の広がりを見せてくれる山に登ったという満足感は容易ではないのだろうか。。

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