京都北山 花のシャクナゲ尾根 ’14.4.27 晴

 国際会館=小出石・・登山口・・シャクナゲ尾根・・大原分岐・・天ケ岳分岐・・鉄塔展望地・・百井谷・・扶桑橋・・叡電鞍馬駅

 国際会館からのバスは臨時が出るほどの人気でした。こちらもお天気に誘われて久方の小出石からのシャクナゲ尾根を歩き、満開のホンシャクナげを楽しみましょう。天ケ岳登山口から杉林の中、いきなりの急登ですが15分ほど歩けばコバノミツバツツジやホンシャクナゲが超満開で出迎えてくれますから、少々の登りでも堪えません。

 いつも来ているという方によれば、今年はどうやら当たり年のようだとの話しでした。どうりで行けども行けども見事な満開が続き、また赤色の濃い蕾も多数あってそれは素晴らしいシャクナゲ巡りとなりました。関西ではやはりこのホンシャクナゲが一番多く見られるような気がします。

 この種の花は普通7裂となりますが、まれに8裂するものあることを知っていましたからすぐに8裂の花びらも見つけられました。雄しべは14個で花糸下部と子房にも毛が密生するのもルーぺで確認します。褐色の毛が生える花柄の長さは2~3cmでしょうか。花びらの色合いは紅紫色から淡紅紫色や、中にはほぼ白っぽい花冠のものも見せてくれました。これだけの満開の見ごろにやってきたのは、ほんとうにここでは初めてのような気がしました。
 ただ、こんなにきれいなホンシャクナゲばかりで心が上ずってしまったのでしょうか。肝心の葉の観察をすっかり忘れてしまうほどでした。確か革質の葉の表面は光沢があって無毛でしょう。そして大事なのは葉裏ですが、こちらは褐色の軟毛が一面に生えているはずです。(以下全画像クリックで説明等)

 もちろん、シャクナゲばかりでなく、同じような色合いのコバノミツバツツジも見ごろの時期を迎えていました。厳密にはやや花色がホンシャクナゲよりも色濃いように見受けました。コラボレーションで、これまた素敵な斜面を見せていました。これら二つの花の大きな相違点はシャクナゲが常緑樹であり、ツツジは落葉樹であって、確かに葉のあるなしで雰囲気が相当違います。でもそれらが近くで一緒に満開で咲くのも見事でした。

 多くの花好きの方達があって、その点では少々興ざめではありました。ほとんどの人たちは大原分岐から天ケ岳、そして薬王坂から鞍馬へ降りられるような流れを見て、こちらは天ケ岳をパスして鉄塔展望地でお昼とします。展望地へ向かう途中には少しだけイワウチワが咲いてくれていました。

 パラパラ5人ほどで静かな見晴地でした。愛宕山やナッチョにNTTドコモ鉄塔などを見ながら昼食を取ります。そしてこの後は予定どうり百井谷を降りましょう。

 わずかばかりの稜線を満開のコバノミツバツツジを見ながらアップダウンで国道477に降り立ちます。すぐに目指す百井谷の取りつきでしたが、なんと入口のガードレールには『酷道477』と標示があるではありませんか・・・?。これから降りる百井谷は確かに酷道となって荒れ道ですが、R477を酷道といってしまうのは、ちょっと酷なようです・・・・?。

 話しはそれますが、雪のあるシーズンに、この奥の477号線を歩けば確かに酷道では・・と思ったことはありますが・・・?。それは、狭い山の中のヘアピンカーブ多い坂道の連続で、積雪期で誰も通行しないにもかかわらず、きれいに除雪車で雪かきもされるなど、いろいろ考えさせられる国道をとぼとぼ叡電鞍馬駅まで長時間も歩いた覚えのある雪山経験者は思うことでしょう。

 さて、こちら百井谷ルートでこれまでから登山者に私は出会ったことはありません。のんびり山野草でも探しながら荒れ放題の石ゴロの谷筋を下って行きましょう。お~、咲いていました。キンシベボタンネコノメソウでした。かがみこんで撮影に夢中でしたが、ふと目を上げるとそこへご夫婦でしょうか、足音もなく、目の前にお二人の方が立っておられました。イヤ~、びっくりしましたね、この谷で人を見たことの記憶がないために、驚愕の極みというのでしょうか。イエ、これが夕方でもあれば幽霊と見まがうほどの驚きとなったことでしょう。

 お二人に聞けばここは初めてですとのこと、いろいろな道を探して歩くのが好きですからと口数すくなく話されるのです。こちらはシャクナゲ尾根を小出石からで満開でしたよ。と笑顔で答えるとそれは楽しみですと分かれます。
 それにしても初めてのこのルート歩き、相当の兵のようでした。うれしいですね、このように我が身と同じコース取りの登山者が居るということを知って、気心が似ているとの思いで俄然元気に歩き出すこととなりました。

 ところが、他の山野草類はまったく目にしません。せいぜいマルバコンロンソウくらいでしょうか。樹木もキブシ、ダンコウバイは終焉で、カナクギノキが満開だったくらいです。期待していたシダ類のコタニワタリのある場所をうろうろ探すのですが、まったく影も形もありません。絶滅したのでしょうか。またまたしょんぼりと林道出合以降はトボトボ歩きでようやく扶桑橋バス停まで帰ってきました。

 もちろん、京都バスもありませんので、舗装路を鞍馬駅向けて歩きましょう。すると流れる沢の水音が聞こえるあたりまで来ると、ちょっとした野草が目に飛び込んできたのでした。アオハコベ、オオバタネツケバナ、ミヤマキケマン、カテンソウなど処狭しと咲いて心慰めてくれたのでした。やっとこれで今日の花巡りはなんとか気が紛れました。

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