比良 伊藤新道から蓬莱山’14.4.19 曇り

 坊村-伊藤新道-ワサビ大滝-白滝山-オトワ池-夫婦滝-汁谷-笹平-蓬莱山-小女郎ケ池-小女郎谷-薬師滝-JR蓬莱

 ネコノメソウの仲間のボタンネコノメソウを見ようと伊藤新道へ入りました。しかしながら、その変種であるアカヒダボタンですら、こちらの谷では見つけられませんでした。確か以前ボタンネコノメソウをこの谷でも見たのですが・・・。咲いていたのはネコノメソウ、タチネコノメソウ、キンシベボタンネコノメくらいばかりで、この谷ではボタンネコノメソウに出会うことはなりませんでした。

 さて、坊村へのバスは事故かで20分延着、9時ころからスタートでした。明王林道の三ノ滝手前あたりは昨秋の崖崩れが痛々しいのですが、歩くぶんには支障ありません。道沿いにはニッコウネコノメが満開ですが、他にはタチツボスミレくらいで山野草はまだまだの季節のようです。


ニッコウネコノメ

 伊藤新道からはいよいよ本格的な急登ですが、山野草といってもほとんどがネコノメソウ類しか咲いていません。写真を撮りながらのんびりと登ります。それにしても出町柳からの臨時増発のバスへあれだけの登山者が居たのですが、みなさんやっぱり武奈ケ岳なんでしょうか。
 こちらは蓬莱山手前の笹平までと小女郎谷では誰にも出会うことなく、静かなひとり旅となってくれました。いいですね、思う存分好きなように写真を撮り、早足だったり、鈍足だったりの自由気ままな山歩きです。

 そんなことより、ネコノメソウ類ですが、二番目に出てきたのはキンシベボタンネコノメでしたが、こちらはまだまだこれからで今、目覚めたばかりのような花姿の感じでした。でも高度を上げると次第にきれいな姿がありました。ということは高いところから先に咲き始めるようですが・・・。

       
キンシベボタンネコノメ   根生葉は花時でも枯れない  茎葉は普通対生だが、互生も・・

 伊藤新道はチドリノキが多いのですが、まだまだ目出し遅くて残念でした。この谷の道はほとんどワサビ谷左岸を詰め、右岸へ移って歩き出すとすぐにワサビ大滝(10:10~16)でした。こちらでも滝壺あたりまで奥へ入ったりして遊びます。岩壁にはタチネコノメソウが咲き初めで瑞々しくきれいでした。大トチノキが君臨し、岩壁方向にはヤマグルマが枝を広げています。

 すぐ上あたりには鮮やかな緑色の茎を立てたテツカエデの目出しが始まったばかりでした。すぐにT字路となって左折道の上部はやや不鮮明なために今回は右折としましょう。すると今度は流れがやや細長いワサビ天井滝ですが、こちらは樹林が多くかぶって見栄えがそうありません。

 道はややガレ箇所が出てきますが、注意すればそう危険でもありません。滝の源流の谷を何度か越えて尾根に乗ります。そうすれば北方に御殿山が見えるようになるとイワウチワが急崖下にあちこちに咲いています。自然林の斜面をジグをきってひたすら登りますが緩むところはないのでなかなかの歩きとなります。そうはいってもさすがに荒れが少ない尾根歩きはのんきな気分です。

   

 タムシバは落下盛んで終りの雰囲気でした。大滝より45分ほどで高みに上がって武奈方面は雑木林で展望にやや苦しく、とってかえして白滝山の1022m標示点(11:04)ですが、早春の頂はとてつもなく明るく、急登をやっつけたご褒美の様相でありました。

 もちろん、この一帯もまだまだ冬枯れのために山肌の青さは望めません。そしてこの山頂で私は他の登山者に出会ったことはなく、今でも静けさを保ってくれています。武奈へ登るのが比良の山歩きと思っている登山者の方々に是非一度は歩いてほしいコースではないでしょうか。緩やかに広がる雑木林を下れば、冬枯れのような樹林の間からこれからの行先である蓬莱山あたりも指呼の間となってきたようです。よ~し、今から行くから待ってろヨ!と我が身を引き締めます。


白滝山下からの蓬莱山

 オトワ池へ下って今回は長池などの池めぐりをパスし、ニシヤ谷です。こちらの谷もバイケソウ、ハシリドコロの目出しが始まったばかりで、ミヤマカタバミはまだ花びらを開いたものはなく、足はどんどん加速してニシヤ谷出合に架かる夫婦滝です。

 滝のその手前にもイワウチワが崖下に満開で咲き乱れていますが、写真撮影は危なく、見・て・る・だけ~・・の状態では残念でした。そして夫婦滝も雪解け水を集めて豪快です。でも周りの樹木達が成長して眺望も、いまいちのようになってきたようです。戻って滝見不動明王奉安所である祠の小屋で昼食(11:35~55)とさせていただきます。伊藤新道を拓かれた故伊藤萬次郎氏の名も出ています。

 さて、これから白滝谷から牛コバへ下るのではなく白滝谷上部を詰め、汁谷へ向かいますが、いきなり大きな雪渓が残ってその上や渡渉だと結構遊べます。それにしても板橋が何か所か設置されているのですが、もう何年もつのでしょうかね~?、くれぐれも怪我のないように通過されたいです。
 谷にはツノハシバミ、マンサクが終盤でした。昨秋ついた赤い実が独特な姿を見せるツルウメモドキが干からびた状態でまだ見せてくれました。バイカオウレン↓も満開でした。そうこうして1時間足らずで木戸峠下のリフト小屋前でした。 

     

 でもこの先が見事な大雪渓?↓、でした。笑・・・スキー場だったために圧雪と北向きで融けないのでしょう。この雪渓に北アの白馬大雪渓を思い出しながら楽しみます。でも15分もかからないで完全な芝生の笹平でした。
 ラッパ水仙が5月頃には多くの観光客を呼ぶのも間近となってきましたが、鹿除けの柵が張り巡らされて、登山者はスキー場ゲレンデへ迂回です。そして本日の高みの蓬莱山(1174.2m1等三角点日本三百名山)13:08到着でしたが、遠望すれば比良の雄である武奈ケ岳もさすがに雪はほとんど消えたのでしょうか。

   

 この後は小女郎ケ池からその谷を下って薬師ノ滝でJR蓬莱駅へ下りましょう。さて、雪のない蓬莱からの道は嫌ですね。好きなところを歩けないのが面倒です。池からのケルンある高みを見上げながら、お~あそこだな、また時期を変えて行こうじゃないかと一人思い浮かべるのでした。3月に歩いたコースはこちらからどうぞ

 
小女郎ケ池から見るケルン地

 小女郎谷への最初の雪庇の残雪に乗って、すぐの部分がやや荒れてはいますが、よく踏まれたコースで問題はありません。見られるのはキンシベボタンネコノメが多く、もちろんネコノメソウにタチネコノメソウはこの谷筋でも見られました。それよりもボタンネコノメソウを探しましょう。あっ、ありました。

 他にはミヤマカタバミはもちろん、水場が出てくればマルバコンロンソウ、ワサビが満開となっており、モミジチャルメルソウも群落で咲いていました。ダンコウバイは終盤で、クマシデが咲き初め、キブシ満開、ヤマザクラは終盤でしたでしょうか。

     
 ボタンネコノメソウ  マルバコンロンソウ ワサビ 

 薬師ノ滝もいつもどうり豪快に水を落としていました。今日は4か所の滝見山行ともなりました。

       
 ワサビ大滝 ワサビ天井滝  夫婦滝   薬師ノ滝

 JR蓬莱駅には15時半到着の6時間半のハイキングとなりました。

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