京都北山 北山に早春の花巡り ’14.4.16 晴

 いよいよ早春譜のころがやってきました。山野草の女王(カタクリ)巡りは了えましたが、続いてネコノメソウ類の中でも一番の華やかさがあるのではと思われる「ハナネコノメ」を愛でにあちらこちらを徘徊してきました。まずはご覧願いましょう。

 ハナネコノメは母種のシロバナネコノメソウの変種で数あるユキノシタ科ネコノメソウ属のひとつであり、ネコノメソウの仲間では最も人気ある種ではないでしょうか。ではその母種と変種の相違点をみてみましょう。まずは山渓ハンディ図鑑による解説(要約)からです。

 《シロバナネコノメソウ》

 谷沿いの林内の湿地に生え、花後走出枝をのばす。全体に白軟毛が多い。花時の根生葉は枯れる。葉は対生し扇形で長さ1cm以下、先端に半円状鋸歯数個あり。花茎は5~10cmで萼裂片白色で花後は緑化する。雄しべ8個、葯は暗紅色で花期は4~5月、近畿地方、中国地方、四国、九州に分布

 《ハナネコノメ》

 前述の母種に比べ毛が少なく、走出枝は暗紅色を帯びる。葉の鋸歯は3^7個、萼裂片は円頭。雄しべは長く、葯は暗紅色。花期は3^4月、福島県~京都府に分布


 と、図鑑では型苦しく表現されているように思いますが、実際に現地での花の様子を見ますと、なかなか二つの区分点を比較するには容易ではなさそうです。ただひとつ、「花時の根生葉は枯れる。」の確認は忘れました。でもハナネコノメの図鑑説明にこの点が表現されていないのですが、花時ハナネコノメの根生葉はないのか、それともあるのかどちらでしょうかね?、多分ないのでしょうね。

 それから、シロバナネコノメソウは全体に白軟毛が多い。との解説ですが、一般的には両方の種を同時に見比べている訳ではないので、主観の相違になろうかと思います。図鑑の補足説明に萼裂片の先が尖る、変種のハナネコノメはあまり尖らないとの説明も見た目の問題で容易ではなさそうです。

 以上相違点等を比較しようと考えてみますが、今回京都で出会った個体は、さて、ハナネコノメなのか、それとも母種のシロバナネコノメソウなのかとの判断が以前と変わらず、結論は出てきませんでした。そのようなことからネットでいろいろあたってみますと、次のような表現が見られました。

 その方の説によりますと花粉の色による見分け方のようです。『シロバナネコノメソウの花粉は白色、ハナネコノメは黄色とあります。』写真を見て確認しますと、え~、白色ばかりに見え、どう見ても黄色には見えません。
 ネットの方の説によりますと、他に葉の縁に白色の髭が生えるとありますが、こちらの髭は縁にも葉の表面にもありますので、やや現象が異なりそうです。でも、花粉の色違いからの見分け方からすれば、どうやら、今回出会った花は雄しべの葯の部分の花粉が白色のようですからシロバナネコノメソウということになりそうです。
 しかし、開花時期の点からすればシロバナネコノメソウよりハナネコノメの方が早く咲くよう図鑑説明もあるように、今回のこちらの花はその点からみればハナネコノメの条件に該当しそうでもあります。この点は来年となりますが、3月ころに開花が始まるのかも再訪問しなければなりません。

         

 結果として図鑑によれば福島県から京都府が分布域と表記されてはいるのですが、ネットサーフィンしてみても、京都府下でハナネコノメを確認されたようなページに行きつかないようです。しかし、16年前に発行の花を愛でる山歩きの本には今回見た箇所での花が「ハナネコノメ」として世に出ているようですが・・・、どなたか、確たる話があればお教えいただけると有り難いです。


 さて、ハナネノコメ、シロバナネコノメの話はこれくらいにして、前に進みましょう。

まずはユキノシタ科のネコノメソウ属類です。今回出会ったものは次のとおりでした。キンシベボタンネコノメ、ボタンネコノメソウ、ネコノメソウ、ヤマネコノメソウ、タチネコノメソウでした。

         
 キンシベボタンネコノメ  ボタンネコノメソウ ネコノメソウ   ヤマネコノメソウ タチネコノメソウ 

 その他にもいろいろな花々が咲き初めとなっていました。↓画像以外にもミヤマハコベ、タチツボスミレなども見られました。

     
 オオケタネツケバナ  スズシロソウ  ユリワサビ
     
 ミヤマキケマン  ミヤマカタバミ  コチャルメルソウ
     
 カテンソウ  ヤマルリソウ  トウゴクサバノオ

 

 最後に木本類ですが、他にもヤマザクラ、タムシバ、キブシ、ヒサカキなども咲いていました。

     
 ダンコウバイ    フッキソウ

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