但馬 ヒュウガミズキの来日岳 ’14.4.10 曇り

 城崎温泉方面の山も今年は相当の寒さが続いたようで、花々の開花も例年になく大幅に遅れ気味の様子でした。それでもお目当てのヒュウガミジキは山頂に近いほど咲き初めとなって出迎えてくれたのでした。まずはそのお花をご覧ください。

   
ヒュウガミズキはマンサク科でハナミズキなどはミズキ科ですから同じ仲間ではありません。 

 これらの仲間には庭木などでよく植栽されて知られる一番大きな花をつけ、葯が暗赤色、花序軸が唯一毛が密生するトサミズキが一番分かり易いですね。その他は花序軸が無毛ですが、コウヤミズキ、キリシマミズキは四国、九州を中心に西日本で分布するようですが、今回見ていただいたヒュウガミズキは兵庫県から石川県の日本海側に咲くようです。
 なお、これらトサミズキ属の中でヒュウガミズキが一番小型の花をつけますが、キリシマミズキと酷似しています。でも住み分けているようですから咲く場所で分かります。ちなみにコウヤミズキの葯はトサミズキと同じく暗赤色、キリシマミズキの葯はヒュウガミズキと同じく黄色です。

 続いてスミレ類もいろいろ見られるはずでしたが、今回は行くのが早すぎたのでしょうか。ほとんどがナガハシスミレ(別名テングスミレ)ばかりがいっぱい見られました。この種も日本海側要素植物で、太平洋側では分布しないようです。
 他に咲いていたのはシハイスミレ、山陰型タチツボスミレにタチツボスミレくらいしか開花していませんでした。でももう一週間もすればスミレサイシン、マキノスミレ、ニオイタチツボスミレ、オトメスミレなどが見られることでしょう。

   

 山野草のその他ではトキワイカリソウ、ヤマルリソウが咲き初めで、モミジチャルメルソウはまだで、サンインカンアオイも見られませんでした。樹木類ではクロモジ、タムシバ、ユキツバキ、ナガバモミジイチゴが満開で、ハウチワカエデが咲き初めで、いつも見られるウリカエデ、アカシデ、クマシデは咲いていませんでした。ユズリハは蕾ほころぶというところでした。

     
 クロモジ  タムシバ ハウチワカエデ 

 朝は晴れあがっていたのですが、城崎温泉駅を歩き出す頃(11:05)には曇り空となってしまいました。そして山頂近くまで上がってみれば今にも降り出しそうな空模様で、風も強く出てきだし、やや温度が下がり出しましたが、それでも一日中、雨に会うことなく無事に下山(15:15)していただきました。 

   
 来日岳566.7m 1等三角点 最後に屋上展望台 より山頂を

 下山後はもちろん温泉に入って温まり、大谷川の柳並木を見ながら、志賀直哉の名作「城崎にて」を思い出し、そぞろ歩きも楽しめました。お疲れ様でした。

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