比良 擂鉢山から烏谷山 ’14.2.12 曇り

 JR堅田=坊村・・牛コバ・・擂鉢取付き・・擂鉢山・・烏谷山・・荒川峠下・・水場・・大岩谷分岐・・中谷出合下・・JR志賀

 急登で知られる擂鉢山のラッセルを楽しめました。それにしても深雪の道ばかりで、前日ののらりくらりの雪遊びから一転して、これぞ雪山となりました。昨年同時期はそんなに雪多くなかったのですが、登山口の牛コバまでの林道でも昨年とは大違いの積雪量で、ツボ足で進みまったく同時刻(10:35~45)で行けました。


牛コバの道標を振り返って

 実は林道歩きは二の滝護摩堂手前5分あたりまでチェン車が上がってきており楽させてもらえます。この先あたりは昨秋9月16日の台風18号により土砂崩れのあったところでしたが、さすが県道です。その片づけは終了しているようでした。
 三の滝、伊藤新道を横目に進み、足元を見ればスノーシューが往復しています。どうやら撤退のようで、そして一人がツボ足で進んでいるようです。ツボ足のこちらはさすがに元気者のように見えます。よし、この方がなんとか頂上を目指してくれていたらいいのにと他人頼みです。
 ところが、牛コバ手前10分くらいで青年が戻ってきたのです。聞けば雪多すぎて900mあたりで撤退しましたとの弁に、エ~、擂鉢の山頂はもう100mほどなのにと言葉を交わします。彼はうす暗いうちから歩き始めたようです。

 こちらは9:40坊村スタート、それでも急登部分にトレースを使えるために大いに助かるだろうと喜々として前進でした。でも青年の足は10本アイゼンのためにもうひとつでした。夏道はジグを切っての登り道なのですが、彼は直に登っています。こちらはスノーシュー一本やりですが、どうしても滑り易く、相当の時間を要します。それでもなんとか2時間半で取りつきの赤テープ下がる大杉地到着(12:05~15)でした。


赤テープ下がる大杉地

 ここまでの時間帯が長く、苦しかったですね。でもこれもツボ足とはいえトレースがあったからの時間であったと思います。青年に感謝しながら、彼は別れた後は腹ごしらえして武奈に登ってから帰りますといっていたが、今頃は御殿山あたりまで行っているのかなぁ・・と20才台の元気さに脱帽の思いです。

 さぁ、これより次第に緩やかなとなってくることを知っていますから、少しは気持ちはのんびりできます。踏み跡を横において新雪を楽しみましょう。そうこうしているうちにトレースが終わっていました。標高は800mをさしていました。青年の踏み跡に大きな感謝でした。ありがとう!

 その後には右斜面越しへ白滝山も顔見世が始まります。でも、でも、このころから足の疲れがきているような気がします。そうです、ほとんど飲まず食わずの行進が影響しているのに、今頃になって気がつくほどの情けない歩きでした。
 平坦地・・はないけれども、緩やか地を探してようやく一本立てようと行動食、水、アミノバイタル、テーピングなどで対処タイムです。よし、これで擂鉢山頂は目前だと元気が出ます。そしてなだらかで小広い擂鉢山(1006m)でした。腕を見れば13:20と大幅に昼を回っています。実は先ほどの休憩地で昼をしたかったのですが、北風が強くとても食事などしていられなかったのです。これはもう遅昼承知で山頂先の植林地内でやろうとしていたのでした。

 山頂写真を1~2枚撮ればすぐに烏谷山方向の南へ向かいましょう。そして植林の中で遅い遅いお昼(13:30~50)としました。ここでは寒いのは少々マシでしたが、そんなにのんびりとしていられません。カップヌードルに湯を放り込むことすら面倒で、オニギリ3個をお湯で流し込むように収めましょう。そして果物類も呑み込むように済ませます。
 寒い寒いばかりの気持ちからどうしても気が急きます。ほんとうはしっかりと防寒着でレイヤリングし、ツェルトを貼る等した後に大休憩に入るのが常識なのですが、横殴りの小雪が交じり早く終わろうとの気持ちばかりでした。
 デカザック内にはいろいろの防具持参でしたのにそれらを無駄にすることとなりました。それより寒くての気持ちがザックを広げることすら手を抜く始末でした。やっぱりこのあたりが今回の反省点だったようです。

 さぁ、でも曲りなりに食事も終えた後はもうのんびりと進行しましょう。稜線には立派なブナ林が見られ、シャクナゲも大きな冬芽を膨らませています。上を見上げればブナにヤドリギが実を下げていますが、高すぎてズームでした。

         
 立派なブナ林、奥の白いのは堂満    シャクナゲの冬芽も膨らみ    ヤドリギの果実

 少しで5日前に反対側から上がってきていた烏谷山(1076.7m)の山頂(14:05)です。今日はこちらには2~3人のシューの足跡が荒川峠からピストンで、歩き回っているようで見るも無残な雪面でした。これらを見たとたんに心が萎えてしまいました。山頂からの伊吹山や近くの武奈ケ岳に指呼の間の堂満岳、南の蓬莱山などぐるっと眺め回します。

         
 左に武奈とコヤマノ岳、右に堂満    烏谷山の頂き下には琵琶湖広がり    左に打見山、右に蓬莱山

 そして下山にとりかかりましょう。東側に張り出す雪庇にもそう感動なく、北の最後の展望地で烏谷山や打見山、蓬莱山を振り返って、これらの雪をかぶった山も今年はもう終わりかなと心淋しく、後は荒川峠下の道標から水場(15:10)でシューをはずし、ツボ足で中谷出合下へ下山(15:35)でした。その後はJR志賀駅まで50分ほどで虚脱の放心状態で帰ってきたのでした

 それにしても下山の琵琶湖方面の表側は時間的なものでしょうか、雪は少な目に感じたのでしたが、登り始めた坊村からの裏側の道は相当雪深く、とりもなおさず牛コバから擂鉢山取りつきまでの急登に多いに痛めつけられました。

 次回以降の取りつきは牛コバから10分ほど先に「小さな火 まさかがおこす 山の火事」の大津市消防署が赤い看板を置くあたりを取りつきにすれば、最初はややきついのですが、現在の大杉取付き地までのきつさを比較すれば、大杉地を経由しないで看板地から尾根芯を目指して上がる方が大分楽なようですから、冬道としての取付き箇所を私は変更するつもりです。

     
 この看板地から大杉地までがきつ過ぎる・・    '13.2.14に取りついた時は雪が少なかったが・

 それにしても帰宅後に持参していた地形図の等高線をまじまじと今頃になってルーペで検証するほどバカなやつでした。(笑)、本日は約12kmを休憩込で6時間45分の歩きでした。

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