山梨大月高川山と九鬼山’14.1.12~13

 初狩・・女坂・・高川山・・大休場・・古宿集落・・禾生駅・・落合橋・・杉山新道・・
弥生峠・・富士見平・・九鬼山・・紺場休場・・札金峠分岐・・札金沢・・田野倉駅 

 二日目の秀麗富嶽12景二座です。最初は初狩の上にある高川山へ登ります。今日の二座も三度目ですからコースは心配いりません。ただ、本日は沢コースから上がってきた方に出会い、その様子を聞けば林道から山道はここまで10分ほどと一番楽な道でしょうとのことでしたから、今後は登りの楽ちんコースも歩いてみたくなりました。そしてその後10分も歩けば南西側の羽根子山西の稜線からひょっこりと富士が顔見世でした。お~きれいだねと思わず口に出ました。山頂が楽しみだねと足も速くなり出します。

 こちらは前回男坂を上がりましたから、今回はまた女坂を登りましょう。そして男坂と合流すればもう山頂は近くなってきます。この高川山の山頂といえばなんといっても10年近く山頂一帯に住みつき、三年ほど前に死んでしまったビッキーという犬のことを語らずにはおけません。ビッキーは’10.10.6に亡くなっているのを登山者が発見し、都留市役所に届けられたようです。もちろん地元の山梨日日新聞等でも報道されたようです。


私が'09.2.5に山頂で出会った時のビッキー

 私もビッキーとは'09.2.5に山頂で出会っています。このおとなしい犬も多くの登山者に可愛がられていたことが多くのHPなどで見られ、いっとき新聞にも報道されるなど高川山のビッキーとして全国区的な犬だったのです。そのようなことから、今回も山頂到着で一番最初に思いだしたのは、やっぱりビッキーのことでした。
 あの時にも直下の石の上からこちらが上がってくるのを待ってたかのように、山頂までの道案内をしてくれました。山頂に着くとすぐにビッキーは石の上へ駆け上がり、あたかもここが一番眺めのいいところだよと教えてくれたように見えたのでした。今日は私ももちろん、すぐさまその石をなでながら、あの日の富士を眺めているビッキーの姿に思いを馳せました。


ズームアップの冨士


 そうこうして冨士を眺めていると、浜松から来たという単独行の方が上がってこられました。彼は一昨日から湯ノ沢峠避難小屋泊で大菩薩峠下方の石丸峠、そして裂石までの北上コースを歩いて大雪の中、スノーユーもつけたが膝上までもあるところが多く、10時間ほどもかかってしまいました。と誇らしげに話してくれました。
 お~、その山なら私も反対コースでしたが二度歩いたことがありますよ、でも大雪だろうと山を変更したんですよ等と話が弾みました。エ~、京都から来たんですか、それは秀麗富嶽12景にハマり過ぎではないですか・・?、と愉快に話も続きます。彼は8時半頃だというのに飯にしますと食べ始めます。話を聞くと昨夜は笹子駅でテントに寝ましたので腹ペコでして・・・とのことでした。まだまだ若く50前くらいの面白い人でした。

 こちらはあの九鬼山に登ってから富士をオカズに昼飯にしますと言って山頂を20分ほどで辞します。下山ルートは今回初めての沢筋沿いを降りましょう。こちらの沢は完全な涸沢で、水は相当下流まで降りないと流れていません。その谷を歩いたり尾根を歩いたりの不規則な道ですが、総体的によく整備も行き届き、標識も完備してなんなく麓の集落まで出られました。最後の熊峠からもきれいな富士山が顔をだしてくれました。

 そしてほどなく富士急禾生駅、すぐ先にR139で、車がブンブン走りまくる国道を15分ほど歩き、落合橋を渡って右に進むと東京電力が昔に建設したというレンガ造りの水路橋が目に止まります。相当古くからの建造物で保存されているのでしょう。この下を歩けばすぐに九鬼山への杉山新道登山口(9:50)に取りつきます。
 前回は愛宕神社コースを上がったのですが、杉山新道は二度目ですからよく覚えていました。なんてなだらかな歩きやすい道でしょう。杉山新道入口から50分で稜線の弥生峠です。やれやれ稜線まで上がったと喜んだのですが、富士見平までまだ半時間も要してしまいました。

 展望所の富士見平へ着いたのが11時過ぎですからやっぱり富士には雲が取りついてきています。富士見の二座目はどうしてもこのようになんとなく雲の影響は致し方なさそうです。そう考えれば今日はまだよい方かなと納得させましょう。
 ここは富士山より30kmほどで近く見える場所でしょう。山頂の九鬼山より目と鼻の先の南に下がったところが富士見敵地で、檜の植林もその間だけ伐採され、展望に配慮なされているところのようです。もちろんこの場所で大休止(11:10~12:10)としましょう。

 風も少しだけ出てきたようです。さぁ、あったかいウドンでも炊きましょう。用意の豚肉は沢山、もちろん野菜もしっかり、それに卵に高野豆腐など重たい目をした甲斐がありました。富士を眺めながら連日のあったか鍋昼食となったのでした。
 でも昨日と違い、昼時だというのにこちらの山にはそんなに山頂で鍋を広げる人はなく、写真を撮るとすぐにみな降りて行くのです。したがって長時間一人っきりの状態で、やや寂しい富士見平のように思えました。みんなお昼はどうしているのでしょうか・・?などと思う始末でした。

 今回二日間の富士見詣でも成功裡に終わったようだと満足感いっぱいで、すぐの九鬼山山頂に移動、2等三角点にタッチしてご挨拶です。

 北側が開け西よりに小金沢連嶺から南大菩薩縦走の山並みを眺めて、今回大菩薩嶺を中止とし、この代わりに小金沢連嶺から南大菩薩へ縦走して滝子山から初狩に下山しようかなとも考えたのでした。しかし、いや待てよ、湯ノ沢峠避難小屋が三連休のために満員であればテントが必要になるな、でも雪もあるだろうし、荷が多くなりそうだから止めにしてと判断です。最終的に雪の少ないと思われる箇所の富嶽12景としたのが正解だったと今朝高川山で会った方の情報で溜飲を下げたのでした。
 もっとも湯ノ沢峠避難小屋泊まりの方はその人ともう一人だけであったようで、今後の参考として記憶しておきたいなとまたゾロ、積雪期の縦走を考える自分がいたのでした。笑

 さぁ、九鬼山からの冨士山も終わったぞ!、と北向きの急下りの岩場をどうにかやっつけ、細い道のガレ地を注意した後は紺場休場まで降りてくれば後はハイキング道で終わったも同然です。紺場休場よりチラッと雲がいっぱいの最後の富士を見ながら一本立てましょうとのんびりしたものです。
 予定より相当早い時間で降りてきているようですから休みながら歩きましょう。そして札金峠分岐から林道に降りれば終わりです。この後は地道の林道と舗装路を富士急田野倉駅(13:15)へ紺場休場より1時間近くもかけて歩くことになりました。

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