京都北山小野谷峠、西尾根から皆子山'13.10.14 

 小野谷口-小野谷峠-大見-前坂峠-西尾根-ca897-ca926-皆子山-東尾根-ca941-ca837-正教院-平

 小野谷の台風18号による荒れ具合をみようと出かけました。今年は台風の当たり年のようで、関西の山々でもどちらの谷筋にも相当の被害が発生しているようです。今後の沢、谷を経由する山歩きには十分なる注意が必要となっていることでしょう。

 京都バスで小野谷口下車、いよいよ小野谷へ入ります。林道傍らにはオニグルミ、クサギ、ヤマウルシ、アカメガシワなどが実を見せてくれます。ところが山の中で比較的出会うことが珍しいケンポナシが見つかりました。
 この種は高木となるため、果実の落下をみて初めてやっ、ケンポナシだというくらいで、木につく花の開花(6~7月)はもちろん、果実を詳細に手にとって観察することはほとんどまれな樹種でもあります。今回は林道から一段下の地より立ち上がったケンポナシの枝がちょうど林道ガードレール沿いの高さというありがたい状況に出会ったものでした。

         
ケンポナシ(クロウメモドキ科) 果軸は食べられる    葉は近縁種のイソノキにも似る    落葉高木で15mほどにもなる

 ↑画像左の黒っぽい球形が果実で、それをつけている柿色の部分が花序の軸で、花のあとにふくらんで果期になると食べられるといわれますが、そんなに美味しいとは思えませんでした。それにしても果実を支える花軸の姿がお菓子のカリントウのように見えました。植物の世界もおもしろいことがいっぱいですね~♪

 アサギマダラも飛翔していました。ほぼ終盤のベニバナボロギクの回りです。枯れ木に羽を休めた瞬間に♂の確認もします。それは羽裏下部へ黒斑がついていることでした。それに唯一山野草が咲いていました。センブリの仲間のアケボノソウです。花びらの先の方にあるふたつの緑色の密栓には蟻が蜜を吸いにたかっている株もありました。

     
     

 歩き始めてから20分もするとワサビ栽培試験田跡あたりに着きましたが、これがびっくり台風過のすざましさを目の当たりにします。林道上に流れて来た倒木石岩類が散乱し無残な状態です。小屋跡沿いの金網フエンスも破れかかり、流木類が堆積しています。
 これはまずい!、と思いながら前進ですが、道そのものは本来からあってないような状態ではありましたが、多くの踏み跡が随所で無くなっています。道らしき箇所より涸れた沢沿いにも押し流された小石類が累々で、それらを縫って歩くことになります。もちろん倒木を越えたり潜ったりの繰り返しです。
 でも大きな高低差もほとんどなく、山慣れた方なら逆に探検的感覚で楽しみながらの遡行となります。また途中にはメタセコイヤという高木やズミも目に入りますが、さすがにこの荒れ状態歩きの続く沢歩きですから気を散らさずに前進とします。

             
最初の建物あたり     次の壊れた建物手前    フエンスも破れ倒木の中を潜り    倒木を越えて
             
右の道崩壊で左から沢を進み    また流木多数でこれを越え   沢は無理で右上滑り地を     最後の滑り岩を上がるとホッ

 こうしてほぼ40分ほどアスレチック状態の世界から、ようやく北山らしき尾根筋に乗り上げますと雰囲気のある小野谷峠でした。谷には従来から固定ロープ等は皆無ですから、今後もし足の揃わない場合にはロープ用意で安全確保しながら登り上げましょう。

 さて、この後のコースは小野谷峠からチセロ谷一帯の湿原を進み、大見町からこれまた舗装路が痛んで通行止めの看板が立つ道を少しばかり登ると小一時間で前坂峠の登山口でした。ここまでも今年はこの異常気象ともいわれる温暖化で、秋本番の10月中旬なのですが、紅葉もまだまだ状態で、一番手のシラキが色づきかけたくらいでした。それでも果実類はサワフタギ、タンナサワフタギ、キミズミ、マユミにツリバナなどが楽しめました。ズミは普通、果実は赤色に熟しますが、この地ではどうやら黄色に見えますから「キミズミ」という種のようです。

             
谷から尾根へ上がるとこの景色     小野谷峠ではシラキが紅葉を始めたようです。      チセロ谷の湿原はまだ青々と
             
ズミは何本もあるが実は美味しいのかほとんど無くなって     タンナサワフタギ    サワフタギ
             
マユミも何本もたわわに     ススキたなびく秋の風情    ツリバナもたわわに    舗装路は痛むも歩行はOK

 関電中「オゴシ102」地が登山口ですが、これよりゆったりのんびり尾根歩きのハイキングとなります。尾根筋はルートファインティングしながらといっても今では道標等は皆無にしても、沢山のテープ類が目立ちすぎますが、ゆったりのんびり誰一人とも出会わない静かな1時間半ほどの森の散歩トレッキングです。昼食はやや遅めでしたが、ca897の展望のない樹林帯ですませました。もっとも紅葉本番ともなればこんなに静かではないでしょうが・・・

             
 897は森のなか・・    ミズナラ大木、支尾根も多数    西尾根ピーク926    皆子の西鞍部はすばらしい

 広葉樹のコルからすぐ3分で皆子山山頂でした。山頂からは武奈に蓬莱が指呼の間です。朝の出町柳のバス乗り場では比良方面の乗り場には登山者でごった返していましたが、みなさん、あの頂で憩いの広場を無事に持たれたのでしょうか。方やこちらは広々とした頂を貸切でコーヒータイムでした。う~ん、なんて幸せ、これぞ至福のひとときなんでしょうね~・・・、周りにはカマツカの真っ赤な果実に微笑みかけて心の友とするのでした。。

         
 皆子山971.5m    皆子山頂から左に武奈、右に蓬莱    山頂のカマツカ

 下山は平からのバス時刻に合わせて腰をあげましょう。今回は足火谷や寺谷の谷筋ではなく東尾根を使いましょう。こちらのコースは昨今、従来の一般コースであった足火谷や寺谷が相当荒れ放題となっているために、足にやさしい東尾根コースが人気となっているようです。もちろん、以前歩かれていた皆子谷コースは近年廃道化が進んでしまっています。私も皆子谷は相当長い間歩いていません。

 寺谷降り口を右に見送って東へ進むとすぐに比良山系南部の権現山や琵琶湖が眺められる小さなピークがでてきます。さらに東へ行けば左の北にこの間越しの峰床山が頭を覗かせ、その先の短い急登を上がるとca941ですが展望はありません。
 これよりずっと東の尾根を外さないように緩やかに下れば支尾根がふたつに分れますが、ここは唯一道標が下げられる平へを左にとりましょう。このあたりで独特の鳴き声で知られるアカショウビン、カケスの声を耳にしながら分岐で一本いれました。

 左の分岐からいったん緩やかな道に、そして植林地のはずれにオオウラジロノキの果実が散らばっていました。やはり高木でどの木かなと空を仰がないと見つけられません。標高750mを過ぎますと植林帯が増え、そのあたりから急な下り道となってきます。
 さらにだいぶ歩くと道沿い右に倒れかかった樹木に赤い実が沢山ついていました。今季手に取れるような低い地に出会えた初めてのアオハダでした。、この木も高木となるために手近な高さのアオハダを撮るにはなかなか出会えないのですが、折れ曲がったままでなんとか生き延びていた個体だったからの代物でした。

 そして正教院のお寺さん地へ降り立ち、すぐ下の平バス停で時間調整となりました。本日の軌跡です。ほぼ6~7時間コースでしょうか。

 最後までお付き合いありがとうございました。ホームヘ