比良 小川新道からコヤマノ岳 '13.6.16 晴

 JR志賀駅-荒川-中谷出合下-水場-荒川峠-大橋-小川新道-シャクシコバノ頭
-中峠-コヤマノ岳-スキー場コース-八雲ケ原-北比良峠-ダケ道-イン谷口-JR比良駅 

 JRから1時間ほど荒川集落、林道歩きでようやく登山口でしたが、もちろんこのあたりまでくると汗びっしょりでした。でも今回のコースは、ほどよい箇所に何か所も水場がありますから最初からそう水分の準備は要しません。これは夏場の歩きに大助かりな要件です。

 登山道もよく整備されて歩きやすく荒川峠までの1時間20分ほどでも、ずっと雑木林の新緑のなかに森林浴が楽しめました。さすがに山野草は咲き終わっています。樹木花も咲き終わり、それでも満開や咲き終わりなどいろいろな状態のタンナサワフタギばかりでしたが暑い歩きのなかに咲く花を見れば心もはれます。
 登山口から半時間もしないで、岩の下よりきれいな水の湧き出る水場へ到着し、美味しきかな荒川峠の湧水!、と心落ち着かせた後で、目の前に立ち独特の姿の新葉をつけるシロモジを眺めましょう。

 峠近くとなってくれば新葉のきれいなシャクナゲの群生がありましたが、さすがにこちらも花は終了でした。シャクナゲといえば比良で出会うとやっぱり井上靖の小説「比良のシャクナゲ」が気になります。求めたこの書もなかなか完読できずに途中まで向って棚に立ったままとなっています。名書も読みたい!、いろいろ知りたい、感じたい!、そして山も歩きたい!などで身がいくらあっても時が足りません。笑

 休みもそうとらずに荒川峠でした。こちらの立派な道標は比良山系の縦走路上で、これまでにも何度もこの地は通過していますので、あたりの風景にも見慣れた安心感はもとより、今日もここまで来られたのだなと我ながら健康のありがたみをいつも確認できる場所といえる所でもあります。
 これより少し縦走路を北へたどって南比良峠手前の大橋への分岐にある大岩あたりでお昼としましょう。この後に登るシャクシコバノ頭も見え、え~あんなところまで登るのか?~と思いながらのおにぎりランチでした。青年が一人、また一人と縦走路を通過していきます。そうか今日は日曜日だ、でもさすがにこのあたりでの人影はほとんどないのがうれしいですね。

 これより自然林のすばらしい谷筋歩きを楽しみます。道の痛み具合からも想像できますが昔は登山者も多かったことでしょう。それは道だけでなく、地図にもいろいろ書かれて、この谷には崩壊の山小屋がいくつもあります。緑なす流れそばには無残な姿の水晶小屋、それに大橋には膳所高校山岳部の山小屋といずれもほとんど使用できないくらい荒れてしまっています。
 でもそんな谷ですが、自然抜群の大橋一帯は比良の最上級の自然おりなす静かな山域といえるでしょうか。いつ来ても同じ思いの岳人でしょう、たいてい単独行の姿があります。ただ、こんにちは!とひとこと交わすだけで静けさを求めてあたりを眺めいるのです。もちろんスリバチの名水はいつでも喉を潤します。

 この先からシャクシコバノ頭への分岐標示立つあたりまで来ると芦生杉の大木がいくらでも見当たります。でもこれらの景色を楽しむ余裕はありません、これよりの登りが今回コースの急沢岩登りとなることを知っているからです。慎重に岩場混じりの急坂を落石にも注意し足元を確認しながら登りあげてロープが出てくるとケルン地に上がります。でも腕を見るとわずか15分でしたから慎重に登れば大丈夫でしょう。

 遭難碑のケルン地で一本です。そして向う尾根を見あげてげんなりします。それば一目瞭然分かるのですがいよいよ急登が出てくるからです。枝や株など周囲の木々を頼りの激登りを始めましょう。でも岩はほとんどなくて急坂一辺倒だけです。道沿いのまるい月見岩を眺める余裕もでるくらいの道となり、新緑の続く登山道は細いのですが、これで分かるように人に出会うこともまずないでしょう。静かなこれぞ登山をやっているのだと感じる登山者妙理につきる道が続くのです。
 頂上はまだかなと思いだす頃になり頭を上げるとギザギザの姿のオニギリ岩、これを左に巻いて上がれば、もうシャクシコバノ頭に登ったも同然のなだらかな稜線歩きとなって、そのオニギリ岩より10分もしないでシャクシコバノ頭(1121m)到着でした。清らかな流れの中の大橋とは180度違う尾根上の乾ききった山頂のこの頭へは55分かかりました。

 先客お一人が休んでおられます。この頂はほとんど展望はないのですが、少し折れ曲がった株の木に上がって北方向を見ると多くの人の集まっている武奈ケ岳が見えました。その右横には鍋を裏返したようになだらかなコヤマノ岳も指呼の間でした。

 10分ほど休んで、山頂にはアズキナシ、ナナカマド、ドウダンツツジ、リョウブなど見慣れた樹木を確認してから辞すことにします。足元にはヒカゲノカズラの仲間であるシダのマンネンスギも群生していました。山頂より5分もしないで中峠、ここには大勢の登山者が休んでいます。この四差路を直進して行きますとコハクンボクという比較的珍しい残花が見つかりました。幼木の葉は比良山系にはあちこちで見かけますが開花のコハクウンボクは初見でした。

 この後のコースも何度も歩いていますが、コヤマノ岳のブナの大木は森の王様のようにどっしり座っています。分岐から左へ上がれば比良山系二番手の標高地(1181m)にも山名札が下がっています。この一帯は若いブナも多く、しっとりとした比良のブナ林歩きとなります。

 今日の八雲が原へはイブルキノコバコースではなく、旧スキー場コースを降ることにしています。開花が終わったサラサドウダンの古木など自然林ばかりの森歩きがうれしく、ルンルン気分で軽快に降りましょう。でも先にはやや岩交じりの箇所もあったり、釈迦岳が見えてスキー場のスロープまでくるとこれよりスリップしやすい乾ききった地道は慎重に降りました。
 八雲が原にも大勢の登山者が休憩されております。その横を通過して湿原の木道を歩きますが、茶色い池にはヒツジグサでしょうか、離れた池の中に白い花が数えるほど咲いていました。この湿原にはわずかにニョイスミレ、ハナニガナくらいしか山野草は見あたらなくて寂しく、せっかくの高層湿原ながらスキー場廃止でも自然にかえるにはほど遠く、無残な状態となっているのは残念至極の様子です。

 そしてゆるやかに登り上げると、旧スキー場へのリフトの山上駅のあった場所である北比良峠です。ここにも山ガールに山ボーイなどが多数の姿があります。これより滋賀県側の比良では銀座コースのダケ道をイン谷口へ降ります。でもこれが堪えます。最後の下り道で足も疲れ切っています。途中には岩雑じりの箇所もあって北比良峠標識地点から1時間20分もかかってしまいました。

 大山口の最後の水場も元気よい流れで後始末をすませ、トイレ小屋の前をすぎてイン谷口の橋のたもとまで降りてきました。すると橋のたもとには来月6日より江若交通のバス運行再開開始のお知らせ看板が立てかけられていました。このバス便で比良への登山者がまた増えることを喜ぶべきか、いやそうじゃないと思うべきかといろいろ考えながらJR比良駅まで疲れた足を引きずって40分ばかりでゴールインでした。
 ちなみに私は過去においてもこの線のバス利用はほとんど記憶になく、ずっと駅まで徒歩でしたから、うれしい知らせと思っている方の中には入らないメンバーのひとりではないでしょうか・

 結果として今回は8:40~16:10の歩きでしたが、なかなかタフなコースどりで夏山トレーニングとしてグーな山となりました。フゥ・・

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