比良 小女郎谷から蓬莱山 '13.5.31 晴

 JR蓬莱駅-薬師ノ滝-小女郎峠-小女郎ケ池-1101P-蓬莱山-金毘羅峠-琵琶湖バレ-山麓駅-樹下神社-JR志賀駅

 今年は少しの走り梅雨から5/25には関西地域は入梅宣言となりましたが、すぐに降水確率0%の梅雨の晴れ間との報となりました。さぁ、山だ!と向かったのはいつもの比良山系です。蓬莱駅を8時ころに歩き出すと中学校の多くの生徒とが前を行きます。
 すぐに道を右に分けると静かな田舎の風景が続きます。今回は久方の小女郎谷を詰めましょう。でもまだコハクウンボクの開花には早いかな・・?、と思いつつ長い舗装路の林道歩きでした。

 舗装路歩きといっても道脇にはヒメウツギ、コゴメウツギ、タニウツギ、エゴノキ、ノイバラなどの終焉花やウツギにゴンズイの蕾を見ながら50分ほど歩くと林道終点(8:50~55)でこれより山道に入ります。(拡大画像は画像をクリック!)

 5分も歩けば薬師ノ滝、短い滝ですが水音もりりしく豪快に流れを見せてくれます。ここまでの汗でもうミストシャワー気分の涼気たっぷりでした。滝壺そばには果実をつけてモミジチャルメルソウの成長した元気な葉が青々として群生し、ウワバミソウはその勢いに負けそっと花を見せていました。(9:00~10)

 一息いれたために元気よく上を目指します。すぐに小女郎谷の沢を右に左に進むようになるといっぱいのサワグルミの雄花が落下しています。そして右上にはミニ岩塊斜面が見れました。しかし、この登山ルートは登り一辺倒が続いているのを初めて知ったような気になりましたが、やはり体力が以前より衰えた証拠でしょうか。でもゆっくり登ればいいやと急がないことに決めます。

 薬師ノ滝より半時間ほどでありました。本日お目当てのコハクンボクの地にやってきたのです。でもどうしたものか、逆光の中にどの方向から見上げても花らしき白いものは全く見えません。そうかやっぱり出てくるのが早すぎたか・・と思ったとおりでした。

 でも近くにはダンコウバイの大きな木を見たり、ゴマギもほぼ終焉の花を見せ、ツルデマリが咲き初めとなって可愛い装飾花をふるえるように広げかけて咲いているのが目に入りました。同じ仲間のイワガラミは今回はまだまったく蕾すら見当たらずに花期がややずれるのを思い出しました。

 そして急登さらに続き、コハクウンボク地から約半時間で、例のマウンテン自転車放置地(10:07)に着き、さらにふぅふぅいいながら上がるとレスキューポイント2地で(10:15)、前方が次第に近くなってきた感じがします。次第に青空が広がってきます。でも足元は道が相当傷んできていますが、歩きやすい細い踏み跡を追いながらようやく小女郎峠へ到着でした。(10:25) 琵琶湖を見下ろしてもかすんでそうきれいには見えないために、そのまま池へ行きましょう。(10:35~45)

 小女郎ケ池は誰一人姿なく静寂を保っていました。うろうろ坂下方向の南へ行ったり、池に沿って北方向に進んで蓬莱の頭を見上げたりするのでした。運よくアズキナシが残花を精一杯に咲かせて歓迎してくれました。そしてそばにはコハウチワカエデは葉柄に毛深いのですぐ分かり、花もほとんど終焉で果実化した翼も見えたのでした。

 

 この後は峠でなく、Ca1101への笹原を進んで、縦走路に合して花柱が花冠より突き出るチチブドウダンが盛りをすぎ、タンナサワフタギの蕾ふくらみがいくらでも見られました。もちろんこちらの稜線漫歩の中にはカマツカが若い果実をつけ、ハナヒリノキは蕾を膨らませています。
 稜線上のアズキナシがほどなく終焉で随所に白くなっている樹木が立っているのでした。もちろんコハウチワカエデやオオイタヤメイゲツたちも、もうお花は終盤で翼もきれいに赤み帯び、これらをひとつひとつ真近に観察しながらの歩きに酔いしれるようなうれしい樹木歩きです。

 

 こんな歩きですから、蓬莱の頭に届くのにも暇がかかります。1等三角点地には11:33にもなってしまいました。ここで武奈、コヤノ岳、釈迦岳などを眺めながら40分もお昼を広げます。今日は短い歩きの予定ですから、ここで昼寝でもと芝生にころがります。
 でもやっぱりうすら寒いですね~、むっくり起き上がって歩き出しましょう。下山前にスキーのチャンピオンコースよりから武奈を眺めますと、左下には昨今ピークに名のついた森山岳も見えています。そして今回の下りは予定どおり金毘羅峠コースです。

 なだらかなスローフの右側から金毘羅峠コースに取りつきますと、すぐに今度はこちらはみなベニドウダンばかりが終盤となっていました。近くにはウスギヨウラクやヤマツツジが咲き、イワカガミが一ケ所のみ残花がきれいでした。もちろん葉柄が無毛のユキグニミツバツツジは落下盛んで残り花は無残な姿となっています。

 どんどん高度を下げていきますと30分もかかって金毘羅峠(12:55)、ここを右へは蓬莱駅ですが長い林道歩きを知っています。今回は左へ降りゴンドラ山麓駅方向へ向かいましょう。こちらの尾根筋にもハクウンボクの若木があちこちで見られるではありませんか。でもまだ花をつけるほど成長していなく花の咲くのは難しそうです。葉ばかり見ながら降りていきますとコハクウンボクの姿にも見え、どう相違点を捉えればいいのだろうかと考え直しながら進みます。

 そしてきれいな葉だなと見るとクマシデです。これにイワガラミがからんでいました。イヌブナの葉も観察してみましょう。こんな観察歩きですから自然林と植林地との境目の登山道も長く感じてしまいます。そしてようやく堰堤前の池に出ます。(14:00)、すぐ打見谷へ続く舗装林道に上がると終わりとなりそうです。

 そしてゴンドラ山麓駅(14:16)までに満開のジャケツイバラが群落を作っていました。これだけ多くのジャケツイバラが一挙に見られたのは初めてでした。もっともほぼ終盤となっていたのが残念でしたが・・・

 たくさんのジャケツイバラを見ながら大満足で志賀駅行きのバスが待っていたのですがそれを横目に、ゆったりと舗装路から森の中に入って更に何か咲いていないかな・・?と歩いたのですが、人の手の入ってしまっている麓には目ぼしい花もなく、歩けば樹下神社(14:38)についてしまいました。今日一日の山歩きを感謝して頭を垂れ、木戸の集落を縫ってJR志賀駅到着(14:45)の気楽な比良の樹木観察歩きでした。

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