比良 蓬莱山 '13.1.13 曇り

 堅田駅=平-アラキ峠-権現山-ホッケ山-小女郎ケ池-蓬莱山-打見山=ゴンドラ-志賀駅

 近頃は出町柳からの京都バスの冬期運行廃止によって、比良へはJR堅田駅からの江若バスしかアクセスができなくなりました。湖西レジャー号は登山客がいっぱいでしたが、日曜日とあって日頃見られる客層と大きな違いがあり、若手のばっちりと決めた冬山完全装備の人たちで、8:50発のバス待ちは長蛇の列です。もちろん臨時便を出してくれますから旨く座れました。

 それにしても感じたのはデカいザックを担ぐこれだけ若い男女の人たちが居並ぶのを見て、男ばかりでなく、若い女子会の登山人口も捨てたものではないなと嬉しくなってきます。今年も新年から冬山遭難が多発していたのですが、しっかりと関西の山々で体力と技術力を磨いたうえでの本場アルプスでのこれぞ冬山を目指してほしいものです。そして毎年の冬山遭難の報道には、特に関西の岳人名の上がらないことを切に願うものであります。

 ほとんどが武奈ケ岳へ向かうそんな若者たちの姿を笑顔で見ながら、私は先に下車して平(9:35)から蓬莱山へそしてキタダカ道をJR志賀駅までの縦走?、いえスノーシュー遊びを楽しもうとの軟弱登山でスタートしたのでした。
 しかし、今日はここ2~3年にくらべて雪の少ないのが心配でしたが、予想していたとうりの状態でほんとうに少な目で、やや物足りなさを感じながら、シューを装着したのが、ようやくホッケ山到着してからとなったのでした。もちろん私はこのコースくらいではアイゼンも不要だと最初からシューしか持参していません。

 権現山(10:50)まではアラキ峠(10:20)からの植林帯の急登なのですがそれでもなんとか半時間頑張って、平より権現まで1時間15分で登ってこれました。でもこの権現まで上がれば後は稜線漫歩となるのでしめたものです。

 
ホッケ山から見る蓬莱山 

 ホッケ山からひとしきり展望を楽しみたかったのですが、特に琵琶湖側は雲海のような感じで雲がふさぎ、写真にも撮れないくらいの景色、せいぜい北山の皆子山くらいを見下ろして、あの東尾根をお正月の5日に登ったのかと感慨深く眺め、北への目指す蓬莱の白い頂に目をやるのでした。

 このコースへは何度も踏んでいるために、今ではそんなに感動感は少なく、はっきりいえば今日あたりは惰性感の気持ちもあるくらいで、そろそろこのコースも終えなければと思う始末でした。そして次は小女郎ケ池で、いつもなら何もない白銀を滑るように池に直に進むのですが、今日はブッシュ多くそれもならずに池です。そして雪があれば説明板の足も見えなくなるのですが今日は二本足も出ています。

 池のほとりに立っているこの説明板には次のように書かれています。

 比良山系の最高地点の1060mにあるこの池は今から約6300年前に噴火してできたといわれており、地元では次のような悲哀伝説が語り継がれています。「昔ふもとの南船路の里に久右衛門とお孝という夫婦がいました。
 ある日お孝は池のあたりへ薪を取りに来ていると、美しい青年(実は池の主、大蛇の化身)に会いました。以来夜になると、池に通うようになったお孝の行動に不審を持った久右衛門が、ある夜あとをつけ、お孝が池に入るのを見て驚きました。
 気付いたお孝はお詫びのしるしにと左目をくりとって夫に渡し、「赤ん坊が乳を欲しがったら、これをしゃぶらせてほしい」と言い残して池に入ってしまいました。孝女郎が入った池だから孝女郎池、それがいつしか小女郎ケ池になったといわれています。」

 でも寒さがより厳しかったようで、池の上を歩くことはできました。さぁ、ここでゆっくりと昼食(12:00~13:00)としましょう。とゆったりと腰を長時間下ろしてのお昼となってしまいました。雪景色の中での暖かい鍋には何度やっても気持ちがほぐれます。これがしたくて重い荷を担ぎ上げるのでしょうか。でもさすがに1時間は長すぎますよね。身体ももう歩く気持ちがなえてきてしまっています。

 のんびり蓬莱山へ食後の満腹状態で、登りにはきわめて堪えます。それでもなんとか30分でスキー場の蓬莱山、琵琶湖バレー到着(13:00)でした。ここにきてもスキーやボーダーの多いのにもまたまたびっくりでした。よく見るとほとんどがスノーボードの若者のようでした。

 こちらは遠慮がちに網のフェンス沿いを歩かせてもらい、鐘撞場までは行かせてもらうのがやっとのことでした。それに1等三角点の頭は少しだけ見えていましたが、スキー場内のためにそこまでは遠慮します。そうです、三角点も見えるくらい雪は少なかったということです。

強風で雪は飛ばされている鐘撞場 武奈ケ岳コヤマノ岳と右の釈迦岳

 山頂には賑やかなBGMの流れる遊園地のようで、スキーヤーのそばからそろりと下って笹平、こちらはリフト乗り場ですからすごい人混みとなっています。トイレをすませて打見山へ、その途中にはこんどは子連れの親子さんや初級の人たちなどがわんさかと初級コースらしく若者子供入り混じってごった返しています。さらに進むともういよいよ幼児組でしょうか、キッズコーナーでも賑やかでした。若いお父さん、お母さんも大変です。
 こんな風景を見ているともう歩く気力もなくなってしまい、ゴンドラで下ろう(14:30発)と自然にその列に並んでしまっているのでした。あ~、これって何だったのか?、そもそも打見山に上がってきたのが間違いだったのでしょう。思い出すとこれまでこのコース歩きでは打見山には上がってきていませんでした。ゴンドラの下をトラバースしてクロトノハゲからキタダカ道を下っていたのでした。

 1000円払って8分で山麓駅です。気の抜けたような状態で暖かなところで荷を片づけ、でもここからバスに乗ってしまうのはバカみたいと、気をとりなおして志賀駅までまた山道を下ってのどかな雰囲気の漂う木戸集落を通って、樹下神社(15:25)へ着きました。ここの鳥居はなかなか立派な石の明神鳥居でした。ここで一応なんとか歩けた今年の蓬莱スノーシュー歩きのお礼参りとしたのでした。

 
 樹下神社の明神鳥居

 志賀駅までの間にある美味しいと評判のパン屋さんでお買い物です。そこで堅田に住むという若い美しい奥様に出会い、また山にご案内しますからご一緒しましょうというと、すぐさま我がHPをスマホで確認していただき、しっかり商売の宣伝も忘れずに駅へ向って15:56の電車に乗りこんだのでした。

 それにつけても今回のスノーシュー歩きはホッケ山から打見山までのなんと短い距離の間しか楽しむことはできませんでした。消化不良の権現~蓬莱の縦走でしたが、うやむやの形でのシュー遊び・で・し・た。シュン;;

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