裏六甲 有馬三山と紅葉の紅葉谷 '12.11.10

 紅葉のすばらしい谷といわれる紅葉谷のトップシーズンを訪ねたいとかねがね思っていたが、ようやく念願かなっての紅葉狩りだった。もちろん山歩きも楽しみたいと有馬三山にも落葉山側から急登を歩いてみよう。

 まずは有馬温泉から落葉山の妙見寺だ。妙見宮参詣道の案内標石から城山妙見寺の赤い提灯下がる石段を登ると西国三十三ケ所参拝の地蔵さんも祀られ、壱番の那智山から三十三番の谷汲山まで心でお参りしながら歩くと、立派な鳥居が燃えるような紅葉の中に立てられている。
 さて、妙見寺の境内まで上がってきた。ここまでノコンギクの残り花やもみじの紅葉を楽しみながらゆっくり25分ほどだった。庭からあたりを見渡せば有馬温泉街も見下ろせ、上を見上げれば六甲山最高峰のパラボラアンテナも見えている。このお寺は鎌倉時代からの日蓮宗の由緒ある総欅造りの立派な寺で、福徳開運北辰妙見大菩薩尊像が本尊として祀られているらしい。(全画像クリックで拡大)

 ここ「妙見寺」の参道入り口には「妙見宮」と表示され、山頂には鳥居まであるが、寺院なのか神社なのか・・・?話によると、仏教伝来以降明治の廃仏毀釈まで、神は仏の化身であるとした本地垂迹(ほんじすいじゃく)思想をもとに、多くの神社は寺の管理運営下に置かれていた時の名残りのようだ。
 なお、この妙見宮の鳥居の形状は最も一般的な明神鳥居だが、他には神明鳥居、鹿島鳥居、八幡鳥居、春日鳥居、中山鳥居、外宮鳥居、両部鳥居、三柱鳥居、三輪鳥居などいろいろあって、無神人の私にはこれらの相違点などを見ながらの、鳥居鑑賞もいいのではと思うこの頃でもあるのだ。とりわけ三柱鳥居、三輪鳥居を見てみたいなと思っている。

 この後も妙見寺の建物や最高峰を眺めたりしてから、まずはすぐにある落葉山の可愛い4等の三角点地だ。。「落葉山」の由来は、有馬への案内役の蜘蛛を見失った僧の仁西は、年寄りにこの山へ登って落ち葉を投げてみてその落ちた所が温泉だと言われ「落葉山」と名付けられたそうだ。また、この山には室町時代末期に金烏城または有馬城と呼ばれる三好政長の居城があったそうであるが、この史実は曖昧模糊としているようだ。。

 さらに下って灰形山へ行こう。さてこの「灰形山」の山名は、昔秀吉の茶会で有馬に逗留した利久が風雅を取り入れようとこの山の山容に似せて風炉の灰を盛ったことに由来するとある。その灰形山へは落葉山から北西峰の展望台へも立ち寄ったりしたため30分もかかってしまった。
 途中にはやせ尾根もあったり、ゴマナの残花があったり、コマユミの真紅に燃える紅葉やクロモジなどを愛でたりしながらのんびりだったが、登りになるとすぐに木の急階段である。着いた山頂は疎林に囲まれてほとんど展望に恵まれない。

 なお、途中には「保健保安林」という表示があったが、比較的珍しいので少しふれてみたい。そもそも保安林とは、森林法に基づき水源かん養、災害の防備、生活環境の保全・形成等の公益的機能を発揮させる必要がある森林を対象に指定するものである。
 そのうち今回見た表示の保健保安林は、生活環境保全機能および保健休養機能の高い森林として指定されたものである。有馬温泉の観光地にほど近い山地のために森林浴等にも利用されるとのことだろうか。森林浴の解説板も立てかけられていた。なお、本日は保安林の表示には他によく見かける「土砂流失防備保安林」もあった。

 灰形山山頂でわずかに息を整えてさらに急な階段を黙々と登って、偽ピークからなだらかに少し登ると、灰形山から20分で雑木林の中、唯一ウリハダカエデの紅葉ある湯槽谷山の山頂があった。この名は有馬温泉の湯ぶねをこの一帯の山の木をだして使ったとの謂われのようだがさだかではない。
 また山名柱は三山共、同時に真新しくH23年に立てられていた。ここもまったく見とおしないが、この有馬三山を歩く度に思うのだが、低山で展望もないのでやや人気がないのだろうか。お蔭で静かな山歩き好きにはもってこいのコースではある。

 この後もやや急な坂道を下るが、5分ほどの短い下りだ。そして山頂から15分で4等点、そして5分で六甲有馬ロープウエイの鉄塔地、その後下ったり登ったりしながら、小川山分岐を右に見送ると六甲山を走り回る車の音が聞こえて、湯槽谷山から45分で番匠屋畑尾根と紅葉谷合流点に着き、すぐ先の極楽茶屋跡あたりで20分ほど寒い中での昼食とした。
 なお、番匠屋畑(ばんしょうやばた)尾根という名も珍しいが、この紅葉谷分岐があるあたりが古くは番匠屋畑と言われた薬草園があったところからの尾根の名のようだ。。

 さぁ、この後の紅葉谷の紅葉が楽しみである。最初にシロブナともいわれる肌の白くてきれいな本ブナである。この種にはもうひとつイヌブナもあるのだが、こちらもこの谷筋には見られるのだ。下り出すとすぐに肌がブナと違ってぶつぶつの木肌でやや黒っぽいイヌブナが随所に紅葉しているではないか。

 もちろん、カエデ類も多くあったり、シデ類、さらにはシラキ、アワブキなども負けじと紅葉しているようだ。谷あいがいつも通るより明るく思え、心躍るとはこんな谷歩きだろうか。どんどん紅葉が続いてくれる。見事な紅葉の数々をご覧いただこう。

 もちろん、紅葉谷といえば滝巡りも素敵ですよね。本日は百間滝分岐手前から左にか細い道を下って、まずは蜘蛛滝を訪ねよう。この時期の水量はやむを得ないが、これでもなんとか見られるのだ。下に続く蟇谷雌滝、雄滝も見よう。

 さらに下って七曲滝、蟇滝ももちろん見よう。しかし、七曲滝のあの氷瀑を知っているだけにやや物足りなさを感じるのはやむを得ないだろう。しかし、その分をカエデの大木の紅葉がすばらしく、静かな谷でひとりぼっちの紅葉狩りになったのである。

 そして紅葉谷に戻ってさらなるイヌブナやカエデ類の紅葉を楽しむのであった。

 最後の滝巡りは鼓滝であったが、こちらは滝よりもあたり一帯のモミジの大紅葉がおおいに楽しめた。

 今日は山歩きと紅葉狩りが楽しめた裏六甲の一日であった。時間的には登りを有馬三山登山口から極楽茶跡まで2時間20分、20分の昼食後の紅葉谷の紅葉狩りと滝巡り とで有馬温泉阪急バス停まで2時間半の歩きであった。

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