西丹沢 菰釣山’09.5.18〜20 晴

5/18 大滝橋1700-一軒屋避難小屋前広場1755
5/19 小屋前600-大滝峠上-畦ケ丸810-大界木山-城ケ尾峠-中ノ丸-ブナ沢乗越-菰釣避難小屋-菰釣山1300
5/20 菰釣山500-油沢ノ頭-樅ノ木沢の頭-石保土山-大棚ノ頭-富士岬平-高指山930~1030-平野1130

 西丹沢をゆったりテント泊で畦ケ丸から菰釣山そして甲相国境尾根を縦走してきました。お目当てのツルシロガネソウ、シロヤシオが咲き、冨士山もばっちりと見ることができ、久しぶりの重いザックで道中が心配でしたが無事に計画どうりの行程を歩きとおすことができ大感動のテン泊山行となりました。

ツルシロガネソウ(キンポウゲ科) 花の裏面は紫色を帯び葉先は尖り気味
シロヤシオ(ツツジ科) ゴヨウツツジとも言われ愛子様のお印として名高い
今回は冨士山があちこちで見えましたが最後の高指山からのものです。

 

西丹沢自然教室手前のバス停大滝橋から左折 マルバウツギがきれいに咲きます。
初めて出会ったヒトツバテンナンショウ、仏炎苞の裏に八の字形で濃紫色の斑紋あり
ミヤマガマズミ(スイカズラ科)雄シベが長く突き出る ツタウルシ(ウルシ科)つぼみ
トウゴクミツバツツジ 花柱、子房毛密生 畦ケ丸1293m、直下には避難小屋もある。
標高1200mくらいではシロヤシオ咲き、道沿いには落下の白い花びら多し。右、樹肌は松に似る。
登山道はブナの森が随所にあり 大界木山直前で最初の富士だ!
縦走途中のピーク大界木山1246m 道案内のごとくクワガタソウ(ゴマノハグサ科)咲く
新築なった菰釣避難小屋にザックをデポ、水場へ往復40分、谷筋に一面ツルシロガネソウ超満開
菰釣山1379m、冨士山は最高、山中湖手前の稜線を明日は歩こう、右には石割山が・・
頂上にはマイズルソウ(ユリ科)が咲き初め、ブナ、ミズナラ、ウリハダカエデ類も見事だ。
頂上からの富士の様子、狭い頂上でのテントも平な場所が少なく寝るのに傾斜で苦労・・
頂上からの富士もいろいろな姿が、、それに何といっても夜間の満点の星は形容しがたい・・
最終日5時発で2時間弱で樅ノ木沢の頭 3時間半で富士岬平へ、ここからがベストポイント
山中湖越の富士岬平から 20分歩き高指山から
高指山では木陰少なく、酷暑にやられる。ヤブウツギ(スイカズラ科)満開、斜面にはツリバナの樹が何本も

 最近はムーンライトながらが臨時運行となり夜発が難しくなったため、バス便とのからみなどからやむなく新幹線利用で初日を17時から歩き出すという行動にでました。
 初見のヒトツバテンナンショウに感動したり、コウライテンナンショウ、ヤブウツギ、ガクウツギ、ヒメウツギ、クワガタソウなどの花を見ながら次第に薄暗くなるようで不安な気持ちは隠せませんでした。
 でもこの時期ならなんとか少々暗くなっても歩けるうちにテン場まで辿り着けると読んでの計画でしたが、登山道もよく整備されて順調に初日をテン場で休むことができホッとしました。神奈川県が完備した一軒屋避難小屋に泊まればいいのですが、せっかくのテント持参のためあえて小屋を借りません、もちろんきれいに使われている小屋でこれなら泊まってもいいかなと思えるほどの小屋でもありました。
 でもなんといってもいいのはきれいな沢の水がすぐ前にとうとうと流れているのが最高の場所なんです。これが目当てでこの場を選択したのでした。

 二日目はゆったり行程のために6時すぎに出発です。今日のテン場は少し下ったところに水場ありのため、登山中分の水1.5Lのみで辛抱しました。なにせ装備、食料で18kgも担いでいたためでもあり、まして今日は稜線までしっかり登って行かねばなりません。
 でもさすがに堪えました。半時間ほどでしたがずっとステタロー沢の水が流れて、しまった小屋前から持つ必要なかったのに!と30分担いだことに損したような気分でした。

 ふぅふぅ大汗しながら稜線に乗るとミヤマガマズミが咲き、道に赤い花びらはミツバツツジでほとんど咲き終わっていました。さらに進むと紫色の濃いトウゴクミツバツツジが終盤直前の満開でした。畦ケ丸避難小屋も10人近くは泊まれそうなきれいな建物でした。そこから100mほどで畦ケ丸頂上です。

 これからが西向きに縦走に入ります。シロヤシオが同標高あたりのみ咲き誇っていました。でもこれ以降は稜線漫歩とはいきませんでした。思ったよりピークが多くてアッパーブローが利いてしっかり歩くのが辛かったのが事実です。
 しかしブナ沢乗越にくればもうその先に菰釣避難小屋のために元気が出てひと登りで昨年立て替えられたという小屋へ到着しました。でもまだ一仕事のアルバイトが残っています。水場まで下りてくることなんです。下り始めると谷筋によく見ると一面真っ白くなっているかのごとくツルシロガネソウの群落地でした。鯖の尻尾のような若い緑色の果実をつけているものもあり早速デジです。そばではネコノメソウが完全に咲き終わって若い果実に成長しています。
 なお、ハコネシロガネソウは花びらが0.5~1cmと小さくツル・・の方は1~1.5cmとやや大きく、頂小葉の先が細く尖らないハコネ・・と違い、ツル・・は葉の表面が波うち,頂小葉の先が尖りぎみになることもポイントということです。今のところ丹沢山系にはハコネ・・は分布せず、ツルシロガネソウ(別名シロガネソウ)のみしか見られないようです。

 さらに下ると水音が聞こえ、たっぷりと3Lをボトルに受けてサブザックで小屋まで上がると往復で45分かかっていましたが、一服後にいよいよ菰釣の頂上へ20分です。
 登ると目の前にでっかく真っ白な富士が座っているではありませんか。我を忘れて写真でした。その後に計5人の方が見えましたが、比較的何度もきている方ばかりのようで余り感動の様子もなく、そさくさと下山に向われすぐに一人ぼっちの静寂の世界が待っていました。

 静かに物思いにふけりながら時をすごしてからやおらテント設営で、後は大自然の中で用意の文庫本をペラペラと追いながら知らぬ間に寝入ってしまっていました。
 お腹が空いたのか目が覚め早速夕食の準備です。「佐藤のお米」を湯で戻し、ホウレンソウ、水菜を炊いて豚肉、チーズそれに鶏がらスープや塩コショウで味をつけたお決まりメニューでしたが、しっかりお腹がパンパンになり、熱いココアを飲みデザートは夏みかん、バナナで仕上げでした。
 すっかり満腹でまた瞼がうろうろなってくる始末で、疲れから明日を思ってすぐにまた横になるとそのまま深夜までぐっすり眠りこけてしまっていました。

 漆黒の闇の中かと思いきや2時頃というのに空には満点の星がキラキラ輝いているではありませんか。やや寒いなと感じるまで呆然と首が痛いくらい一人ぼっちで星を眺めいる自分に気がつきました。でも起きるにはまだ早いなぁともう少し眠ることとしてテントへ戻りまた眠りこけました。

 携帯のアラームが4時を知らせてくれすぐに起床です。もちろん昨夜の残りものとパンを食べて5時出発です。すばらしい冨士山よありごとうと山頂でお礼の意味で冨士山に向って深々と頭を垂れた後、いよいよ最終日の稜線歩き甲相尾根の縦走の始まりです。

 事前調べで分ってはいましたが、結構な尾根歩きに間違いはありませんでした。疲れはザックの目方から余計です。西北には道志の雄である御正体山が樹間にずっと顔を出していました。
 あ〜あの200名山の御正体も残っているなぁ、でもお花は少しもなく、富士もほとんど見えないというし、それでは何のためにか・・などと考えながら目の前に繰り返しくるピークとの戦いです。

 昭文社の地図にあるブナノ丸・油沢ノ頭・樅ノ木沢の頭・西沢ノ頭・石保土山・大棚ノ頭・富士岬平・高指山のピークにさらにはニセピークか前山などがいくつも現われている始末です。
 日帰りザックであれば短いアップダウンのために軽い歩きでもあるのですが、さすがに18k前後では体力が持ちませんでしたが、ここまでで終わるわけにはいかないのです。仕方なく泣く泣くの感じの歩きが続きましたが、何とか企画どおりの道を歩けたことへの感動は口ではいえないものがありました。

 その駄賃が富士岬平と高指山からの冨士山ビユーポイントだったのです。この二ヶ所はさすがにお天気にも恵まれたのですが最高の贈り物が最後に待ってくれていた感じであり、今回の大縦走を気持ちよく閉めることができたのでありました。
 最後は酷暑にはやられましたが、高指山はこれまでから何度か足を運んではいるために勝手知ったる道を道志の入り口である山中湖畔の平野までテクテク歩きで終えました。

 ありがとう、健康に大きな感謝ですが、いついつまでもの更なる健康を祈りたいものであります。 

 最後にもう一度すばらしい富士をご覧くださいませ〜

5/19夕暮れの菰釣山からです。右手前が御正体山その稜線先が石割山その手前の稜線を最終日歩きました。
5/20富士岬平からの富士は如何でしょうか〜山中湖畔手前が平野、左手前には鉄砲木ノ頭も見えています。

 【出あった花】

ヒトツバテンナンショウ・コウライテンナンショウ・クワガタソウ・ハコネシロガネソウ・ギンリョウソウ・キジムシロ・ミツバツチグリ
ヤブウツギ・ガクウツギ・ヒメウツギ・ミヤマガマズミ・シロヤシオ・アオダモ・ミツバツツジ・トウゴクミツバツツジ・ツタウルシ*・ツリバナ*・ミツバウツギ*
*はつぼみ

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