比良  堂満岳   ’09.1.16 快晴

雪稜の比良    朝9:15左は打見山、右のピークが堂満岳

 日本列島は西からの高気圧が張り出し3月ころのお天気となるだろうとの予報を見て、あわてて滋賀県湖西の比良山系へ1000m峰を一年ぶりに登ろうと出かけてきました。

 比良山系の1000m峰は15座あるといわれています。その盟主は武奈ケ岳でも1214mで、一番低いのは1006mの擂鉢山ですが、その中で12番目の堂満岳は1057mの低山です。
 そうはいっても低山ながら侮れません。なぜなら比良の冬山は日本海よりから、まともに季節風を受ける山域なのです。
 そんな気象条件の厳しい山々なのですが、わたしは湖西線沿いの比良の山域はJRの駅前登山として便利なために好きな山として数多く登っています。

 しかしながら近年、登山、スキー?あるいは観光用?のリフトゴンドラが廃止され、一挙に登山者などが減少しているのも事実でしょう。そんなことから駅からのバスも廃止となり、登山口まで1時間弱歩く必要がでてきています。
 もっともわたしは以前から常にバスは利用せずに歩いてばかりでしたからその点では支障はなかったのです。かえって入山者が少なくなり静かになってうれしいほどです。 

 ところがです・・・。きょうは1月としては例年にない多くの積雪量に泣かされてしまいました。きょうの積雪量はいつもの年の2月中旬の様子ではないでしょうか。
 それにきょうわたしと同じイン谷口から正面谷をつめ、金糞峠へ押し上げる登山者でわたしの前を進んでいったのは4名しかいなかったのでした。

イン谷口 右は無人となった小屋 大山口 右へとると武奈ケ岳へ

 青ガレあたりからは雪は腰のあたりまでとなり、最初はラッセル泥棒状態だったために登山靴が雪道にきしみ気持ちよく快調でしたが、いつの間にやらトップとなってしまいました。

 頭を歩けばラッセルだ、これにはそれまで追随させていただいたのだからと頑張ってみても力量はしれたものです、、。その内にヘロヘロで参ってしまいました。登山口から2時間でようやく金糞峠の道標を見てへたり込んでしまったのは当然でした。

金糞峠もごらんのように雪にうずまる・・ 琵琶湖の奥島が見え、伊吹、霊仙も真っ白だ・・

 この後、もちろん稜線を南へ堂満岳を目指すつもりでここまで押し上げていたのですが、その先の道も当然真っ白な深かぶかとした雪稜の波はトレースを完全に呑みこんで消えてしまっていました。

 どうしようかと一人静寂の中で考えていると”どうもすんまへん!、助かりましたワー”との声で後続者が到着してきました。でも、彼らも疲れきった様子でとても武奈はおろか堂満へも無理だ、と悲観的な声が聞こえるばかりでした。

 これ以上一人っきりで頑張る気持ちが完全になえてしまい、あえなく敗退して同じ道を下ることとしたのであります。そうと決まれば腹ごしらえでもやろうと持参のコンロ、コッフェルから食の材料などを広げて遅めの昼食をしようと店を広げました。満腹後は峠からの琵琶湖を写真に撮って、そさくさとイン谷まで下山に取り掛かってしまいました。

 あぁ、残念、、、。こんなにすばらしいお天気なのに堂満頂上からの展望もやらずに帰るミジメさほど辛い一日はないなぁと一人淋しく、とぼとぼとイン谷からJR比良駅まで最後の雪を蹴散らしながら帰ったのでした。

下山後振り返るとあたかも雪は消えたかのように見えたのですが・・

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