越前 藤倉山(644m)・鍋倉山(516m) ’04.4.13 くもりのち小雨 

 この山は福井の低山ですが花の名山として近年は名だたる山域となっています。きょうも温かな陽気に誘われて多くの登山客で賑やかでした。

珍しい白花のカタクリが満開でラッキーでした。

 新羅神社の最初からカタクリ群生地の満開状態は一挙にみんなのテンションが上がってしまいました。その群れ咲く中に白花も4株も見られこれまた大満足です。
 もちろんヤマエンゴサクも負けじと超可愛く咲いています。その中に咲くキクザキイチゲはやや終盤でした。ここのお花畑でのトキワイカリソウはまだまだほとんど蕾でしたが、このお花は登山道最後の群生地を知っているだけに先を期待します。さらには足元にショウジョウバカマも彩りを添えています。

満開時に出会えました。 キクザキイチゲ(別名キクザキイチリンソウ)

 尾根を登り始めるとタムシバが冬枯れの中に真っ白な花弁を大きく広げてひと際目立っています。そばにはひっそりとウスギヨウラクやニワトコが蕾をつけて開花の準備中でした。もちろん本場であるキンキマメザクラも満開で、ユキツバキも真っ赤な花弁を平開ぎみに咲いています。
 足にやさしい登山道沿いにはコシノカンアオイも葉が沢山見られ、いちいち落ち葉に手を入れてお花を探します。やっと見つけたお花の色合いはそんなにあでやかとは言えませんが、その瞬間の歓びは何物にも変えがたいものがあります。でも本家新潟の角田山でのお花とはやや見劣りがするようだと感じるのは私だけでしたでしょうか?

あちこちで見られました。咲き頃が旬の純白な
色合いが素敵です。
葉のエラ部分がひっつくよう、コシノカンアオイ
のその部分は広がり気味なのが相違点

 まだそんなに標高をかせいではいないのに登山道沿いには立派なブナの大木も見られます。また上の方のブナ林ではその林床にエゾユズリハがところ狭しと見られます。中にはヒメアオキも見えます。尾根沿いにはマルバマンサクが大満開で、オオバクロモジも薄い黄緑色で飾っていました。
 ニセピークに騙されながら汗して先を行き、藤倉山のピークは予想を上回る登りでした。金草岳などの奥美濃の山々にはまだまだ銀嶺の頂がずらりと並んでいました。

 賑やかな昼食中にはギフチョウがそばにとまって大サービスでみんなを喜ばせてもくれました。歩き出すとすぐにトクワカソウの出現に大歓声です。この種は鍋倉山の下り道まであちこちに群落を見せてくれました。
 それにショウジョウバカマの群落も忘れられません。その間には若いブナ林の心ときめかせる森もすばらしいとの声がしきりでした。

トクワカソウの特徴は葉身基部がきりがたとなる
傾向ですが花冠はイワウチワと変わりません。

 鮮やかに黄色のお花は木元の枯葉を探してダンコウバイと確認できました。なぜならこのお花は近縁種のアブラチャンと酷似するため花びらだけでの同定は至難のわざなのですが、葉を見れば一目瞭然としています。

歩きながらの左側にはホノケ山の鋭峰が・・ 鉄塔広場から越前富士の日野山が見えます。

 どこが頂上かも分らないような鍋倉山は古びた板きれの札を見つけられないと見落とすことでしょう。この後は何とかもってくれていた雨が顔にあたるようになり、下山時にはしっかりと濡れてしまいました。
 八十八ケ所参りの参道を下ってトキワイカリソウのオンパレードにも大感動でした。それらの中には鮮やかに黄色い花弁のミツバツチグリも多く咲きヤマブキも咲き初めでした。そばには紫色のキランソウもひっそりと姿を見せていました。
 すぐにJRの線路沿いの登山口へと下って沢山の花巡りに一同大感動の顔が並んでいるのを見ると、案内した者としてこちらまで嬉しさがこみ上げてくるのでした。。

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