多比の大平山から北向きに富士山を見ながら縦走しようと試みた。前日の日本列島を襲った強風と雨に心配したが、運よく当日はすっかり風雨も上がり、最後まで新雪をつけ雪煙をあげる富士を眺めながら、起伏ある縦走路続く稜線を楽しんだ。
うれしかったのは予想外の思わぬ暖かさで、登山道沿いのたくさんのお花たちがいっそう楽しい山行に彩りをそえてくれ、すばらしい山旅となったことである。
大平山356m・鷲頭山392m・小鷲頭山330m・徳倉山256m・横山183mの可愛い低山だったが、なかなかアップダウンがきつく、結構楽しめる沼津アルプスである。
もちろん富士山の眺望は最高だが、弓のような駿河湾の絶景も忘れられない景色であった。それにも増して春浅いこの時季にもかかわらず、下界ではハクモクレン、サクラが咲きコブシも今にも咲きそうに蕾を膨らませていた。
登山道に入るとタチツボスミレやナツトウダイなど多数の植物たちが開花して出迎えてくれ、一同早くも一気に興奮気味である。
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キブシ(キブシ科) いたるところで黄色のカンザシのような花が 見られた。 |
クサイチゴ(バラ科) キイチゴ類の先頭をきって真っ白い花を 広げていた。 |
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カキドオシ(シソ科) よく似た花にトキワハゼやムラサキサギゴケが あるがこれらはゴマノハグサ科で少し花の様子 が異なる。 |
ナツトウダイ(トウダイグサ科) 夏とつくがトウダイグサの仲間では春一番に 咲いてくれる。 環境が適しているのだろう。あちこちで群生が 見られた。 |
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ヒメカンスゲ(カヤツリグサ科) 葉が柔らかく、雄花下が黒くならないのが ミヤマカンスゲ、葉が硬く、雄花下が黒くなるのが カンスゲ、そのカンスゲによく似て葉幅が細い のがヒメカンスゲ |
ヤマウグイスカグラ(スイガズラ科) 葉、葉柄、花、花柄に毛が散生するのが本種 無毛なのがウグイスカグラ 花の基部各部の形態はウグイスカグラと同じだが、 線毛が多いのがミヤマウグイスカグラ |
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タチツボスミレ(スミレ科) 日本の代表的なスミレの種で、どちらでも分布 地上茎の発達する点でも代表 托葉が櫛の歯状態 |
ニオイタチツボスミレ(スミレ科) 同じく地上茎が発達するタチツボ・・類の仲間 名前のとおりよい香りのするものが多い |
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モミジイチゴ(バラ科) 中部地方以西に分布するナガバモミジイチゴ と違い、中央の裂片が長くつきでない |
オニシバリ(ジンチョウゲ科) 側脈が7~9対で不規則に分岐し、夏に落葉 するため別名ナツボウズともいう 近縁種のナニワズは日本海側の福井県が南限で 側脈4~7対であまり分岐しない |
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ナワシログミ(グミ科) 伊豆半島以西に分布し、苗代の頃に実が 熟す 葉の表面には銀色の鱗状毛がある |
クサボケ(バラ科) 扇形の托葉が目立つ 葉先は丸みがあり鋸歯は鈍い ボケの葉先は普通尖り、鋸歯は鋭い。 またボケは園芸的に植えられ、自生して いるのはほとんどクサボケ |
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ほかにもタブノキ、ウバメガシ、カゴノキ、トベラ、ヒメユズリハなど暖地性の樹木が多く、シキミも満開でありアオキ、アケビも開花寸前で、ミツバアケビはもう咲いている。なかでも雌雄異株のヒサカキは雄花、雌花ともに超満開で足元にもいっぱい花が散らばるほどであった。4~5mはあろうかという大きなシャリンバイには紫褐色の実がつき、花芽も膨らみかけていた。
山野草もヤマネコノメソウが咲き、ウラシマソウの咲き初めが多くあったが、残念ながらこの種はまだ寒さにちじこまっている状態であった。それにヤブレガサ、カンアオイなども見られた。
のんびりゆっくりすれば植物たちをまだまだ見つけられたであろうが、なにせ電車の時間が・・の状態で、完全な植物のカバーがかなわなっかったのが唯一心残りであった。
ご参加の皆様往路の電車の遅れや当日の時間との勝負で大変お疲れ様でした。それにしてもそんな中での帰りの浜松途中下車による「うなぎの超美味」はグッドアイディアとなり、すばらしい山旅に記憶の一つの深みを増してくれたことでしょう~~