京都東山  大 文 字 山  ’06.1.23 雪

 今冬一番の冷え込みにより、京都市街地も雪景色となってしまった。今回は北山のナッチョ(天ヶ森)への予定で国際会館前に集合したが、あまりの降雪状況に無理に強行し万一の遭難騒ぎにでもなれば大変ではないのかとの声も出るほど雪の降りようは思いのほか多かった。
 そんなことから急遽行き先変更を選択し雪の心配のない大文字山へと南下した
 

 




 JR山科駅からの地下道を出るとそれでも小雪が舞い散り、一同大丈夫かなとの心配顔が並んでいる。
 毘沙門天門跡あたりでは雪降る中をきれいに掃き清められているおじさんが遭難しないでやと声を掛けてくれる。。。

        




 谷道に入ると雪をかむった常緑のシダがいっそうきれいに輝いている。ストックで淡雪を払いながらベニシダ、トウゴクシダ、ヤマヤブソテツ、イノデ、イワガネゼンマイ、ハカタシダ、オニカナワラビなどを見ながら、今朝方積もった新雪を踏むキュツキュツと小気味よい響きがたまらなく楽しさを増してくれる。

    

 一汗掻いたなと思う頃には、もうそこは少し切り開かれた隅に3等三角点の埋まる大文字山頂上である。保育園児や京大生や色とりどりの登頂記念札がいっぱい下がっている。

 生憎の小雪交じりのお天気で展望は全くない状態は仕方なかろう。早速鍋を囲んで温ったまろうと火が入った。でも掻いた汗が冷えてくるからなかなか身体は温もらない。
 そう-5度くらいだろうかと話しながら、横殴りの雪を頭に受けて寒さは益々強くなる。その間いろいろなグループの方がここが頂上かといいながら通過して行く。
 我らはそんなことに構わずどんどん鍋に箸が出る。野菜以外にもいろいろな具が入り混じって最高の味がなんともいえない。

 

 


 大満腹のゆっくり昼食を終えると大文字の火床へおりることとしよう。
 ここまでくるとやや見晴らしが利くようになり、まるで箱庭のような京都市街地の北部がはっきりと見られた。
 だが正面方向にある西山山系北側の愛宕山あたりは雲の中のようで見ること適わなかった。

 

  

 

 



 通常コースの銀閣寺方面へは取らず、鹿ケ谷へおりて静かな哲学の道沿いから南禅寺を経由し、蹴上げに向かう途中に東山斜面に真っ赤な果実の見事なタマミズキを発見した。
 一度は間じかに見てみたいみんなは急な山道をよじ登って大木の傍まで行き、樹皮や落ちている果実や葉を観察することができた。





   
タマミズキ(モチノキ科) 葉の表と赤い果実と葉裏 右は樹皮(皮目が多い)高さ約20m以上、太さ80cm

 南禅寺一帯の観光地を歩きながら、石崖に着生しているトラノオシダ、ノキシノブ、ヤブソテツなどを見た後で南禅寺の庭の中には大型のイヌイワガネソウが生え、多分逸失して野生化したであろうアジアンタムの一種のホウライシダが水路内で発見できたことは、大雪による変更により思わぬもうけものの極寒の一日であった。

   
イヌイワガネソウ(ホウライシダ科)                 ホウライシダ(ホウライシダ科)

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